ハンティング・パーティ
原題:THE HUNTING PARTY
2007年ヴェネチア映画祭正式招待作品
2007年/アメリカ/カラー/103分/ 配給:エイベックス・エンタテインメント(株)
2008年5月10日(土)より、シャンテ シネ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(C) 2007 IM Filmproduktions GmbH All Rights Reserved
公開初日 2008/05/10
配給会社名 0316
解説
<アメリカを出しぬいたのは、わずか3人のジャーナリストだった・・・>
国連にもCIAにも捕らえられない重要戦争犯罪人=フォックスへの取材に挑んだ、3人の命知らずのジャーナリストがいた。かつて戦場リポーターの頂点に輝きながら破滅し、どん底からの再起を求めるサイモン。サイモンと共に戦火をくぐり、今や出世街道を昇りつめた元戦場カメラマンのダック。そして野心に満ちた新米TVプロデューサーのベン。このたった3人の男たちが、命を危険にさらしながらフォックスの至近距離までたどり着いた時、彼らの前に立ちふさがったのは、誰ひとり想像しえなかったある事態だった。
<スクリーンに炸裂する興奮と感動のヒューマン・サスペンス!>
スピード感あふれる追跡劇のなかで、命知らずなジャーナリストたちの魅力と絆を描くヒューマン・サスペンスが誕生した。ストーリーを動かすのは、決して人間として完成されているとは言えないが、それゆえに魅力的な3人の男たち。主人公サイモンは、危険を危険とも思わぬ“イカレ”た男。だが、酒を飲む金にも事欠くほどに落ちぶれながら、魂は失わない。ダックは、成功者として全てを手に入れながら、危険な生き方に引かれていく男。天と地ほどに境遇は違っても、“戦友”への友情は変わらない。そして、ベンは、父親へのコンプレックスを野心に変えた負けん気の強い若者。未熟な常識人だが、いざという時に爆発する大胆さはサイモンですら舌を巻く。彼らは、窮地にあってもユーモアと誇りを忘れない。そして、権威にひれ伏さず、金や名声よりも危険な冒険を選びとってゆく。
ぶつかり合って絆を深めながら、果敢にも世界のぎまん欺瞞に立ち向かい、世界の、そして自身の“真実”を見いだそうとする3人のジャーナリストたち。危険を承知で追跡を続ける、彼らの本当の目的とは?そして、近づくほどに迫り来る、世界が隠す驚愕の事実とは?予想外の出来事が次々に勃発するスリリングなサスペンス展開と、3人の主人公が生み出す深い人間ドラマに、観る者の心は興奮と感動で満たされるに違いない。
<驚愕の実話に基づく、極上エンタテインメントの誕生>
映画の基となったのは、「エスクァイア」誌に掲載された驚愕の実話。紛争終結5年後、2000年のボスニアで、5人のジャーナリストが、「民族浄化」という名の大虐殺を行った戦争犯罪人・カラジッチを追跡する。その過程で、彼らは、なんとCIA工作員に間違えられ、世界が隠蔽する真実にぶち当たる‥。その体験は全て映画に散りばめられ、驚きに満ち、かつ真実味のあるストーリーを構成した。
監督・脚本は、エミー賞受賞に輝くTV界の精鋭にして、映画“The Matador”(05)で高い評価を受けたリチャード・シェパード。事実に裏打ちされた予想外の出来事が次から次へと勃発するスピーディな展開、3人組の人物設定の妙と彼らのドラマが生み出すカタルシス。映画は、3人の心情をリアルで粋なセリフの応酬に乗せ、観る者をぐいぐいと引き込んでゆく。加えて、国際情勢でも、人間においても、表に見えていることだけが真実ではない、という視点が盛り込まれ、奥行きのある極上のエンタテインメントが誕生した。
撮影は、ボスニアの首都サラエボとクロアチアで行われ、戦争の傷跡の残る物語の舞台がリアルに映し出された。『スター・ウォーズ』エピソード1,2,3(99,02,05)のデヴィッド・タッターサルによる硬質でスタイリッシュな映像が、危険地帯での男たちの冒険に、ある種の崇高さを加えている。製作は、アカデミー賞作品賞受賞作『レインマン』、『ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女』のマーク・ジョンソン。
<豪華キャストの奇跡のアンサンブル>
3人の男たちを熱演するのは、役柄そのままに、年齢やキャリアの異なる魅力的な3人の俳優たち。絶妙のバランスに立つ彼らの競演は、人間味あふれる上司と部下、先輩後輩の関係にも似た心惹かれる独特の空気感を醸し出す。
伝説の戦場レポーター・サイモンに、『シカゴ』(02)、『Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?』(04)のリチャード・ギア。恋愛映画の名手として知られる彼が、都会派エリートのカッコ良さとは対極の、危険に突っ込んでゆく“イカレた”男の情熱と複雑な内面を見事に演じて新境地を開く。垣間見せる、地獄を見た人間だけが持ち得る優しさの表現は、観る者の胸を打つ。
カメラマンのダックには、アカデミー賞に最も近い黒人俳優との呼び声も高い『クラッシュ』(04)、『ブレイブ ワン』(07)の若手実力派スター、テレンス・ハワード。金や権力よりも危険な冒険を選びとる男のロマンと友情を深みのある演技で体現する。
そして、『イカとクジラ』(05)で揺れ動く若者の心を繊細に演じて注目された期待の新進俳優ジェシー・アイゼンバーグが、先輩たちの荒っぽい洗礼を浴びて成長してゆく若者・ベンを、飄々としたユーモアを交えて好演する。
さらに、彼らのドラマにサスペンスを添えるのは、『トロイ』(04)、『ナショナル・トレジャー』(04.07)シリーズのスター女優ダイアン・クルーガー。裏世界の情報屋という難しい役柄を熱演し、スリリングなシーンを作り上げた。
ストーリー
ボスニア紛争終結5年後の2000年、サラエボ。記念式典の取材のため、5年ぶりにこの地に降り立った元戦場カメラマンのダック(テレンス・ハワード)。彼の前に、かつて戦場リポーターの頂点に輝きながら破滅し、消息を断っていた元相棒のサイモン(リチャード・ギア)が姿を現す。戦地を離れ、ニューヨークで出世街道を駆け上ったダックとは対照的に、サイモンは、危険地帯を渡り歩き、幽鬼のような姿に成り果てていた。驚くダックに、サイモンはさらに驚愕の言葉を吐く。「ぶっ飛ぶようなネタがある」
そのネタは、500万ドルの報奨金をかけて国連やNATOやCIAが捜しているにもかかわらず、逮捕できない、重要戦争犯罪人フォックスの潜伏先の情報だった。
危険な生き方を封印し、金や女に不自由しない生活を送っていたダックだが、“戦友”サイモンの再起をかけた心を思い、半信半疑ながら、彼の言葉に乗る。一緒に来訪していた新米TVプロデューサーのベン(ジェシー・アイゼンバーグ)は、驚愕のスクープで副局長の父親を見返したいという野心から、自分も連れて行けと主張する。こうして、3人の男たちが、潜伏予想地・チェレビチを目指し、危険きわまりない冒険に動き出した。車は、今でもフォックスを崇める人々が存在するセルビア共和国へと潜入する。彼らを狙って、銃弾がかすめ飛ぶ。だがそれは、テーブルに置いた食事代を、サイモンがかっさらって来た“ただ食い”が原因。唖然とするベンをよそに、ダックは昔のスリルを思い出し、思わずニヤリとする。
国連司令部のあるフォチャに到着した3人は、奇妙な状況に巻き込まれる。国連司令官のボリスに、CIAから派遣されたフォックス暗殺部隊と思い込まれてしまったのだ。ジャーナリストだと主張すればするほど身分を隠したCIAだと思われてしまう。困惑するダックとベンだが、サイモンは、どこ吹く風。その上、彼の目的は、スクープだけでなく、フォックスを捕まえて報奨金を獲ることと2人に明言する始末。「イカレてる!」と呆れ、憤る2人。だが、サイモンの決意はいい加減なものではなかった。サイモンには、ボスニア紛争中、フォックスによる「民族浄化」という名の大虐殺で、妊娠中の恋人をレイプ、惨殺された辛い過去があった。彼は、遺体を抱きしめた20分後の生放送で、浅薄な“真実”しか見ようとしない世の中にブチ切れ、スター・リポーターの座から転落する。そこから、彼の地獄が始まった‥。
サイモンへの不信感を募らせるベンを見かねて、ダックは、サイモンの悲劇を話し、「テレビに映る世界と本当に起きていることとは違う」と諭すのだった。世界の闇とサイモンの苦悩を知ったベンの沈黙を乗せ、車は、チェレビチを目指す。銃を構えた男たちが見張る山道を登り続け、3人はチェレビチの村に到着した。情報を得ようにも敵意に満ちた村人たちから銃口を向けられ、不審な車を追うも密輸団に囲まれ殺されそうになって、山奥へは潜入できない。サイモンの情報源に再度あたろうと提案するダックに、サイモンは、「情報源などデッチ上げだ。お前を誘い込む口実だった」と告白する。何としても、フォックスを捕まえたいサイモンの鬼気迫る魂にたじろぎながらも、ダックは、友情を利用され、怒りを抑えきれない。
そんな夜、ボリスの手引きで、情報屋・マルヤナとの接触が成功した。セルビア人ながらフォックスを憎むマルヤナ(ダイアン・クルーガー)は、危険の代償として法外な金を求めてきた。ベンは、CIAと思われていることを逆手にとって、タダでフォックスの潜伏地へ案内させる交渉を成立させる。その意外な度胸と機転に、サイモンとダックは舌を巻く。だが、この地では、全てがフォックスに筒抜けだった。3人には尾行が付き、周囲には秘かに見張る目があった。CIA暗殺部隊と思われてしまった3人は、行動を起こすより先に拉致され、山中に監禁されてしまう。ベンをかばって、フォックスの警備兵が振り上げた斧に身をさらすサイモン。ダックは、サイモンを死なせまいと、猿ぐつわの下から怒号を絞り出す。憎むべきフォックスが姿を現す!
その時、一発の銃弾が警備兵を貫き、武装した男たちがなだれ込んで来た。彼らはなんと、本物のCIA。慌てて逃げ出すフォックス。だが、追う者は、誰も、いない!欺瞞に満ちた世界が、突如3人の前に姿をさらけ出す。戦犯追跡に血眼になっているはずの組織が、なぜか故意に、フォックスを取り逃がしている!!
3人は互いの目を見交わす。言葉を尽くさぬとも、心は同じ。サイモンは、一生一度の熱い勝負を予感していた。ダックは、危険に生きる意義を感じていた。ベンもまた、本物のジャーナリストの情熱を心に宿していた。彼らは、強制帰国を命じる当局を出し抜いて、ボスニアの平原を走り出す。果たして、彼らの目的とは‥!?
スタッフ
監督・脚本:リチャード・シェパード
原案:スコット・アンダーソン
キャスト
リチャード・ギア
テレンス・ハワード
ジェシー・アイゼンバーグ
ダイアン・クルーガー
LINK
□公式サイト□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す