ブタを飼って、大きくなったらみんなで食べよう!

2008年/日本/カラー/109分/ 配給:日活

2009年04月10日よりDVDリリース 2008年11月1日(土)より、全国ロードショー

(C)2008「ブタがいた教室」製作委員会

公開初日 2008/11/01

配給会社名 0006

解説


これは教育?素晴らしい授業!賛否両論を呼んだ実話の映画化
「食育」や「いのちの授業」が叫ばれる前、総合的学習時間もまだなかった1990年。大阪の小学校の新任教師がはじめた実践教育が、日本中に波紋を投げかけた。“ブタを飼って、飼育をした後、食べる”というものだった。「Pちゃん」と名付けられたブタは、32人の子どもたちに愛され、家畜ではなくクラスのペットとなっていく。食べるか。食べないか。2年半の飼育の後、子どもたちの卒業を控えて、Pちゃんの処遇を巡って大論争が展開される。しかし、問題はそこで終わらなかった。その後、子どもたちを追ったドキュメンタリーが1993年にテレビ放送されギャラクシー賞奨励賞、動物愛護映画コンクール内閣総理大臣賞を受賞し大きな反響を呼んだ。視聴者からの反応は「残酷だ」、「それは教育ではない」という多数の批判的な声の一方で、教師の情熱と、子どもたちが自ら考えて真剣に事態に向き合う姿に心を打たれ、支持する人たちもいた。その一人が、本作の監督:前田哲。前田監督は10年以上前に見たドキュメンタリーの感動を胸に秘め、動物や草木はもちろん、人間の命についても、改めて考えることが必要とされている今、この新任教師が挑んだ試みを多くの人に伝えたいと映画化に挑んだ。

手渡された脚本は白紙・・・
物語の結末を知らなかった26人の子どもたちのリアルな感情の秘密
 オーディションで選ばれた26人の子どもたちに手渡されたのは、子どもたちのセリフ部分だけが白紙で、結末が記されていない脚本だった。スタッフや、大人のキャストには通常の脚本が配布されており、撮影現場には「子どもの脚本」と「大人の脚本」が存在していた。それゆえスタッフや関係者は、余計な情報を与えないように、子どもたちと注意深く接した。オーディションからの180日間、モデルになった32人の子どもたちさながらに、26人の子どもたちは、ブタの飼育をしながら「ブタ肉は食べるけど、Pちゃんは?」を力の限り考え、物語としての結末を知らないがゆえに自分の答えを見つけようと、思いや意見をカメラにぶつけた。「食べる13人、食べない13人」の真二つに別れ、時には議論が白熱して大粒の涙を流し、つかみ合いのケンカまでしたこともあった。撮影を通して役を演じる子どもたちもまた、この授業を追体験したのだ。

妻夫木聡が体当たりで教師役に初挑戦!スタッフ・キャストも学びながらの現場
 そんな子どもたちと、一緒に悩みながら成長をする新任教師・星先生を演じたのは今回教師役に初挑戦の若手実力派No.1の妻夫木聡。カメラが回っていない時でも「星先生」と慕われ、撮影現場では子どもたちに優しく、時に厳しく「先生」として接した。そして、そんな6年2組の先生と子どもたちを支える校長役に原田美枝子、教頭役に大杉漣、同僚教師役に田畑智子と、強力にサポートする俳優たちが脇を固める。
撮影期間中、廃校になった小学校を借りて、子どもたち、キャスト・スタッフが毎日登校し、そして実際にブタを飼育した。作品に携わる全員が学びながら挑んだ本作。時代が“いのち”、“食”、“教育”に改めて目を向けている今だからこそ、痛いほど真摯な子どもたちの瞳、言葉、そして強い思いに、誰もが心を揺さぶられる作品が誕生した。

星先生と子どもたちが出した結論とは!? 
あなたならPちゃんを「食べる」?「食べない」?

原案「豚のPちゃんと32人の小学生」
 1990年7月から1992年3月の間、大阪・豊能町立東能勢小学校の新任教師だった黒田恭史氏が担任クラスでブタを飼い、飼育を通して命を考える900日の実践教育。ブタを選択したのは黒田氏が大学時代に出逢った教育者・鳥山敏子氏の著書「いのちに触れる」の影響が大きい。鳥山氏は鶏をさばいて食べたり、ブタを丸ごと一頭食べる授業、通称”鳥山実践”で知られる。黒田氏はその”鳥山実践”を参考に、実際にブタを飼うところから始めることを思いついたという。 この模様を番組制作ディレクター・西谷清治氏がカメラで追い、その後の1993年7月12日にフジテレビ系の情報番組「今夜は好奇心」で放送され賛否両論を巻き起こした。 同番組は、1993年度ギャラクシー賞奨励賞、1995年に動物愛護協会主催映画コンクール「内閣総理大臣賞」を受賞。2003年には黒田氏によって「豚のPちゃんと32人の小学生-命の授業900日-」(ミネルヴァ書房)として出版された。

ストーリー


スタッフ

監督:前田哲
原作:黒田恭史「豚のPちゃんと32人の小学生—命の授業900日」(ミネルヴァ書房刊)
脚本:小林弘利
撮影:葛西誉仁
照明:守利賢一
録音:小野寺修
美術:磯見俊裕 
編集:高橋幸一
助監督:橋本光二郎
製作担当:前村祐子、田嶋啓次
音楽:吉岡聖治
製作:佐藤直樹
エグゼクティブプロデューサー:馬場清
プロデューサー:椋樹弘尚、田中正、廣瀬和宏、小川勝広

キャスト

妻夫木聡

大杉漣
田畑智子
池田成志

26人の子供たち

清水ゆみ
大沢逸美
ピエール瀧
近藤良平
戸田菜穂

原田美枝子

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