原題:Blood Brothers

ジョン・ウー監督が中国に戻って手掛けた帰還第一作。1930年代の上海を舞台に、野望に燃える3人の若者達の友情と対決を描いた作品。

第64回ヴェネチア国際映画祭クロージング上映作品 第32回トロント国際映画祭 正式出品作品 第12回プサン国際映画祭 正式出品作品 第20回東京国際映画祭 《香港映画祭》出品作品

2007年8月23日

2007/台湾・香港/カラー/95分/ 配給:エスピーオー

2009年04月03日よりDVDリリース 2009年2月7日(土)より、シネマート六本木ほかにてロードショー

2007ⓒFat Penguin Pictures Corporation. All Rights Reserved.

公開初日 2009/02/07

配給会社名 0116

解説


ジョン・ウーが放つ新たなる衝撃——、
絢爛たる黄金〈ノワール〉、遂に誕生!
 アジアに復帰したジョン・ウーが『レッドクリフ』撮影前にプロデュースしたのは、浪漫と動乱の1930年代を舞台にした本格ノワール映画。魔都・上海に吸い寄せられた男と女の哀しい欲望、そして数奇な運命を絢爛たるムードで描ききる。美しく純粋な男たちが義兄弟の掟を破ってまで得たかったもの、そして、ジョン・ウーが追求する“男と男の絆”の真実とは——? 情念を揺さぶる人間ドラマとハードボイルド・アクションが贅沢に融合した、永遠の《ジョン・ウー・ワールド》が、ここにある——。

1930年代——古き良き“オールド・シャンハイ(老上海)”
そこは、義兄弟の絆さえも欲望に変える“魔都”だった…。
 世界中から集まる富で爛熟した文化を築き上げたモダン都市・上海。西洋建築の通りにはジャズが流れ、洋装の紳士淑女が楽しげに行きかう。3人の若者・フォン、カン、フーは無邪気に成功を夢見て、この大都会にやってきた。しかし、貧しく社会の底辺でしか生きることのできない彼らが人並みに金を儲けるには、危険な仕事しか残されていない。それでも義兄弟の契りを交わした3人は、血よりも濃い絆だけを頼りにマフィアの手下として生き抜いていく。しかし、男の欲望を一身に集めるナイトクラブの歌姫・ルル、マフィアのボスの命を狙うヒットマン・マークとの出逢いが、3人の人生を決定的に狂わせ始める——。

香港・中国・台湾を代表する豪華キャストが夢の競演!
 主人公・フォンを演じるのは、『香港国際警察 NEW POLICE STORY』のダニエル・ウー。香港次世代を担う演技派である彼が、正義感・責任感が強いあまり、仲間のために闇へと落ちていく男を情感豊かに演じる。ナイトクラブの歌姫で、フォンたちの人生を狂わせていく<運命の女>ルル役には、『トランスポーター』のトップ女優、スー・チー。孤高のヒットマン、マーク役には、『レッドクリフ』の孫権役で知られる実力派、チャン・チェン。そのほか、『王妃の紋章』のリウ・イエ、『僕の恋、彼の秘密』のトニー・ヤン、『シュウシュウの季節』のリー・シャオルー、『モンゴル』のスン・ホンレイらが出演。「これだけの顔ぶれが揃うのは本作が最後」と囁かれるほどのドリームチームが実現した。
監督は、ジェイ・チョウ主演の短編映画「Double Blade」でジョン・ウーに見出された新鋭、アレクシ・タン。アメリカで10年以上修業した彼がセルジオ・リオーネやサム・ペキンパーらのクラシックな西部劇のイメージを1930年代の上海に置き換え、長編監督デビューを飾った。また、レトロモダンな衣装を手がけたのは、『グリーン・デスティニー』でアカデミー賞 最優秀美術賞を受賞したティム・イップ。1930年〜1938年という市民紛争から日本占領時代までの8年間を、ネクタイの長さ、ジャケットの襟からカフスボタンに至るまで、すべてを当時のままにデザインし、世界観をより一層リアルかつ鮮やかにしている。

ストーリー



上海郊外のとある寒村——病気の母を抱える青年・フォン(ダニエル・ウー)は、漁師として家計を支えながらも極貧の生活を送っていた。正直者で欲のない彼は、この村でゆくゆくは幼馴染のスーチェン(ルル・リー)と結婚し、平穏に暮らし続けると信じていた。親友のフー(トニー・ヤン)と、その兄カン(リウ・イエ)が、「一緒に上海に行こう」と持ちかけるまでは…。上海で最もゴージャスなナイトクラブ<パラダイス・クラブ>でウエイターの職が決まっているカンに、上海に行けば目も眩むような成功が待ち受けていると説得されたフォンは「稼いだ金で家族の生活を楽にしたい」と思い、家族とスーチェンを残し、2人と共に上海に行くことを決意する。

 上海で人力車の車夫の仕事を得たフォンとフーは、相変わらず貧しい生活を送っていた。そんなある日、彼らはカンの働く<パラダイス・クラブ>を訪れる。とびきり贅沢で刺激的な成功者たちの社交場——、その栄華を極めたステージで美貌の歌姫・ルル(スー・チー)を一目見るなり、フォンは彼女の虜になってしまう。しかし、クラブのオーナー・ホン(スン・ホンレイ)の愛人であるルルは、純粋さを捨てていないフォンに、闇社会のボスでもあるホンや自分に関わるなと忠告する。しかし、すっかり富と享楽の世界に魅せられ、今にも暗黒の世界に足を踏み入れようとするカンとフを見捨てることは、フォンにはできなかった…。

ある夜、帰宅中のフォンは瀕死の傷を負った男を助ける。その男は、ホンの右腕でもあるマフィア、マーク(チャン・チェン)だった。実はマークとルルは秘密裡に愛し合っており、マークはホンを暗殺しようとして失敗したのだ。<パラダイス・クラブ>を中心に不穏な空気が吹き荒れる中、カンに巻き込まれ心ならずも犯罪に手を染めてしまったフォンは、カンとフーと共にホンの組織の組員となる。略奪、拷問、そして殺人…3人はホンの命じるまま次々と罪を犯していく。やがて、野望に燃えるカンは、次第に組織の中枢へとのし上がっていき権力に目が眩み始める。繊細なフーは暴力に馴染めず、酒に溺れ出す。そしてフォンは、殺し屋として罪にまみれた生活を続けるか、ルルとの報わぬ恋に走るのか、それとも以前の自分に戻るのかという人生の選択に迫られていた。

 やがて、ルルとマークの不貞を知り、激怒したホンは彼らを抹殺するよう、フォンたち3人に命じる。ここぞとばかりに2人を追い始めるカンに対し、マークと友情を築き、ルルへの想いも断ち切れないフォンは彼らを手助けする。それが、黒社会で良心と葛藤してきた彼が選んだ道だった。やがて一発の銃弾が、フォンとカン、フー、そしてマークとルルの運命を大きく変えてしまう——。

 フォンが上海で見つけたものは、本当に天国(パラダイス)だったのか…。降りしきる雪の中、フォンが見つけた人生の真実とは果たして何だったのか…。

スタッフ

監督:アレクシ・タン
製作総指揮:ジョン・ウー、テレンス・チャン
エグゼクティブ・プロデューサー:ヒュアン・チンウェン、ソン・ダイ、ロジャー・リー
アソシエイト・プロデュサー:ステファン・ラム、チェン・ホン・ダット
共同プロデューサー:デビット・タン、ヨー・ジュフェン、チェリー・ヤン、ジェイミー・ルック
脚本:アレクシ・タン、ジアン・ダン、トニー・チャン
衣装デザイン:ティム・イップ
美術監督:アルフレッド・ヨー・ウァイ・ミン
撮影監督:ミッシェル・タビュリオ
編集:チェン・ロン
音楽:ダニエル・ベラーニネリ
音響デザイン:マーティン・チャペル
アクション監督:フィリップ・コク
製作:CMC エンターテイメント、シル・メトロポール、ライオン・ロック・プロダクション

キャスト

ダニエル・ウー
スー・チー
チャン・チェン
リウ・イエ
トニー・ヤン
リー・シャオルー
スン・ホンレイ

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