あの場所を過ぎると懐かしくて恐いところでした

2007年東京国際映画祭「日本映画・ある視点」公式出品 2008年イタリア ウディネ・ファー・イースト映画祭 正式出品

2007年/日本/カラー/110分/ 配給:ビターズエンド

2008年10月18日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー

(C) 2007 Rights Management Corporation & Neo Inc. All rights reserved. (C) 2007MEDIAND INC.

公開初日 2008/10/18

配給会社名 0904

解説


あの場所を過ぎると 懐かしくて恐いところでした

妄想が現実となり得る、不思議な、時間のない場所に存在する映画だ。
それは、まさに江戸川乱歩の作品を彷彿とさせる。
-イタリア ウディネ・ファー・イースト映画祭

深川栄洋と俳優・西島秀俊が誘う、日常の、その先にある「幻想の世界」

多くの熱狂的な深川フリークを生んだ前作『狼少女』の深川栄洋が新たに挑んだ幻想的世界、それが『真木栗ノ穴』だ。
原作は、四谷ラウンド文学賞を受賞し、評論家に絶賛された女流作家・山本亜紀子による異色の小説「穴」。
その独特な小説世界に、鮮烈さとユーモア、匂い立つエロティシズムを加え、江戸川乱歩や夢野久作、京極夏彦を彷彿とさせる「昭和モダン」の薫りがたちこめる、魔可不思議な魅惑の物語をつくりあげた。主人公の真木栗勉を演じるのは、数多くの映画に出演し、日本映画界を代表する俳優のひとり、西島秀俊。深川監督の映像と確かな演出力に魅了された西島秀俊は、夢とうつつの世界を往き来する真木栗を、コミカルかつ、情感豊かに、その愛すべきキャラクターを見事に演じている。
隣室に越してくる妖しい女を演じるのは『夕凪の街 桜の国』の好演が印象に残る粟田麗。清楚さの中に漂うエロティシズムが白い日傘に映え、まるで古き良き日本映画のヒロインのようだ。そして、キムラ緑子、北村有起哉、松金よね子、田中哲司、利重剛らの実力派が彩りを添える。
古くから多くの文豪が住み、さまざまな小説や映画の舞台となった、古都・鎌倉。その一角にひっそりある、緑と水に濡れた釈迦堂切通し。現実と幻想の境界であるかのような、この場所を舞台に、本のページをめくるように物語は、妖しく展開し、白日夢のような世界に誘っていく。

ストーリー



もし、あなたが部屋の壁に小さな「穴」を見つけたら・・・。

あの場所は夢とうつつの境界でした。あそこを過ぎると、もう迷宮です。

古都・鎌倉、切通し。そこを過ぎたところにある、古いアパートでひとりの男が小説を書いている。
名前は真木栗勉(ルビ:まきぐり べん)。売れない小説家だ。
その真木栗に、書けるはずもない官能小説の依頼が舞い込む。書けずに悩む真木栗は、ひょんなことから、部屋の壁に小さな「穴」を見つける。そして穴の発見にあわせるように、隣の部屋に白い日傘をさした女が引っ越して来た。これが夢とも現実ともつかない幻想の始まりとなった。真木栗は、取り憑かれたようにその穴からのぞき見たことを小説に書き始め、知らないうちに女の虜になっていき、妖しい世界にのめり込んでいくのだった・・・。
観客がまるで、真木栗と共に穴から隣の部屋をのぞき込んでいるかのように。

スタッフ

監督・脚本:深川栄洋
原作:山本亜紀子
脚本:小沼雄一
撮影監督:高間賢治
照明:上保正道
録音:塩浜雅之
音楽:平井真美子、采原史明
美術:鈴木伸二郎
編集:岩谷和行、宮武由衣
助監督:桑原昌英
特殊メイク:梅沢壮一
効果音:植松俊太
装飾:山下順弘
衣装・メイク:岩橋奈都子
キャスティング:岩淵 規
スチール:鈴木さゆり
音楽プロデューサー・作曲・編曲:Face 2 fAKE、Achilles Damigos、Oh!Be 大羽義光
作詞:マシコタツロウ
主題歌:椿 TSUBAKI
製作:江口 誠
エグゼクティブプロデューサー:今村悦朗
企画・プロデューサー:倉谷宣緒
プロデューサー:丸目博則、岩淵 規
企画:株式会社ベンテンエンタテインメント
制作プロダクション:べんてんムービー
制作協力:株式会社メディアンド
製作:株式会社ネオ、株式会社ライツマネジメント

キャスト

西島秀俊
栗田麗
木下あゆ美
キムラ緑子
北村有起哉
尾上寛之,
大橋てつじ
永田耕一
小林且弥
松金よね子
田中哲司
利重剛
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