ワケあり父子の、何もしない夏休み。

2008年/日本/カラー/93分/ 配給:ザナドゥー

2009年03月06日よりDVDリリース 2008年7月19日(土)、恵比寿ガーデンシネマ、角川シネマ新宿、銀座テアトルシネマほか全国順次ロードショー

(C)『ジャージの二人』製作委員会

公開初日 2008/07/19

配給会社名 0103

解説



<中村義洋監督の真骨頂!ゆるやかな時間の中で起きる心のさざ波を丁寧に描く>
 日常のごたごたから遠く離れたところでのんびりしたい。誰でもそう思う瞬間がきっとある。それで問題が片付くわけではないけれど、いろいろなものからちょっと距離をおいてみるのも悪くない。ふだんはあまり会うこともない父子が、山荘で過ごす夏の数日間を描いたのが、この『ジャージの二人』だ。重大な話など何もしないけれど、それでも相手の様子がなんとなくわかったりするのも家族だから。日々の暮らしの中にある、ちょっとした可笑しいこと、切ないこと、そして、ちょっとずつ前向き変わっていく心の移ろいを優しく丁寧に描き出している。

 原作は芥川賞・大江賞作家、長嶋有の傑作小説「ジャージの二人」。不思議な距離感の父子を、ゆるやかな時間が流れる小説の空気感をそのままにみごとに映像化したのは、『アヒルと鴨のコインロッカー』『チーム・バチスタの栄光』で、人物描写の演出力が高く評価された中村義洋監督。本作では、クスクスと笑ってしまうような会話と間、そして親子、夫婦の心の機微を丁寧にすくいとる。
 エンディングテーマはHALCALIの「伝説の2人」。脚本を執筆しながらずっとこの曲を聴いていたという監督たっての希望で決定。映画にぴったりの曲が、観客を優しく包み込む。

<抜群の演技力を持つ堺雅人と圧倒的存在感を誇る鮎川誠>
 主人公の息子役に、08年出演作品が相次ぎ、大河ドラマ「篤姫」にも出演中の実力派俳優・堺雅人。彼ならではの絶妙な表情で、主人公の複雑な心の動きをみごとに体現している。父親役には、今年結成30周年を迎えるモンスターロックバンド「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠。その独特の語り口と存在感で、たちまち観るものを魅了する。また、息子の妻には女優として着実なステップを歩む水野美紀。その細やかな演技が強い印象を残す。そして雑誌「SEVENTEEN」誌の専属モデルオーディションでグランプリを獲得した田中あさみが、父親の娘役で映画初出演ながら堂々とした演技を披露。また、父子が魔女じゃないかと噂する浮世離れしたお隣さんを大楠道代が演じ、父子と同じように夫婦仲がうまくいっていない(らしい)父の友人をダンカンが演じるなど、個性と実力を兼ね備えたキャストが脇を固める。

ストーリー



いい歳した父と息子の“何もしない”をする夏休み
会社を辞めたばかりの息子(32歳)が、グラビアカメラマンの父(54歳)に誘われ、避暑地・北軽井沢の山荘で過ごす夏休み。二人は、亡き祖母が集めてきた古着のジャージを着て、ゆったりとした時間の流れに身をゆだねる。東京の猛暑に快哉を叫び、増え続けるトマトの調理法に頭を悩ませ、隣人を魔女だと噂し合う何気ない日々。父の友人や、息子の妻、母違いの妹が入れ代わりに遊びに来ては避暑地を満喫する。だが、東京では息子の妻がよその男と恋愛中、父は3度目の結婚も黄色信号とそれぞれ抱える悩みがあった。
都会の喧騒を離れた生活の中で繰り広げられる軽妙でユーモラスな会話の数々。ヘンテコな関係のようでどこか目が離せない、そして観終わった後には少し前向きな気持ちと心地よい感動で包み込む。

スタッフ

監督・脚本:中村義洋
原作:長嶋有「ジャージの二人」(集英社刊)
製作:永田勝治、板橋満、沼田宏樹、喜多埜裕明
プロデューサー:宇田川寧、田辺圭吾
共同プロデューサー:梶本明宏
撮影:小松高志 (J.S.C.)
照明:松岡泰彦
録音:高野泰雄
美術:露木恵美子
VE:鏡原圭吾
編集:大畑英亮
音楽:大橋好規
音楽プロデューサー:佐々木次彦
エンディングテーマ:HALCALI「伝説の2人」(フォーライフ ミュージックエンタテイメント)

キャスト

堺雅人
鮎川誠
水野美紀
田中あさみ
ダンカン
大楠道代

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