2008年/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/113分 配給:ムービーアイ

2009年02月06日よりDVDリリース 2008年7月5日、テアトル新宿+渋谷シネ・アミューズ他全国ロードショー

公開初日 2008/07/05

配給会社名 0366

解説


<強烈な個性の重なり合い、クセ者たちの魅力をリアルに表現>
あまりにテキトーな性格ながらも、どこか憎めない裕次郎を演じるのは、今やお笑いコンビ<雨上がり決死隊>としてだけでなく、俳優としてもTV・映画・舞台とそのフィールドを精力的に広げている、宮迫博之。新人映画賞を独占した2002年の『蛇イチゴ』以来、約6年ぶりの単独主演映画となる本作では、単なる勘違いと思い込みから、無謀にも諦めかけていた人生をリスタートする父親役を好演している。

一方、ダメ親父の暴走に呆れながらも、彼を温かく見守る、しっかり者の娘・咲子を演じるのは、06年に主人公の吹き替えを務めたアニメーション『時をかける少女』で、一躍注目を浴びた仲里依紗。08年はTVドラマ「貧乏男子 ボンビーメン」のほか、『ちーちゃんは悠久の向こう』『ガチ☆ボーイ』と、出演映画も目白押しのまさにブレイク必至の彼女だが、本作では新たなダサカワキャラが開花。さらに、さまざまな人々との出会いと別れを通じ、少しだけ大人に成長する思春期の微妙な心情を表現している。

そして、<純喫茶磯辺>の看板娘となる素子を演じるのは、『夕凪の街 桜の国』でブルーリボン賞主演女優賞を始め、各映画賞を総ナメにした、今や日本映画界には欠かせない存在となった、麻生久美子。そんな彼女が、本作ではメイド・コスプレに身を包み、ぶっきらぼうな男口調で会話するなど、これまでのイメージを大きく裏切ったキャラクターに挑んでいる。

また、<純喫茶磯辺>に入り浸るクセモノ常連客には、ダンカン、和田聰宏、ミッキー・カーチス、斎藤洋介など、一筋縄ではいかない超・個性派キャストが集合。さらに、女性お笑いコンビ、ハリセンボンの近藤春菜が“残念な”女性バイト役で本格的に映画初出演するほか、裕次郎の別れた妻・麦子を『血と骨』『アンフェア the movie』の濱田マリが演じ、わずかな出演シーンながら強い印象を残している。

<すっとぼけた表現の中にも、人の喜びと悲しみを鋭く映し出す<吉田ワールド>はクセになる>
監督・脚本・編集を務めたのは、『六月の蛇』『ヴィタール』『悪夢探偵』など、塚本晋也 監督作品で照明技師として活躍し、自主映画として製作した『なま夏』が2006年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭<ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門>でグランプリを受賞。07年、初の劇場用映画となった『机のなかみ』が映画関係者を中心に大きな話題を呼んだ、吉田恵輔。“愛すべき短所”をキーワードにした本作では、前作以上に巧みな構成のもと、全編に散りばめられたギャグや、ダメ人間たちの悲喜劇が展開。さらに、観終わった後にはなんとも言えない爽快感が約束された、まさに<吉田ワールド>の真骨頂といえる仕上がりになっている。

ストーリー

“勘違い”と“勢い”から始まった、ひと夏の想い出
今朝も無愛想な表情で、工事現場に現れた、水道工員の磯辺裕次郎(宮迫博之)。
8年前、妻が家を出て以来、高校生の一人娘・咲子(仲里依紗)と公営団地に二人暮らしの身だ。
ある日、父が急死したことで、多額の遺産が舞い込むことになった裕次郎は、偶然入った喫茶店で、マスターが美女と楽しく会話している光景を目の当たりにしてしまう。

それを機に、彼は遺産を元手に、喫茶店経営を始めることを決意。しかし、裕次郎は喫茶店の経営どころか、接客業に関しても、ただの素人。計画性などないまま、とりあえず食品衛生責任者の資格を手にし、地元の商店街に喫茶店をオープン。しかも、娘の意見などに耳を傾けず、勝手に決めた店名は<純喫茶磯辺>。店名だけでなく、内装もかぎりなくダサい。そんなダメ親父の行動に呆れ返りながらも、放っておけない性格の咲子は、夏休みのあいだ、店の手伝いをすることになる。

勢いから、江頭(近藤春菜)をアルバイトに雇った裕次郎だが、お客の入りはサッパリ。そんななか、バイト先を探していた素子(麻生久美子)が来店。江頭に比べて、明らかに美人の素子を雇うことにした裕次郎は、江頭を勝手にクビにしてしまう。だが、それを機に、状況は一転。いつしか、店内には常連客が入り浸るようになる。いつも葉巻片手にカウンターに座り、裕次郎よりもマスターぽい本郷(ミッキー・カーチス)に、誰とも構わず出身地を聞きまくる柴田(斎藤洋介)。そして、明らかに素子へのセクハラ目的な小沢(ダンカン)…。
とにかく、一風変わったクセモノばかりだ。

一方、素子への下心がミエミエな裕次郎とまんざらでもない素子の行動に、咲子は苛立ちを募らせるばかり。“父親を素子に取られてしまうのでは?”と不安に感じた彼女は、母親の麦子(濱田マリ)と裕次郎の再婚を切に願う。だが、大人には大人の事情があるようだ。そんななか、常連客に小説家の安田(和田聰宏)が加わった。店内で新作を執筆しているという彼の姿に、咲子は次第に惹かれていくが、今度は裕次郎がそんな咲子を気に入らないようす。

新たな青春を走り始めたダメ親父と、初恋に目覚めたしっかり者の娘。
やっぱり血は争えない2人は、どんなシアワセに気付くのか…?

スタッフ

監督・脚本・編集:吉田恵輔

企画・プロデュース:小出健
プロデューサー:武部由美子/渡辺和昌

撮影:村上拓
照明:山田真也
録音:湯脇房雄
スタイリスト:小林純子
ヘアメイク:田代ももこ
助監督:寺地雄一郎
制作担当:三上慎一

音楽プロデューサー:横山剣/萩野知明
音楽:CKB-Annex(高宮永徹/高橋利光/河合わかば)
テーマ曲:クレイジーケンバンド「男の滑走路」
挿入曲:ピストルバルブ「フェイクジャイブ」

制作プロダクション:ブロードマークス
製作:「純喫茶磯辺」製作委員会(ムービーアイ・エンタテインメント/メディアファクトリー/テレビ大阪/WOWOW/テレビ愛知)
配給:ムービーアイ

キャスト

磯辺裕次郎:宮迫博之
磯辺咲子:仲里依紗

麦子:濱田マリ
江頭麻美:近藤春菜(ハリセンボン)
小沢:ダンカン
安田:和田聰宏
本郷:ミッキー・カーチス
柴田:斎藤洋介

菅原素子:麻生久美子

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