原題:La Sconosciuta

2006年イタリア映画/日本語字幕:吉岡芳子/スコープサイズ/ドルビーSRD/121分/カラー 提供・配給:ハピネット/宣伝:ザジフィルムズ

2009年06月26日よりDVDリリース 2008年05月30日よりDVDリリース 2007年9月15日、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国順次公開

公開初日 2007/09/15

配給会社名 0187

解説


はてしない母性を宿した
すべての女性に捧げる 慈愛のミステリー

イタリアの、とある都市にあらわれた女。名前はイレーナ。彼女がやってきた理由を、知る人は誰もいない。逃れられない過去、ひそやかな願い。裏窓から盗み見る向かいの家の灯り。イレーナは、裕福なアダケル夫婦と4歳の娘テアが暮らすその家のメイドとなった。何に復讐するのか、何を償おうとしているのか。執拗につけねらう忌まわしい男の影、テアとの間に生まれる、ほのかな愛情。そして、遂に起こる事件…。
すべてが明らかになるラストに、涙が止まらない。

世界中が待ち望んだ  名匠トルナトーレ 最新作 !

「ニュー・シネマ・パラダイス」で世界中を虜にした、イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、「マレーナ」以来、実に6年ぶりに私たちの元に帰ってきました。
久々の新作で彼が選んだ題材は、初めて女性を完全主役に据えた、愛と謎に満ちたミステリー。衝撃のオープニングから一瞬も目が離せないスリリングな物語は、観る者をラビリンスに誘い、エンディングに向かって、哀しくも美しい崇高なドラマへと昇華していきます。第一回ローマ国際映画祭プレミア上映後、場内を涙と喝采で包み込み、イタリアのアカデミー賞ともいうべきダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多12部門にノミネート!あなたもトルナトーレが紡ぎだす世界に、惑わされ、やがて胸を熱くさせることになるでしょう。

棘のある美しさ トリエステに響く マエストロ モリコーネの旋律

トルナトーレが故郷シチリアを離れ、選んだ舞台は、その地に生まれた詩人サバ゛に“棘のある美しさ”と詠われた、東欧と接する北イタリアの港町トリエステ。
2007年アカデミー賞名誉賞を受賞した巨匠エンニオ・モリコーネのエモーショナルで円熟したスコアが、陰影に富んだロケーションと相まって、ミステリアスなムードを盛り上げます。モニカ・ベルッチに続いて、トルナトーレが抜擢したのはロシア出身の実力派女優クセニア・ラパポルト。哀しみの中に強さを秘めたヒロインを体当たりで演じています。ミケーレ・プラチド、アンヘラ・モリーナ、マルゲリータ・ブイ他、ヨーロッパ映画界屈指の俳優陣が脇を固め、最高のスタッフ、キャストが結集し、トルナトーレの新たなる代表作が、ここに誕生しました。

ストーリー




過去から来た女
アドリア海から吹く風が頬に冷たい、北イタリア・トリエステ。
目立たぬ地味な服に身を包み、長距離バスから降り立った女がひとり。
思いつめた表情で街を歩く女は、やがて高級レジデンスに辿り着いた。
「どこかの部屋にメイドの仕事はないかしら?」、そう話しかけられた初老の
管理人は「生憎ないね」とそっけなく答えたが、再び女の顔を盗み見る。
疲れた顔をしているが、その美しさは隠しようがなかった。「共有部分の掃除ならあるよ」。管理人は女を建物の中に招き入れた。「イレーナよ。よろしく」。「あんた、イタリア人じゃないね。どこから来たのかい?」。

仕事場となったレジデンスの向かい側のアパートに部屋を借りると、イレーナは、ほの暗い窓辺に佇み、ある家族が暮らす階を見つめる。貴金属商を営む
アダケル夫婦と、4歳になる娘のテアの家だ。
イレーナには、その家に入り込まなければならない理由があった。
レジデンスの階段掃除をしながら、彼女はアダケル家のメイド・ジーナと
親しくなり、隙をみてジーナからアダケル家の鍵を盗み、合鍵を作った。
その夜、一家の留守中に家に忍び込んだイレーナは、必死に何かを探す。
宝石を盗もうとしているのか? 家族の秘密を見つけ、ゆする材料を探して
いるのか? そもそも彼女はアダケル家と、どんな関係があるのだろうか?

アダケル家のメイド・ジーナが、レジデンスの螺旋階段に躓き、脳に深刻な障害を負う全身不随の重症を負った。現場にいたイレーナは、階段を転げ落ちるジーナを見ながら「誰か!」と叫び声を上げた。心の中で「ごめんなさい」と詫びながら…。そしてイレーナは、アダケル家のメイドとなった。
イレーナは家事すべてを完璧にこなし、瞬く間にアダケル夫人の信頼を得た。
ただひとつ、ままならなかったのは、娘・テアとの関係だ。
テアは自己防衛本能に障害を抱えていた。もし倒れても、手をついて自らを守ることができない。そのためにテアは引っ込み思案な子供に育っていた。
しかしテアは、淋しい自分とどこか似ているイレーナを、徐々に受け入れていく。

スタッフ

監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:ファビオ・ザマリオン
編集:マッシモ・クァグリア
美術:トニーノ・ゼッラ
衣装:ニコレッタ・エルコーレ
音響:ジルベルト・マルティネッリ
助監督:アルベルト・マンジャンテ
製作総指揮:ラウラ・ファットーリ
製作アシスタント:ステファノ・チャローニ

キャスト

イレーナ:クセニア・ラパポルト
ムッファ:ミケーレ・プラチド
ヴァレリア・アダケル:クラウディア・ジェリーニ
ジーナ:ピエラ・デッリ・エスポスティ
マッテオ:アレッサンドロ・ヘイベル
テア・アダケル:クララ・ドッセーナ
ルクレッツァ:アンヘラ・モリーナ
弁護士:マルゲリータ・ブイ
ドナート・アダケル:ピエルフランチェスコ・ファヴィー

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