原題:Goo Goo the Cat

麻子さんとグーグーの愛しい日々。

第13回釜山国際映画祭出品作品

2008年/日本/カラー/116分/ 配給:アスミック・エース

2009年02月06日よりDVDリリース 2008年9月6日(土)、シネマライズ、シネカノン有楽町2丁目、新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマほか全国ロードショー

© 2008『グーグーだって猫である』フィルム・コミッティ

公開初日 2008/09/06

配給会社名 0007

解説



生きるのがちょっぴり楽になる、新鮮な感動をお届けいたします
少女漫画界の巨星、大島弓子が、飼い猫たちとの愛しい日々を綴った自伝的人気エッセイ漫画「グーグーだって猫である」。人も動物も、みんな対等に、この地球で頑張って生きている。そんな純粋な想いが溢れた原作を、『ジョゼと虎と魚たち』『眉山』の犬童一心監督が、大島弓子への尊敬の念を込め、なんとも味わい深い驚きの新感覚で映画化。天才漫画家、麻子には『空中庭園』で数々の映画賞を総なめした小泉今日子。麻子さんを優しく見守る面々に、上野樹里、加瀬亮を筆頭に、森三中、林直次郎、マーティ・フリードマン、大後寿々花とフレッシュな顔触れが揃う。そんな彼らに彩を添えるのが、自由奔放にのんびりと、魅力いっぱいに登場する猫たち。麻子さんと愛猫グーグー、吉祥寺を舞台に、一人と一匹のちょっと不思議で、優しい日々を描いた幸せいっぱいの物語。ふと気づくと、いつの間にか肩の力が抜けて、生きるのが少し楽になる。今までに味わったことのない、新鮮な感動をお届けいたします。

天才漫画家、麻子さんの家に新しい仲間がやって来ました
麻子は吉祥寺に住む天才漫画家。 愛猫のサバを亡くした悲しみで漫画を描けなくなってしまう。そんなある日、麻子はちっちゃな子猫と出会う。名前は、グーグー。一緒にご飯食べて、散歩して、寝るという、なんとも幸せな毎日。不思議な青年、青自との恋の予感、アシスタント達と話す新作のアイディア、色々なことがうまく動き始める。だがある日突然、麻子は思いかけないことを知らされる・・・。

みんな対等に、この地球で生きている
本作の舞台となるのは、吉祥寺。緑深い井の頭公園、デパートが並ぶ賑やかな駅前、静かな住宅街、新しいエネルギーを放ちながらも、どこか懐かしい街。ここに住む登場人物たちは個性的だけど温かく、公園や路地を闊歩する猫たちは、自由気侭ながら、世界をどこか優しい眼差しで見つめている。異種である一人と一匹はそんな世界に住んでいる。強い絆で結ばれた麻子さんとグーグー。彼らを中心に、映画は人と猫、猫と街、街と人、そのどこまでも心地よい空気、独特のゆったりとしたリズムを創り出す。人と動物と街、まるで異質なものが、お互いを支え合って存在しているかのような不思議な感覚。そんな、一見ファンタジーとも言える幸せな世界に潜む、厳しい現実。ファンタジーと現実、その境界をすっと行き来する、究極の犬童マジック。それらが見事に融合し、最後に見えてくる何か・・・。「人は一人では生きられない。でもだからこそ、世界は素晴らしい」。いつの間にか、元気づけられ、少しだけ勇気がもらえる。新鮮な感動が涙を誘う、愛の映画が誕生した。

最高のキャストとスタッフが創り出す、マジカルな世界
才能に満ち溢れながらも、どこか内気で、繊細に心が揺れ動く天才漫画家、麻子を演じるのは小泉今日子。ブルーリボン賞や日刊スポーツ映画賞など数々の映画賞で主演女優賞を総なめにした『空中庭園』以来、3年ぶりの主演作となる本作で、新たな境地を切り開く。麻子を尊敬するアシスタント、ナオミ役にはいま最も輝く若手女優、上野樹里。悩みながらも、毎日を精一杯生きようとする前向きな少女を、生き生きと演じる。麻子さんとの恋を予感させる、ちょっと不思議な青年、青自に『それでも僕はやっていない』でブルーリボン賞、報知映画賞を始め、数々の賞を受賞した実力派、加瀬亮。麻子さんのアシスタント役を森三中、ナオミの恋人マモルを平川地一丁目の林直次郎など、エネルギッシュで新鮮な人々が集まった。監督には、幅広い才能を開花させ、いまや日本映画界を代表する映画監督の一人となった犬童一心。あっと驚く犬童ワールドが宝物のように散りばめられ、大島弓子から監督が受けた感動が刻み込まれた本作には、最後にはなんとも言えない味わい深いカタルシスが待ち受ける。心がふわっと楽しくなる、軽快で印象的な音楽を手掛けるのは細野晴臣。また、『眉山』で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した蔦井孝洋が撮影を、同じく『眉山』で日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞した疋田ヨシタケが照明を担当し、この世界を作り出している。

ストーリー











吉祥寺に住む、天才漫画家の小島麻子。今日も、アシスタントのナオミ、仲のいい三人組の加奈子、咲江、美智子と徹夜で締め切りに追われていた。地獄のような作業を遠くから見つめる、麻子の愛猫サバ。いつもと変わらない風景が仕事場では続いていた。

「さようなら」
かすかに聞こえたようなさびしげな声も、今の麻子の耳には届かなかった−

徹夜の翌日
「サバ、朝ごはんにしよう」
麻子がいつものように話しかけるが、サバは冷たく動かなくなっていた。—

サバは麻子が初めて飼った猫だ。初めての連載がクライマックスに差し掛かり、にっちもさっちも行かなくなっていた時、子供たちに「もらってほしい」と手渡された子猫−それがサバだった。サバはフランス語で「元気?」の意味。仕事のときも食事も掃除も洗濯も、麻子の隣にはいつもサバがいた。
そんなサバを亡くした悲しみがあまりに大きく、麻子は漫画が書けなくなってしまった。

心配するアシスタントたち。
ある日、ナオミはペットショップの前で立ち尽くす麻子を見かける。
「あ?」
吸い込まれるようにペットショップに入る麻子。あまりに多くの猫にたちくらむ麻子。その時、ボックスの奥にいた一匹の小さなアメリカンショートヘアーを見つける。理由は分からないが引寄せられてしまう麻子。

仕事場で待っていたナオミたちの前に、麻子が小さな箱を持って帰ってくる。宝物を披露するかのように、麻子がそっと箱を開ける。
ぴょん!!飛び出す猫。
「かわいい〜〜!!」
思わず声を合わせるナオミたち。
「名前はグーグーとします!」

麻子の家にグーグーがやってきて、状況は一変した。一緒にご飯を食べて、お風呂に入り、寝るという幸せな日々。麻子に元気な表情が戻ってきた。そんなある日、避妊手術に出かける途中でグーグーが逃げ出してしまう。必死でグーグーを探す麻子。
「グーグー!」「グーグー!」
すると、木の上からグーグーを手渡してくれた男性がいた。沢村青自だった。青自におもわず見とれてしまう麻子。今まで忘れかけていた想いが麻子の胸にこみ上げる。

ある日、麻子はアシスタントのナオミ達と一緒に、ナオミの彼氏でアーティストを夢見るマモルと友達のタツヤが結成している「中央特快」のライブにきた。そこにはマモルと知りあいの、あの青自の姿もあった。
ライブの打上げ。気を利かせたナオミは麻子と青自を二人きりにする。
「あんたの描く漫画悲しいな。でも、なんか勇気がもらえる」
青自の視線にどぎまぎしながら会話をする麻子。久しぶりにお酒も進み、麻子と青自は徐々に距離を縮めていく。

それから、青自は麻子の家にちょくちょく遊びに来た。
グーグーを散歩させて、カメラを片手にグーグーを追いかける麻子と青自。それを見つけて集まってくるナオミやマモル達。幸せな日々がそこにはあった。

そんな中、麻子は新作のアイデアを思いつく。半年振りにペンを取る麻子。生き生きとした表情でナオミ達に語る。次々と沸いてでるアイデアにナオミも喜びの表情を隠せずにいた。
グーグーが来てからすべてが順調に回りだしていた。何気ない幸せが麻子やナオミを包み、仕事も、恋もすべてが上手く動き始めていた。

だが、新作の取材中に麻子は突然倒れてしまう。救急車で病院に運ばれた麻子だが、ナオミ達の心配をよそに検査のみで事なきを得る。

数日後、麻子はナオミの家に来た。
「あの・・・グーグーの面倒を少しの間見てほしいの」
「いいですよ、全然。」
軽く返事をするナオミ。だが次の瞬間、麻子は驚くべきことを告げる
「入院しなきゃいけないの・・・卵巣ガン」

すべての時間は止まり、幸せな日々は終わりを告げようとしているのか?
新作は? 麻子と青自の恋の行方は? 麻子自身は?
そして、麻子とグーグーは再び幸せな日々に戻れるのだろうか?

スタッフ

監督・脚本:犬童一心
原作:大島弓子「グーグーだって猫である」(角川書店刊)
音楽:細野晴臣
特写:佐内正史
プロデューサー:久保田修〈キアロスクーロ(IMJーE)〉
        小川真司〈アスミック・エース〉
制作:アスミック・エース エンタテインメント、キアロスクーロ(IMJ-E)

キャスト

小泉今日子
上野樹里
加瀬亮
大島美幸(森三中)
村上知子(森三中)
黒沢かずこ(森三中)
林直次郎「平川地一丁目」
伊阪達也
高部あい
柳英里紗
田中哲司
村上大樹
でんでん
山本浩司
楳図かずお
マーティ・フリードマン
大後寿々花
小林亜星
松原智恵子

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