Water
原題:Water
ロードアイランド国際映画祭、 ロサンゼルス国際短編映画祭、 ビルバオ国際ドキュメンタリー&短編映画祭にて正式上映
2005年/日本/カラー/アメリカンビスタ/28分/ 配給:ワイズポリシー
2007年3月17日より渋谷Q-AXにてモーニング&レイトショー
(C)WISEPOLICY
公開初日 2007/03/17
配給会社名 0043
解説
高校生活最後の夏。将来への言い知れぬ不安、同性の親友に注ぐ憧憬と嫉妬の自覚、そして新たなる世界へと旅立つ希望。夏真っ盛りのプールの水飛沫に抱かれながら、悩み多き少年たちは大人への扉を開く……。
芥川賞作家、吉田修一が、96年に発表した処女小説「Water」を自らの手で脚色し、初監督のメガホンを執った本作『Water』は、吉田自身の故郷、長崎の町を舞台に、思春期の少年たちの抱える繊細な心象風景を、原色のアクセントが印象的な映像美の裡に儚く綴った、28分の青春映画だ。小説から大胆な脚色を施したこの短編映画は、どこまでも坂が続き、振り返れば海が見渡せる長崎の絶景を背景に、主人公、凌雲と親友、圭一郎、そして圭一郎の恋人、藤森の関係に焦点を絞り込み、台詞を最小限に留めて、3人の視線の交錯や、何気ない日常風景の中で、高校生の感受性を詩情豊かに描き出す。そうして、高校生活最後の夏、その一瞬一瞬は、いつしかかけがえのない輝きの時となって、彼らの青春に刻まれる。
長崎の高校の水泳部に所属している凌雲と圭一郎。ふたりは、高校生活最後の県大会に向けて、部活に明け暮れる毎日だ。ところが最近、いつも一緒にツルんでいたふたりの関係に微妙な空気が流れ始める。進学を決めた圭一郎は、地元を離れ、上京を考えているらしい。一方、半年前に兄をバイク事故で亡くした凌雲は、実家の酒屋を継ぐ決心をしている。しかし、そう強く心に決めたはずなのに、いつも自分の側にいた圭一郎がいざ離れていくとなると、凌雲の気持ちはざわざわと騒ぐ。そんなある日、凌雲は圭一郎に対してある大胆な行為に出てしまう……。
メインキャストの高校生には、オーディションによってフレッシュな新人3名が起用された。凌雲役にはテレビドラマ「ウォーターボーイズ2」やミュージカル舞台「テニスの王子様」で脚光を浴びる滝口幸広。圭一郎役には『ハチミツとクローバー』『タイヨウのうた』など進境著しい川口覚。そして、圭一郎のガールフレンド、藤森役にテレビドラマ「電車男」や『ケータイ刑事 THE MOVIE2』でアイドル的な人気を集める小出早織。そして、凌雲の母親役には、80年代の大映テレビドラマで一世を風靡した演技派女優、伊藤かずえが特別出演、将来有望な期待の若手スターの脇をしっかりと固めている。吉田監督のデビュー作をサポートするスタッフに、フランス映画界を代表する実力派が参集しているのも見逃せない。撮影には『サマードレス』などフランソワ・オゾンの初期作品で知られ、最近でも『スイミングプール』『ふたりの5つの分かれ路』での鮮烈な映像表現、オゾン世界に多大な貢献を果たしたヨリック・ル・ソー。音楽も『ホームドラマ』はじめオゾン作品で映画界入りし、近年は『インティマシー/親密』や舞台「フェードル」などでパトリス・シェローとのコラボレーションで高い評価を獲得しているエリック・ヌブーが担当。
本作『Water』は04年9月の撮影を経て、約1年間、吉田監督自らの手によって編集作業を重ね、05年に完成した。06年には、アメリカのロードアイランド国際映画祭やロサンジェルス国際短編映画祭、スペインのビルバオ国際ドキュメンタリー&短編映画祭と、欧米各地の映画祭で正式上映され、「これまでにない新たな日本映画の青春像」と高い評価を獲得する中、満を持しての日本公開となる。
ストーリー
長崎の高校水泳部に所属している凌雲と圭一郎は、高校生活最後の県大会に向けて部活に明け暮れる毎日だ。ところが最近、幼い頃からいつも一緒にツルんできたはずの2人の関係に微妙な空気が流れはじめた。圭一郎は進学を決めて上京を考えているらしい。一方凌雲は、実家の酒屋を継ぐ決心をしている。しかし、そう強く心に決めたはずなのに、いつも自分の側にいた圭一郎がいざ離れていくとなると、何故か気持ちがざわざわと騒ぐ。そんなある日、凌雲は圭一郎に対して大胆な行為に出る。
スタッフ
原作・脚色・監督:吉田修一
撮影:ヨリック・ル・ソー
音楽:エリック・ヌブー
製作:沖田敦/山岸留奈
配給:ワイズポリシー
キャスト
滝口幸広
川口覚
小出早織
村崎慎一
姫野拓郎
田中鈴之助
伊藤かずえ
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