ドレスデン、運命の日

1945年、寒くて暗い冬のドレスデン。若い看護婦のアンナは、負傷兵を救うために必死で働いていた。多忙な毎日の生活の中では、野心的な若い外科医アレクサンダーとの婚約でさえ心待ちにできないほどだった。ある日、アンナは1人の兵士が病院に隠れているのを見つける。ドイツの脱走兵だろうと思い、そのまま匿う。後に彼が負傷したイギリス兵だと知るが、それでも彼を見捨てることはできなかった。この勇ましく若いイギリス兵と恋に落ち始めていたからだ。イギリス軍によるドレスデン空襲が始まる。アンナは婚約者アレクサンダーの本性を知り、命がけでロバートを守ろうとする。大爆破は去るが、アンナとロバートが目にしたのは変わり果てたドレスデンの姿だった。ドレスデンは廃墟と化す。しかし彼らの辛い体験はまだ終わっていなかった・・・。この真摯で感動的なドラマは、ドレスデンの市内及びその近郊で撮られた。連合軍による空襲をイギリスとドイツの両方の側から描いている。監督は「トンネル」のローランド・ズゾ・リヒター。この作品は、歴史の道筋を作った軍司令官や指揮官の物語ではなく、惨禍の中で歴史を作った普通の人々の物語である。