原題:The perfect world of KAI

行こう、森へ。 悲しいときも、楽しいときも、そこにはピアノがあった。

2007年/日本/カラー/101分/ 配給:松竹

2007年12月21日よりDVDリリース 2007年7月21日(土)より丸の内プラゼールほか全国ロードショー!!

(C) 2007 一色まこと/「ピアノの森」製作委員会

公開初日 2007/07/21

配給会社名 0003

解説



夢の組み合わせ!感動の傑作が、
豪華キャスト&世界的スタッフによって奏でられる!!

 クラシック音楽ブームの真っ直中、大注目される劇場アニメーション『ピアノの森』。原作は『花田少年史』でも知られる一色まことの人気漫画。現在モーニング(講談社)で連載中、コミックスは累計350万部を突破する超人気作だ。自由奔放で天才的な音楽の才能を持つ少年・一ノ瀬海が様々な人と出会い、ピアニストを目指す姿をドラマチックに描くこの作品。その温かみのある繊細な絵柄、読み手を引き込む圧倒のストーリーは、老若男女を問わず読んだ人をとりこにしている。

 今回、映像化されるのは、原作の序盤。森の中に置かれたピアノを我流で弾いて育った海は、転校生・雨宮修平と出会う。修平がピアノを弾くと知り、海は修平を学校近くの”ピアノの森”に誘った。森のピアノは修平が弾いても音が出ず、海にだけ弾く事ができた。その音色に、激しく心を揺り動かされる修平。その事を聞いた音楽教師・阿字野も森に入り、海のピアノに心動かされる。かつてピアニストだった自分が奏でていた音がそこにあったのだ。翌日、阿字野から様々な曲を聴かされる海だが、ショパンだけ弾く事ができない。葛藤した海は阿字野に教えを乞う。その引き替えとしてコンクールへ出場する事に…。

 今回、やんちゃで自由な主人公・一ノ瀬 海の声を演じるのは、幅広い世代から絶大な支持を受ける上戸彩。少年役に体当たりで挑み、奔放ながら情熱家でもある海を見事に演じている。そのライバルでもある、親友の雨宮修平役に神木隆之介。大人しい修平が海と出会い、ライバルとして心を燃やしていく過程を熱演。そのほか、シングルマザーとして海を育てる母、一ノ瀬怜子役に池脇千鶴。

コンクールに出場する、勝ち気だが泣き虫のお嬢様・丸山誉子に福田麻由子。事故でピアニスト生命を絶たれた音楽教師・阿字野壮介役に宮迫博之( 雨上がり決死隊)と、高い演技力に定評があるキャスティングとなっており、話題を呼んでいる。さらに超豪華な実力派声優たちが脇を固め、大の原作ファンでもある高田純次が特別出演。ゲストとして、天野ひろゆき・ウド鈴木(キャイ〜ン)、黒沢かずこ(森三中)が出演しているのも見逃せない。

 主題歌は、女優・ピアニスト・作曲家として活躍している松下奈緒のヴォーカル・デビュー曲『Moonshine 〜月あかり〜』。森に注ぎこむ月のあかりのように、柔らかくやさしく聴く人の心を感動で包み込む。

 アニメーションの制作は、テレビアニメ『花田少年史』(NTV)も手がけたマッドハウスが担当、監督は『花田少年史』『MONSTER』(共にNTV)で知られる小島正幸。同プロダクションが制作、2006 年に公開された劇場版アニメ『パプリカ』(今敏監督)はヴェネチア映画祭に出品され、同年公開の『時をかける少女』(細田守監督)では、第30 回日本アカデミー賞で新設された最優秀アニメーション作品賞ほか、数々の賞を受賞。その丁寧で職人肌な作品作りは、国内はもちろん、海外のメディアやアニメファンからの高い評価を受けている。

 今回のアニメ化にあたっては、世界的ピアニストであり、2004 年よりNHK 交響楽団の音楽監督を務める巨匠、ウラディーミル・アシュケナージが参加、本格的な音創りにこだわっている。アシュケナージ本人が劇中の主要なピアノシーンの演奏をするなど、音楽面でも世界レベルのクオリティで、クラシックマニアにとっても見逃せない作品だ。

 深い森の中、月明かりに照らされるピアノの幻想的で壮大な映像、アシュケナージによる本格的なピアノ演奏は、観る人の心に鮮烈な印象を残す—少年・海の紡ぎ出す音と感動、癒しのドラマに、この夏、酔いしれてみませんか?

ストーリー





森のピアノに育てられた少年は
ピアノの不思議な運命によって
天才的な才能に目覚める。

 ピアニストを目指す雨宮修平は小学5年生。夏の終わり、とある田舎町へ転校した修平は、ガキ大将”キンピラ”に目をつけられる。”壊れているのに何故か夜になると音がする”森の中の不思議なピアノを弾いて来いと言うのだ。その修平を救ったのは、同級生の一ノ瀬海(カイ)。「あのピアノは音が出るんだ!」と言い張る海とキンピラは大ゲンカになるが、音楽教師・阿字野壮介の登場で退散。残された修平は、阿字野に” 壊れたピアノ”の事を聞くが、「あれはウソだ」と言われる。

 放課後、海は修平をその”ピアノの森”へ誘う。薄暗く大きなその森の奥で修平が見たのは、美しい木漏れ日に照らされる一台のグランドピアノ。修平は鍵盤を叩いてみるが、全く音が出ない。不思議な事に、海が叩くと何故か音が出るのだ。自由奔放に裸足のままピアノを弾く海。しかもその音は強烈に修平をひきつけ、激しく心を揺り動かす。だが、海は一度もピアノを習った事がないと言う。なぜ修平には弾く事のできない”森のピアノ”が海には弾けるのか?── 修平は海を自宅に招いてピアノを弾かせるが、海の弾き方はとんでもないものだった。そして二人は、会話を聞いた修平の母から、阿字野はかつて優秀なピアニストだったが事故で引退した事を知らされる。

 翌日、修平の母は阿字野に、修平のピアノ教師を依頼する。「もう、かつての自分ではない」と、それを断る阿字野。そんな阿字野に修平は、海が森のピアノを弾ける事とその音色の素晴らしさを伝える。その夜、森へ入った阿字野はピアノを弾く海に出会った。海の紡ぎ出す旋律に思わず涙を流し、「一緒にピアノをやらないか?」と尋ねる阿字野。だが、母の勤める店の辛い手伝いを抜け出し、楽しくピアノを弾いていた事を邪魔された海は猛反発して帰ってしまう。

 修平の家を再び訪ねた海は、モーツァルトの《K310》を聞かせてもらう。阿字野の事を修平に語る海。「本格的にピアノを習うチャンスだよ」と言う修平だが、海には全くその気がない。「習い事をする金はないんだ」と言われ、押し黙る修平。海は「モーツァルトは覚えたからいいや」と修平の家を出る。しかし興奮さめやらぬその足で学校の音楽室へ寄り、阿字野から様々な曲を聴かされる。爛々と輝いていく海の瞳!──海は阿字野が弾いた曲を全て覚え、森のピアノで弾く。しかし、ショパンの《子犬のワルツ》だけ弾く事ができない。他の曲は弾けるのに…と混乱する海。ついに海は阿字野に「ショパンを教えてくれ!!」と叫ぶ。その事を知った修平は海を応援しつつも、複雑な気持ちに…。

 単調な音階のレッスンを続ける海は不満で爆発しそうになるが、ふと”ピアノの森”の情景を思い浮かべて”自分の音”を見つけ出す。ついに《子犬のワルツ》を弾く事ができた海は、「今度は自分が阿字野の望みを叶える」と言う。その阿字野の望みは、修平も出場するピアノコンクールへ海が出る事だった。課題曲は、モーツァルトの《K310》。そして、修平が海の家を訪ねた事をきっかけに再び心を通わせた二人は、お互いにベストを尽くすべく練習に励む。だが海は、聴かされた”阿字野の音”に心を乱され、自分のピアノを弾く事ができない。そして、そのままコンクール当日を迎える。

 くすぶった気持ちの海はコンクール会場で丸山誉子(タカコ)という少女と出会う。ピアニストの息子である修平が優勝するに決まっていると語る誉子に、「雨宮が優勝するのは雨宮の実力だ!」と一喝する海。その後、落ち着かないままホールをうろつく海が見たのは、階段脇でこっそり泣いている誉子の姿だった。”極端な上がり性”なのだと語る誉子に語りかけ、落ち着かせる海。その不思議な雰囲気に心を許し、誉子は落ち着きを取り戻し始める…。修平と誉子が演奏を終え、ついにやってきた海の出番。果たして海は、”自分のピアノ”を弾く事ができるのだろうか!?──

スタッフ

原作:一色まこと(講談社「モーニング」連載)
監督:小島正幸
脚本:蓬莱竜太
キャラクターデザイン・作画監督:藤田しげる
演出:小山田桂子 鶴岡耕次郎
美術監督:水谷利春
撮影監督:石黒瑠美
色彩設計:山本智子
ピアノ演奏・ミュージックアドバイザー:ウラディーミル・アシュケナージ
音楽:篠原敬介
音響監督:藤山房伸
サウンドデザイナー:小川高松
主題歌:松下奈緒「Moonshine〜月あかり〜」(エピックレコードジャパン)
制作:NAS
アニメーション制作:マッドハウス
製作:「ピアノの森」製作委員会
   日本テレビ放送網
   アサツー ディ・ケイ
   松竹
   バップ
   マッドハウス
   読売新聞
   読売テレビ放送
   ソニー・ミュージックエンタテインメント
協賛:大和証券グループ
協力:ヤマハ株式会社
配給:松竹

キャスト

上戸 彩
神木隆之介
池脇千鶴
福田麻由子
宮迫博之(雨上がり決死隊)

田中敦子
松本梨香
田中真弓

天野ひろゆき(キャイ〜ン)
ウド鈴木(キャイ〜ン)
黒沢かずこ(森三中)
高田純次(特別出演)

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