だいじょうぶ きっと私はがんばれる

2007年/日本/カラー/123分/ 配給:ティ・ジョイ

2007年9月29日、新宿バルト9ほか全国ロードショー 2007年9月15日、北海道先行ロードショー

(C)2007「Mayu-ココロの星-」製作委員会

公開初日 2007/09/29

配給会社名 0534

解説


ひとりの女性のココロの成長と生を描いた、
力強く希望にあふれた青春の1ページ。

  21歳の竹中まゆが、ある日突然、直面した現実。『Mayu-ココロの星-』は、困難に立ち向かうひとりの女性の、ある一年のココロの成長を描きだす。どんなときでも、しっかり前を向いて、逃げることなく真正面から現実と向き合うまゆのまわりには、いつも大切な家族、友達、恋人がいる。青春まっただなか、立ち止まってなんかいられない。まゆの成長は彼女ひとりの成長ではなく、まわりをも巻き込んで希望の光の道しるべとなる。

 『Mayu-ココロの星-』は、実話に基づいたストーリーである。自らの体験をつづった原作者、大原まゆさんは語る。「主人公の“死”を描かなくても、伝えられることはいっぱいあるということと、今、私が生きている意味のある映画にしてほしい……そんな想いを監督にぶつけました。『どうして生きるの?』じゃなく、『何がなんでも生きなきゃいけない』……だからこその苦しみ、葛藤。それがあるからこそ生まれる楽しみ、小さな幸せを見つける喜び、感謝の気持ち。乳がんという病気を主軸にしながら、“生”を描いてほしいとお願いしたのです」

■ ヒロインまゆを演じる、平山あや。

 ヒロイン、竹中まゆを演じるのは、タレント、女優として幅広い活躍を見せる平山あや。北の都市、札幌を舞台に、生きる希望を決して捨てることなく気丈に病に立ち向かい、前向きに生きるヒロインを熱演。彼女のけなげさ、凛とした強さが、作品全体に明るい光をもたらしている。テレビのバラエティなどで見せる顔とはまた違った一面を出した演技で、ヒロインまゆを演じる本格派女優、平山あや。だれもが彼女を応援したくなり、きっと好きになる。
 また、まゆを温かく見守る家族–自身も卵巣がんという病を抱えながら、娘まゆの理想の女性像である母親役には浅田美代子、娘を優しく見守る父親役を三浦友和が演じるほか、まゆの恋人役には池内博之、元カレ役には塩谷 瞬ほか、新旧実力派が脇を固める。

 病と向き合ったとき、どう“生きる”べきなのか–。「がんになったからと言って、なにも変わらない。まゆはまゆだ」。ヒロインまゆの恋人、新堂亮は彼女にそう告げる。まゆの凛とした生き方はスクリーンを超えて、この秋、観る者すべてに勇気と希望と強さを与えるだろう。夜空にひときわ明るく輝くポーラスター-北極星-のように–。

「Mayu-ココロの星-」への思い

 この映画には、ドキドキさせる仕掛けもなければ、スリリングなクライマックスも用意されていない。
ただ、いつもの日常である“尊い一瞬の時間”が、淡々と、映画の中を流れていく。
しかし、そこには、命と向き合い、戦い、打ちのめされて、そしてまた、絶望の淵から、必死に這い上がっていく、
命への熱い思いが、ひたひたと流れ続けている。

 撮影は、カメラマンの柴主さんをはじめ、スタッフ全員が、
この思いに、真剣に向き合ってくれた熱い現場だった。
現場のすみっこには、いつも、この映画の原作者、まゆちゃんが、スタッフに溶け込んで、ちょこんと座っていた。
だからだろうか。撮影現場には、時として、不思議な現象が起こった。
誰かに、見守られているかのような、何とも言えない感じ……。
いつも、スケジュールぎりぎりで、もう駄目かと思う瞬間に、何かに救われる。
辛いシーンを撮りながらも、なぜか、温かな空気が現場を包む。
不意に私は、現場で涙を流したことがある。涙の理由もわからなかった……。
今、完成して思うのは、誰かがこの映画を、確かに見守ってくれていたに違いない、ということだ。

「今ココにいることの 尊さと 愛しさと
 美しすぎて 掴めない 手のひらの一瞬を
 あたりまえのこと すべてが 光ってるよ そう 奇跡なんだね」

 挿入歌の中の、一節。
当たり前のように訪れる、今日という一日が、こんなにも尊くて、愛しいとは……。
今、ココにいる、この一瞬に、感謝したい。そんな思いで綴った歌詞だ。
私は「生命力」という言葉が好きだ。
ラストシーン。
映画の中で、主人公まゆが、静かに空を見つめる眼差しに、
私は、力強い生命力を、感じてならない。

ストーリー



竹中まゆ、21歳。
どうしてこの私が乳がんに——!?
でも、がんになんか絶対に負けない。
がんが私に気づかせてくれた。
本当に大切なもの——家族、友達、恋人
……そして、夢はいつかきっと叶えられることを。

 札幌市内の広告会社で働く竹中まゆ(平山あや)。小学3年生のときに母が卵巣がんを発症。それ以来、入退院を繰り返す母に代わって、父とともに家事をこなし、4人家族の竹中家を支えてきた。そのときからだろうか、まわりからは、“いつも弱音は吐かない、しっかりもの”と思われている。今日は21歳の誕生日。仕事を早めに片づけて、いつもの店に向かう。気が置けない仲間たちと誕生会なのだ。この店でバイトしながらシンガーを目指すケイ、アユミ、ミスズ。4人は中学のときのクラブ、星を観る会“ポーラスター(=北極星)”のメンバーだ。そこへ、ひとつ年下でお笑い芸人を目指しているサトル、そして元カレのマサキ(塩谷瞬)も合流し、「来年のまゆの誕生日には、もっと近くでポーラスターを観よう」と約束をする。
 恋人の新堂亮(池内博之)と水族館デートの朝、鏡の前で、おしゃれに余念がない。そのときふと、胸の脇にゴロゴロしたしこりのようなものが触れるのに気がついた。まだ若いし、乳がんなんてあり得ない。20歳前後の乳がん患者は統計上0パーセント、それなのに……。

■ 「9割の確率で悪性です」——医者からの容赦ない乳がん宣告。

「先生、どんなにつらい治療もがんばります。でも私、いつか好きな人の子どもを産みたいんです。その可能性だけは残してください」
 それから、まゆと乳がんとの闘いが始まった–。10年後の生存確率75パーセント。こんな若さで絶対死にたくない。乳がんとの闘いは、ひとりの問題ではなかった。家族やまわりの助けなしでは乗り越えられない。
 入院中、若い乳がん患者、尾崎たまみ(京野ことみ)と出会い、彼女の前向きさに感化され、意気投合する。「ツラいことより、いいことが一個でも多ければ、それでいい」という彼女の言葉に励まされ、「いつか退院したら、患者会をつくろう」と、ふたりは約束をする。
 一方、“ポーラスター”の仲間たちもまた、それぞれの人生を歩んでいた。夢に向かって前進していく仲間の姿に勇気づけられるまゆ–私はひとりじゃない。闘っているのは自分だけじゃない。みんな、それぞれの人生で闘っている。病人でありながら、病人らしさを感じさせずいつも素敵でカッコいい母、クールだけど、いつも温かく見守ってくれる父……みんな、ありがとう。乳がんが私に気づかせてくれた。失ったものより、見つけたもののほうが多い。今まで肩ひじはって生きてきたけれど、やっと自分に素直になれた。
 そして22歳の誕生日、まゆは希望の星、ポーラスターを観に仲間と出かける–。

スタッフ

監督:松浦雅子
原作:大原まゆ 『おっぱいの詩』(講談社刊)
脚本:松浦雅子
主題歌:Dreams Come True 『何度でも』

キャスト

平山あや
塩谷瞬
池内博之
京野ことみ
若葉竜也
於保佐代子
芦名星
Wooh
浅田美代子
三浦友和

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