原題:芒種

2005年カンヌ国際映画祭批評家週間ACID賞 2005年ぺサロ映画祭ニューシネマ部門グランプリ 2006年ブゾル映画祭グランプリ 2006年シネマノボ映画祭グランプリ 2006年タオスアジアン映画祭グランプリ&観客賞 他多数受賞

2005年/中国・韓国/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/109分/ 配給支援:韓国映画振興委員会KOFIC 配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー 宣伝:マジックアワー

2008年01月18日よりDVDリリース 2007年1月28日(日) 渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

公開初日 2007/01/28

配給会社名 0792

解説

アート・フィルムの最先端に立つ孤高のシネアスト、チャン・リュル本邦初登場!

未だ知られざる孤高のシネアスト、チャン・リュルの最新作が遂に日本上陸!長編デビュー2作目にしてカンヌをはじめ世界各地の映画祭で実に15もの賞を受賞した『キムチを売る女』。

本作の登場は、ツァイ・ミンリャン、キム・ギドク、北野武、ジャ・ジャンクーといった東アジア出身のアート系監督達の伝統を引き継ぐ全く新しい映画作家の誕生を予感させるものです。

在中3世の朝鮮族出身者で、現代の中国文学を代表する作家としても有名なチャン・リュルは、映画製作のキャリアを積まずに初めて監督した短編「11歳」が、ベネチア国際映画祭に招聘され、その特異な映像表現が映画人を震撼させその名を広く世界に轟かせました。

生きた光が呼吸しているような画面の質感、絵画的な空間構成、抑制された演出技法に裏打ちされた彼の作品は、映画でしか語れないものを最もシンプルな映像で表現するというアート・フィルムの本来あるべき姿を私達に提示しています。
絶対的な孤独、絶望的な状況。それでも母と息子は一生懸命生き抜いた。

中国北部の片田舎、キムチの露天商で生活を営んでいる母と息子。暗い過去を引きずりながらも平凡な毎日をつましく暮らしている朝鮮族親子の日常を透明感のある詩情豊かな映像で描いた『キムチを売る女』。

これは、絶望的な状況・絶対的な孤独のなかで人はどのようにして己の魂を解放させるかを描いた傑作です。

チャン・リュルは韓国と中国2つの国にルーツを持ちながら、どちらにも属しえない朝鮮族を物語の主人公に据える事で、ボーダーレスな社会におけるアイデンティティーのゆらぎを見事に映像化。

クライマックスで悲劇的な暴挙にうってでる若く美しい主婦が、映画のラストで見せる姿は、絶望の淵における個の力強さをスクリーンに刻みつけた名場面として長く記憶にとどめられることでしょう。

朝鮮族とは?
中国籍韓国人を朝鮮族といいます。彼らのほとんどは「祖国」は中国と考えており、在中韓国人とは区別されています。現在中国には約200万人の朝鮮族がいますが、その多くが吉林省の延辺朝鮮族自治州を中心に中国の東北地方に住んでいます。

ストーリー

故郷から遠く離れ、樹木も育たない不毛の土地。

朝鮮族のチェ・スンヒは、線路沿いの粗末な家で息子チャンホと暮らしている。夫が犯罪に手を染め、母子2人でこの地に来たものの、スンヒはいつも故郷へ帰る日を夢見ていた。

三輪車を引きながらキムチの露天商で生計を立てる毎日。全ての出来事に無関心を装い、日々真面目に過ごしていくスンヒだったが、商売を介して何人かの男と交流を深めていく。

お互いに朝鮮族同士という間柄で心を許し合うようになった自動車工場の技術者キムもその一人。だが、彼は結婚しており、密会中の2人のもとに妻が押しかけてくる。妻の前でスンヒを娼婦だと偽り保身を計るキム。彼女は売春容疑で留置所に連行されるが、警察には以前から顔見知りのワン警官がいた。

彼の助けを得ようとかすかな希望を抱いたスンヒだったが、ワン警官は彼女を逃がす代わりに肉体関係を強要してきた。スンヒを搾取の対象としか見ない男達。絶望的な状況の中、スンヒは息子と故郷へ帰ろうと思いはじめていた。

だが、運命はまたも過酷な仕打ちで彼女の夢を打ち砕く。スンヒは、世の中への憎悪を募らせ、悲愴な決意のもとある行動に出る。絶望の淵に立たされた彼女に希望の光は差し込むのか。

スタッフ

監督・脚本:チャン・リュル
プロデューサー:チェ・ドゥヨン
撮影:ユ・ヨンホン
美術:チャン・ヘ
録音:ワンヨン
製作管理:ユ・ウィファ
照明:プンガン
助監督:ワン・ウィファ
製作:ドゥ・エンタテインメント、シュウ・フィルム・ワークショップ
配給:ドンスン・アートセンター
配給支援:韓国映画振興委員会KOFIC
配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー
宣伝:マジックアワー

キャスト

リュ・ヨンフィ
キム・パク
ジュ・グァンヒョン
ワン・トンフィ

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