原題:Cashback

フローズン・タイム  FROZEN TIME 時間が止まった世界。ボクの恋は加速する

第78回アカデミー賞 短編実写賞ノミネート作品 長編映画化

2006年/イギリス/カラー/シネマスコープ/SR-D/102分/字幕翻訳:古田由紀子/ 配給: CKエンタテインメント

2008年07月25日よりDVDリリース 2008年1月26日、渋谷Q-AXシネマ ほか全国順次ロードショー

(C)2005 LEFT TURN FILMS/ CASHBACK FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2008/01/26

配給会社名 0028

解説



瞬きの間に恋が生まれる。切なくてロマンティックなラブストーリー。
時間は意識のなかで延びたり縮んだりする。楽しい時間はあっという間に過ぎていくけれど、激しい恋に落ちた時、恋人と離れて過ごす時間は本当に長く辛いもの。あるいは失恋して眠れなくなって、夜が明けるのを待つ時間。なんとか時間をやり過ごそうとスーパー・マーケットの深夜バイトを始めてみても、夜の長さは“永遠”のように感じられる。そんな気持ちは誰でも経験しているだろう。
世界的大ヒット作『トレインスポッティング』(96)がヤング・カルチャーの世代交代を果たして以降、成熟と大作化の方向に進んできたイギリス映画界がまた一人、若者たちの“気分”を代弁する新しい才能を発掘した。数々の一流ファッション誌のフォトグラファーとして活躍し、ファッション・フォトに映画的エモーションを取り入れたことで世界的に注目された俊英ショーン・エリス。シャッターの“一瞬”を切り取ることが仕事だったエリスは、その時間に対する独特な感性を一本の映画として表現してみせた。映画監督として長編処女作となる『フローズン・タイム』は、「もし、映画のなかで時間を“フリーズ”させたら、どんな物語と映像が生まれるだろう」という単純にして痛快な発想から生まれた、とびっきりロマンティックなラブストーリーである。

もしも世界が止まり、自分の時間だけが動いていたら?
ガールフレンドにフラれたショックから不眠症になってしまう画家志望の主人公ベン。仕方なく24時間営業のスーパー・マーケットで深夜のバイトを始めるが、そこはダメな若者たちの吹き溜まりだった。スーパーをゲームセンターと勘違いしている(?)2人の同僚、ボスである事に必要以上の誇りをもつ店長、カンフーの身のこなしを崩さないブルース・リーおたく。そして、時間恐怖症で紅一点のレジ係シャロン。2週間も不眠が続いているベンの頭はついに限界を超え、店長の罵声も遠くから聞こえてくるようにスローになっていく。ついにベンの意識に異変が起こり、突然、周囲の世界がフリーズしてしまう! 動いているのは自分の時間だけ。 時間が止まった世界で彼は、夢中になって美しい女性たちをデッサンする。そしてある日、ふとした瞬間のシャロンの横顔に目が離せなくなってしまう…。
新たな恋の始まりは、普段は気づかないほど一瞬の間に隠れていた——。

ストーリー







美大に通うベンは、ガールフレンドのスージーと別れた。自ら別れを告げたのに未練タラタラのベンは、幼なじみのショーンに相談するが、「モデルと付き合えば、スージーが対抗心を燃やして戻ってくる」と、気楽なことばかり。
ベンは「やり直したい」とスージーに連絡を取るが、すでに新しい恋人の存在を聞かされ、そのショックで不眠症に陥ってしまう。スージーへの想いを断ち切るために、思い出の写真を燃やそうした(結局できなかった)。昔読めなかった本を読んでみた(好きな本は2度も読めた!)。
しかし、努力虚しく眠れぬ夜が続き、ベンの1日の時間は8時間も増えたことになった。そんなある夜、スーパー・マーケットで見つけた“明るい夜間スタッフ募集中”の文字。そこで、ベンはこの余った時間を活用すべきだ!と、さっそくバイトすることに。人々が寝ている間に、余った時間を売る—“キャッシュバック<換金>”だ。
ここで働く仲間たちはそれぞれの8時間を過ごしている。店長はサッカーと女が大好きで、店長という立場に自信満々。時間恐怖症のレジ係、シャロンの8時間を過ごすルールは“時計は敵と思え”。そのココロは“見ると時間は進まないから”…だそう。
悪友コンビ、バリーとマットは客へのイタズラで時間を過ごす。そして新入りのブライアン・“カンフー”。常にチャイナ服か柔道着に身を包み、手にはヌンチャク。たとえどんな時でもブルース・リーを意識した身のこなしを崩さないマイペースなやつだ。

2週間も眠っていないベンは、ついに時間の観念を失ってしまう。あまりの退屈さに時間が停止し始める…ゆっくりと、そして意識の中で時間は完全に停止する。そんなベンが見つけた8時間の過ごしかたは、女性の内にあるパワーを描くこと。フリーズした世界を自由に歩き回るベンは、誰も気づかないこの静止画の世界で“美”を味わう。夢中になって美しい女性たちをデッサンするベンは、ふとした瞬間、シャロンの美しさに目を奪われる…。
ある日、フットサルの試合に参加することなったスタッフたち。試合の後、ベンとシャロンは、初めてお互いのことを話した。お互いに意識し始めるベンとシャロン。次第にベンの中でスージーの存在は薄れ、シャロンのことを考えるときが多くなっていく…。

そしてベンに数週間ぶりに眠れる夜がやってくる!
さらにそんな彼に画廊のオーナーから、ベンの作品を見て個展を開きたいと電話が入る。すべてのツキがまわってきたベンは、幸せ気分でシャロンとともにジェンキンズの誕生パーティへ向かうが、そこでは別れたスージーとの思わぬ再会が待っていた。ベンの気持ちはもうシャロンに向いている。ところが、今度はスージーが「あなたを忘れられない」と言って、ベンに突然のキス。それを偶然目撃してしまったシャロンは傷つき、ベンの前から去って行く——。
時間を巻き戻したい、しかし過ぎてしまった時間は取り消せない。

失意のなか、画廊に自分の作品を見せに行くベン。しかし、オーナーは電話をした覚えはないと言う。電話はバリーとマットが画廊のオーナーを装ってしたイタズラだったのだ。しかし、ベンが持っていたスケッチがオーナーの目に留まる——。

後日、雪の降る日の画廊で「静止した瞬間」と題された個展が開かれていた。そこには、シャロンの仕草や表情の一瞬を写し出したキャンバスが無数に並んでいる。ベンのもとへ賞賛の言葉が次々とかかるが、ベンはそんな言葉よりもシャロンの姿を探していた。
ベンの中で止まっていたシャロンとの時間は動き出すのだろうか?

スタッフ

監督:ショーン・エリス
脚本:ショーン・エリス
撮影:アンガス・ハドソン
音楽:ガイ・ファーレイ

提供:CKエンタテインメント、アミューズソフトエンタテインメント 
配給:CKエンタテインメント

キャスト

ショーン・ビガースタッフ
エミリア・フォックス
ショーン・エヴァンス

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