原題:Being Julia

女であること、恋をすること、私であること。 大人の恋は、軽やかで美しく、ちょっと意地悪でドラマチック。

第62回ゴールデン・グローブ賞[ミュージカル・コメディー]部門主演女優賞受賞作品 2005年アカデミー賞主演女優賞ノミネート

2004年/カナダ・アメリカ・ハンガリー・イギリス/英語/ 35mm/カラー/104分/ アメリカンヴィスタ/ドルビーSRD/ 日本語字幕:石田泰子/資料翻訳:ワイズ・インフィニティ/ 後援:ブリティッシュ・カウンシル/提供:博報堂DYメディアパートナーズ、アルシネテラン/ 配給:アルシネテラン

2007年08月24日よりDVDリリース 2007年2月10日、 Bunkamura ル・シネマにてロードショー

公開初日 2007/02/10

配給会社名 0013

解説


女であること。恋をすること。私であること。
思わず拍手喝采を贈りたくなる彼女の恋。
人生は華やかな舞台のように。

イギリスの文豪サマセット・モーム円熟期の傑作「劇場」を原作に、大人の女性の魅力溢れるチャーミングな作品が誕生した。
1938年ロンドン。満たされながらも変化のない生活にうんざりしていた人気女優ジュリアは、親子ほども年の違う米国人青年トムと出逢い、恋に落ちる。だが、それも束の間、トムは若い女優と恋仲になり、ジュリアは傷心。それでもジュリアは、その女優を彼女の舞台に抜擢してほしいと言うトムの勝手な願いを聞き入れ、余裕の素振りを見せるのだった。現実を受け入れ、すべて譲ってしまうかに見えたジュリアだが、傷ついただけでは終わらないのが、大人の恋。彼女の人生の第2幕は、まるで華麗な舞台のように、ドラマティックな結末を用意して、今、幕をあけようとしていた。
軽やかで大胆、そしてちょっと意地悪な大人の駆け引き——本作は、ジュリア恋に破れた後、人生の第2幕を自らの手で開くまでの物語を、洗練されたユーモアとペーソスを効かせて小気味よく魅せていく。
女優として、女として、自らの転換期をしなやかに乗り越え受け入れていくジュリアの姿と、彼女が仕掛けた爽快なクライマックスに、誰もが拍手喝采を贈りたくなるだろう。

2005年ゴールデングローブ賞主演女優賞アネット・ベニングと、豪華イギリス人俳優陣

女優という才能に恵まれておりカリスマ的存在感を持ちながら、だれもが持っている、葛藤、悩み、打算や自尊心と闘いをチャーミングに表現したのは、アネット・ベニング。本作の演技が認められ、2005年ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞、同年アカデミー主演女優賞ノミネート他、世界中の映画祭で賞賛を浴びた。また、劇場の興行主で元俳優のハンサムな夫マイケルを演じるのは、「ヴェニスの商人」など数々の作品に出演、舞台でも活躍しているジェレミー・アイアンズ。「ハリー・ポッター」シリーズなどに出演する、イギリスが誇る実力派俳優マイケル・ガンボンなど、イギリスの名優たちが脇を固める。

アカデミー賞受賞監督、スタッフが描き上げる、サマセット・モーム「劇場」の世界

監督は「メフィスト」でアカデミー外国語映画賞を受賞、また「太陽の雫」が世界中から賞賛を浴びた、ハンガリーの巨匠イシュトヴァン・サボー。脚本は「戦場のピアニスト」でアカデミー賞脚本賞に輝き、文芸作の脚色に定評のある、ロナード・ハーウッド。撮影は「海の上のピアニスト」「マレーナ」などで数々の賞に輝くラホス・コルタイ、美術監督は「ハワーズエンド」「日の名残り」「ある晴れた日に」などのルチアナ・アリギ、衣装は「理想の女」のジョン・ブルームフィールドがつとめ、「月と6ペンス」などで知られるサマセット・モームの世界を、スクリーンに華麗に花咲かせた。

ストーリー





1938年ロンドン。美しく才能に溢れたジュリアは舞台女優として名実ともに頂点を極めている。興行主で元俳優の夫マイケルは才気溢れる舞台監督で、彼女の生活を影で支えている。聡明な息子ロジャーとの関係も良好。公私ともに満ち足りているかのよに見える彼女の人生。しかし、全てが慢性化している生活に彼女はうんざりしていた。人生の転機に差し掛かっていることを自覚している彼女は、何か新鮮で、活力に満ちたものを待ち望んでいるのだった。

そんなとき、マイケルのもとで働く親子ほども年の違うトムという米国人青年が、ジュリアの前に現れる。彼女の大ファンだというトムは、ジュリアを理想の女性だと言い熱烈なラブコールを贈る。心によみがえる少女の頃のようなときめき。胸を高鳴らせ、やがて、二人は恋に落ちた——

大女優と若い青年とのゴシップはすぐに広まる。しかし、周囲の噂を気にすることもなくトムとの甘美な日々を堪能するジュリア。この恋は彼女の満たされない日々に再び活力を与え、消えかかっていた舞台への情熱をも取り戻すのだった。

しかし、時がたち、ジュリアは悲しい現実に直面する。トムに若い女優の恋人エイヴィスが出来たことを知るのだ。彼女はジュリアの新作”今日この頃”に自分のために役をつけてくれないかとせがみ、そしてマイケルをもたぶらかす。自尊心を砕かれ、傷心のジュリア。だが、大女優でありプライドが高く、なによりも大人の女性である彼女は、トムの願いを聞き入れ、その野心的なエイヴィスを自らの舞台に抜擢までして、余裕の素振りを見せるのだった。ジュリアは周囲の戸惑いの目を気にもせず、エイヴィスを自分より舞台上で引き立たせようとマイケルに様々な提案をする。「どうも変だ。彼女はやさしすぎる」。訝しげにつぶやくマイケル。

舞台初日——劇場は満席の観客で溢れかえっている。
現実を受け入れ、すべて譲ってしまうかのように見えたジュリア。けれど、傷ついただけでは終わらないのが、大人の恋。開演まであと少し…彼女の人生の第2幕は、まるで華麗なる舞台のように、ドラマティックな結末を用意して、今、幕をあけようとしていた。

スタッフ

監督:イシュトヴァン・サボー
脚本:ロナルド・ハーウッド
製作:ロバート・ラントス
原作:サマセット・モーム
撮影:ラホス・コルタイ
編集:スーザン・シプトン
音楽:マイケル・ダナ
衣装:ジョン・ブルームフィールド

キャスト

アネット・ベニング
ジェレミー・アイアンズ
マイケル・ガンボン
ショーン・エヴァンス
ブルース・グリーンウッド
ジュリエット・スティーヴンソン
ローズマリー・ハリス
ミリアム・マーゴリーズ
ルーシー・パンチ
トム・スターリッジ
シーラ・マッカーシー
モーリー・チェイキン
リタ・トゥシンハム
リー・ローソン

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