原題:Ratatouille

第80回米アカデミー賞 脚本賞、長編アニメ賞ノミネート

2007/06/29

2007年/アメリカ/カラー/??分/ 配給:ブエナビスタ

2016年11月22日よりDVDリリース 2010年11月03日よりDVDリリース 2008年11月07日よりDVDリリース 2007年11月14日よりDVDリリース 2007年7月28日、日劇3系公開

公開初日 2007/07/28

配給会社名 0069

解説


『ファインディング・ニモ』、『Mr.インクレディブル』のディズニー/ピクサーから世界で一番“おいしい映画”、誕生!

料理は、魔法である。シェフの唱える呪文によって、食材と食材が運命的な出会いを果たした時、元の食材からは全く予想もつかない味覚のシンフォニーを奏で始める。しかも、心のこもった最高の料理には、人を幸せにする不思議な力まで備わっているのである。
 ここに、そんな料理の魅力の虜になった若者がいる。名前は、レミー。天性の味覚と嗅覚に恵まれ、豊かなイマジネーションと一途な情熱を持つ彼は、優れたシェフになるための全ての資質を備えているかにみえた。だが、その夢を阻むただ一つの問題は——彼は“人間”ではなかったのである……。

 『モンスターズ・インク』、『ファインディング・ニモ』、そして『Mr.インクレディブル』など数々の名作を生み出し、世代や国境を越えて人々に愛され続けてきたディズニー/ピクサーから、世界で最も《おいしい映画》が誕生した!舞台は、グルメの都・パリ。シェフを夢見るネズミのレミーと、料理の苦手な見習いシェフ、リングイニとの出会いから始まる《夢》と《奇蹟》のファンタジー ——それが『レミーのおいしいレストラン』である。

 『Anyone Can cook(誰でも名シェフ)』——それは、今は亡き天才シェフ、グストーの残した一冊の本。情熱を貫く勇気さえあれば、誰でもシェフになれると説くこの本との出会いが、天才的な味覚と嗅覚を持つネズミのレミーの人生を変えてしまった。彼は、一流レストランのシェフになることを夢見ている。もちろん、それは叶わぬ夢。レストランのキッチンにとって、ネズミは最も“招かれざる客”なのだから…。そんなある日、家族とはぐれてひとりぼっちになったレミーの前に、グストーのゴーストが現れる。グストーはレミーを励まし、一軒のレストランに彼を導いた——そこは、レミーが夢までにみたグストーの店! ちょうどその頃グストーの店では、シェフ見習いのリングイニがヘマをして、完成したスープを台無しにしてしまっていた。その様子を見ていたレミーは、湧き上がる情熱を抑えきれずキッチンに足を踏み入れ、夢中になって見事にスープを作り直すが、それをリングイニに目撃されてしまう。
 料理の才能が無いことを悩んでいたリングイニは、この小さな天才シェフが人間の言葉を理解していると知り、とんでもないアイデアを思いつく。「二人でパリ一番のシェフを目指すんだ!」
 シェフを夢見るネズミと、料理が苦手な見習いシェフ——ゴースト・グストーが導いたその出会いはやがて、フランス料理界を揺るがす“大事件”を巻き起こす…。

 ひとりでは実現できない夢も、二人なら叶えられるかもしれない——情熱と友情に支えられて、《奇蹟の料理》を目指すレミーとリングイニを軸に、予測不可能なストーリーが展開する。亡きグストーのレシピを頑なに守り続ける紅一点シェフのコレット。その酷評でグストーを死に追いやったと噂される料理評論家のイーゴ。息子の身を案じて「人間には近づくな」と必死で諌めるレミーの父。そして、レミーが挫けそうになると姿を現す、ファンタジックなゴースト・グストー、etc.…。果たして、彼らの奏でるあまりにもユニークな狂想曲は、どんなフィナーレを飾るのだろうか?
 これら豊かなキャラクターたちが織りなす極上のドラマを彩るのは、アニメーション史上類をみない最高の《料理》たちだ。今にも香りが漂ってきそうなその映像は、リアルでありながらアニメーションならではのファンタジー感に溢れ、実際の料理以上に“美味しそう”な《視覚のグルメ》を実現した。

 監督は、『Mr.インクレディブル』でアカデミー賞に輝くブラッド・バード。製作総指揮は、CGアニメーション界の頂点に立つジョン・ラセターと、『ファインディング・ニモ』の監督アンドリュー・スタントン。幸せを運ぶ珠玉のストーリーに、小粋なパリのエッセンスをたっぷり加えて、心を込めてじっくりと煮込んだ至福の一品——この夏、《おいしい奇跡》が世界中を魅了する。

ストーリー


ここは、フランスの片田舎。ネズミのレミーは天才的な嗅覚と味覚をもち、いつの日か一流のシェフになることを夢見ていた。愛読書は、フランス料理界の偉大なる名シェフ、グストーが著した『誰でも名シェフ』。特にグストーの“誰にでも料理はできる”という言葉が、叶わぬ夢を抱くレミーをいつも勇気づけていた。だが、一族の長である父ジャンゴは、レミーの身を案じて人間の世界に足を踏み入れることを禁じる。ジャンゴにとってレミーの才能は、仲間たちの食物の安全性をチェックする“毒見役”としても重要であった。
 父の戒めを破り、レミーは食いしん坊の兄エミールと一緒に人間のキッチンに忍び込み、テレビでグストー死亡のニュースを知る。ショックで立ち尽くすレミー。その姿を家の主人に見つかったため、一族は暮らし慣れた古巣を追われるが、逃亡の途中でレミーは愛する家族と離ればなれになってしまう。嵐に遭い下水道に流されたレミーは、とっさに持ち出した『誰でもシェフ』を筏代わりにして身を守り、ようやく見知らぬ場所にたどり着く。ひとりぼっちで途方に暮れるレミーは、慰めを求めて『誰でもシェフ』のページをめくる。すると、突然、目の前にあのグストーのオーストが現れ、「過去にばかりとらわれてはいけない。大切なのは未来だ」とレミーに語りかける。ゴースト・グストーに導かれるまま、レミーは屋根にかけあがる…そこは、憧れのパリ!そして、夢にまでみたグストーのレストランは、彼の目と鼻の先にあった。

 パリの高級レストラン“グストー”の厨房は、まるで戦場のような慌しさ。そんななか、現・料理長であるスキナーのもとを、亡き母の紹介状を手にしたリングイニという名の青年が、仕事を求めて、訪れていた。ゴミ処理係が不足していたため、リングイニは即採用決定。しかし彼は、うっかり店の大事なスープを台無しにしてしまう。その一部始終を見ていたレミーは、「お前にならできる」とゴースト・グストーに背中を押され、夢中でスープの味を調える。その姿を呆然と見つめるリングイニ。その後、リングイニがスープをいじったことを知り、スキナーは激怒しクビを宣告するが、客席に運ばれたスープは大好評!グストーのレシピを守ることに生きがいを感じているこの店唯一の女性シェフ、コレットのとりなしもあって、リングイニはクビを免れる。
 そんな騒動のなか、レミーはスキナーたちに見つかり、捕まってしまう。ネズミが厨房にいるなどと知られたら、一発で営業停止だ。リングイニはレミーを始末するよう言いつけられる。これまで様々な職で失敗してきた彼は、この仕事が最後のチャンスだと思っていた。しかし、致命的なことに、彼には料理の才能が全くないのだ。ネズミ相手にボヤくリングイニに、思わず同情するレミー。その様子を見てレミーが人間の言葉を理解していることを知ったリングイニは、とんでもないアイデアを思いつく。——「ふたりで協力して、パリ一番のシェフを目指すんだ!」
 ふたりの猛特訓が始まった。試行錯誤の末、ある画期的な方法を考案したふたりは、レミーの存在を知られずにふたりで料理する完璧なコンビネーション・プレーを実現する。一方、スキナーにリングイニの教育係を押し付けられたコレットは、勝気な彼女ならではの機関銃トークでシェフのイロハをリングイニに教え込む。厨房での心得、シェフの身だしなみ、一流料理店の秘訣、そしてグストーのレシピの魅力…etc。一通り話し終えると、彼女はリングイニに耕告げる——「最後まで聞いてくれてありがとう。」 男社会の厨房で、彼女の話に真剣に耳を傾けてくれた人間など、これまで一人もいなかったのだ。二人の間に、恋が芽生えはじめていた。
 リングイニとレミーの作り出す料理の数々は、舌の肥えたパリのグルメたちを魅了し、グストーの店は久しぶりに活気づく。それはまさに、みんなを幸せにする素晴らしい料理だった。かつては最高峰の“5つ星”レストランとして栄華を誇ったグストーの店だったが、フランスで最も権威ある料理批評家のイーゴの酷評によって“4つ星”に降格。グストー亡き後、その衰退に拍車がかかっていたのだ。グストーの副料理長だったスキナーはグストーの後を継ぎ、露骨に金儲け主義へと路線変更。今や料理を心から愛するグストーの精神を受け継ぐものは、コレットただ一人だけだった。店の活況とは裏腹に、スキナーは自分の地位を脅かすリングイニに疑惑の目を向け、その行動を執拗に監視する。時に挙動不審なリングイニは、絶対に何かを隠しているに違いない。だが、果たして何を…?
 スキナーとは別の意味でリングイニに疑惑の目を向ける者が、もう一人いた。料理評論家のイーゴである。自分のペンの力によって料理界の頂点から葬り去ったグストーの店が、こんなに短期間で復活できるはずがない。彼は再びグストーの店を訪れ、最後の審判を下す決意をする。

 レミーの才能は開花し、今や留まるところを知らなかった。新しい料理のイメージは次々と湧き出てくる。もっともっと、料理を作りたい!だが、グストーの店の評判が高まるほどに、リングイニとレミーとの仲はギクシャクしていく。脚光を浴びるのはリングイニただ一人で、レミーは決して知られてはならない存在。しかも、コレットに恋するリングイニは料理の際にも、時としてレミーではなく、彼女の指示に従おうとする。レミーの苛立ちに感情を害したリングイニは、心にもない一言を口にしてしまう。「僕は君の操り人形なんかじゃない!」 傷ついて店を飛び出したレミーに、再会したジャンゴは仲間のところに戻るように諭す。「レミー、結局のところ、ネズミはネズミなのだ」

 夢を選ぶのか、それとも、家族を選ぶのか…?揺れ動くレミーの心も知らずに、イーゴの訪問によってグストーの店に大波乱が起ころうとしていた。「シェフになりたい」…小さな体には大きすぎるレミーの夢が、いま、フランス料理界を揺るがす大事件を巻き起こす…!!

スタッフ

監督:ブラッド・バード
製作:ブラッド・ルイス
製作総指揮:ジョン・ラセター/アンドリュー・スタントン
ストーリー原案:ヤン・ピンカヴァ/ジム・カポビアンコ/ブラッド・バード
ストーリー監修:マーク・アンドリュース
プロダクション・デザイン:ハーレイ・ジェサップ
音楽:マイケル・ジアッチーノ

キャスト

<レミー>パットン・オズワルト
<リングイニ>ルー・ロマーノ
<スキナー>イアン・ホルム
<コレット>ジャニーン・ガロファロー
<グストー>ブラッド・ギャレット
<イーゴ>ピーター・オトゥール
<ジャンゴ>ブライアン・デネヒー

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