2006年/日本/カラー/94分/ 配給:バイオタイド

2007年1月27日よりユーロスペースにてレイトショー

©2006 Life Film Partners

公開初日 2007/01/27

配給会社名 0330

解説


青春という美しくも残酷な季節が終わるころ。
繰返される日々のなかで、いつか得た愛情も、友情も、少しずつカタチをかえてゆく。
かつて「恋愛」と呼びえたものが、いまは少しちがって見える——。
『Life』は、私たち誰もが感じる、そんな思いのすべてを優しく包み込んでくれる、不思議な映画です。

地方でキャンドル・アーティストの道を歩む主人公の青年、勇が直面するのは、これまでの人生の集積が波のように押し寄せてくる、数々のできごと。高校の同窓会、重い病を患う親友や自かつての恋人との再会。恋人を亡くした少女との出会い・・・。時の流れがはらむ厳しさを痛感することで、勇は“Life”のひとつの真実を知る。

主演は、本作が待望の映画初主演となる綾野剛(ドラマ版「イヌゴエ」主演)。その繊細な個性と端正な貌で、勇というナイーヴな美青年像を完璧に体現、さらに、本作では音楽も兼任している。その勇を、不思議なデートに連れ出す女子高生、茜には、映画『青いうた』や『笑う大天使』、数多くのCMで話題の美少女女優、岡本奈月。若くして大きな恋の喪失感を負った難しい役柄を見事にこなした。勇の元恋人である操には、ファッションモデルの活動の一方、『blue』や『空中庭園』など女優としても順調にキャリアを築く今宿麻美。勇の親友、武には、『リリイ・シュシュのすべて』『ラブ★コン』など様々な映画で活躍する忍成修吾。そして、『仮面ライダー555』でブレイクした泉政行や村上幸平、『特捜戦隊デカレンジャー』などTVを中心に活躍する吉田友一、瀬々敬久監督の『肌の隙間』で鮮烈なデビューを飾った小谷建仁ほか、通り魔役で当代きっての人気バイプレーヤー、山本浩司が姿を見せるなど、いま最も旬のキャストが瑞々しい感性で物語を彩る。

監督は新鋭、佐々木紳。PFF’02で、若い女性の日常的冒険を描いた『みち』が技術賞を受賞。映像と音響への細やかなこだわりは、候孝賢や是枝裕和など、良質のアジア映画の系譜に連なるもの。いま最も旬のキャストたちとともに、その瑞々しい感性で「現実」を受け止め、「次」へ進むことの痛みと希望を、鮮やかに描いてみせた。

また本作は、PFFと提携している早稲田大学による、本庄キャンパスを中心とした映画製作の積極的な取り組みから生まれた作品でもある。田んぼや家屋でのロケ撮影を快く許可してくれるなど、本庄市民たちのあたたかい協力体制のもと、『Life』は全編にゆったりと柔らかな空気感が流れる、優しい映画に仕上がったのだ。

ストーリー



東京から電車で2時間の地方都市。勇(綾野剛)は、若い芸術家や工芸家の活動をサポートする「工場」と呼ばれる施設で、キャンドルアーティストとしての道を歩んでいた。

ある晩、勇の家の留守番電話に聞き覚えのない若い女の声でメッセージが残っていた。「いつものトンネルの入り口で、15時に。」一方的に指定されたその日は、勇の高校の同窓会の日だった。幹事は勇の親友の武(忍成修吾)。そして、勇のかつての恋人の操(今宿麻美)も来るはずだ。

同窓会当日、「工場」を早退し待ち合わせのトンネルへと向った勇は、留守番電話にメッセージを残した少女・茜(岡本奈月)と出逢う。「適当にかけたんだ、番号。ねえ、これから遊びに行こ」。戸惑いながらも誘われるまま、一緒に歩く勇。どうやら彼は、かつて茜の恋人だったタマキという男の代理をさせられているらしい。戸惑いつつも、茜に合わせてタマキを演じる勇。彼には、茜の喪失感がなんとなく理解できたのだ。別れ際、茜は勇にタマキのものだというサーフグローブを渡した。勇もかわりに、かつて操から誕生日にプレゼントされたジッポライターを渡してしまう。今日は茜の誕生日だった。

一方、同窓会の会場では、武と操が勇を待っていた。久しぶりの友との再会。近況報告と思い出話に花を咲かせたあと、勇は操の隣の席に座る。「元気そう」「うん。勇も」。ふたりの間には、ぎこちない空気が流れていた。操はタバコを取り出し勇に言う、「火を貸して」。勇はジッポで火をつけてやることが出来ない—。病気であるにもかかわらず無理に酒を飲み酔いつぶれてしまった武。操に「結婚する」ことを告げられても「おめでとう」としか言えない勇。

長い一日が終わり、夜が明ける。勇は茜のかつての恋人・タマキが海で死んでいたことを知る。タマキが消えた海で泣く茜の側に勇の姿があった。成長した同窓生たち、武の病気、操とのこと、そして、変わらない何かを求めていた自分。溢れる感情を抑えきれなくなった勇は駅のホームでむせび泣く・・・。

スタッフ

監督・脚本:佐々木紳
プロデューサー:オガワシンジ
撮影:戸田義久
照明:木津俊彦
音楽:mr.a

キャスト

綾野剛
岡本奈月
今宿麻美
泉政行
翁安?
吉田友一
村上幸平
小谷健仁
忍成修吾

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す