2007年/日本/カラー/118分 配給:アートポート

2008年03月28日よりDVDリリース 2007年9月1日、シアターN渋谷にてモーニングショー 2007年7月28日、シネマスクエアとうきゅう、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー!

公開初日 2007/09/01

配給会社名 0014

解説



広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ
広島に原爆の閃光が光ってから61年。現在では広島の街も新しくなり、一見平和が戻ったかのように見えます。しかしあの時の閃光は人々の生と死を分け、生き残った人のその後の人生を大きく変えていきました。そして、彼らの子供たちの運命をも……

映画『タ凪の街桜の国』は、平成16年度文化庁メディア芸術賞漫画部門大賞馴第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した、こうの史代原作の同名漫画を完全実写映像化した作品です。ここには過去と現在の時代を背景に、二人の女性にスポットを当てたふたつの物語が描かれます。ひとつは原爆投下から10数年後の広島を舞台に、いつ原爆症が発病するかもしれない恐怖を抱えながら生きる女性・平野皆実(麻生久美子)が、同僚の打越(吉沢悠)から愛を打ち明けられたときに、幸せの一方で被爆した心の傷が再び痛み出していく『タ凪の街』。もうひとつの時代は現代。ある日、皆実の弟顧旭(堺正章)が家族に内緒で東京から広島へと向い、娘の石川七波(田中麗奈)が彼の後をつけていくうちに、七波が自分の家族のルーツを見つめなおしていく『桜の国』。皆実の忘れられない被爆体験と、父の行動から伯母の残した思いを知っていく七波という二人の女性を通して、’家族愛、兄弟愛、男女の恋愛など様々な形の愛が映し出されます。そこから実感として浮かび上がるのは平和の尊さと、生きることの喜び。名もなき普通人である彼女たちの目線から、感動の人間ドラマが静かに紡ぎだされます。

監督は『半落ち』(05)、『四日間の奇蹟』(05)、『出ロのない海』(06)など、これまでにも多くの情感溢れる秀作を生み出してきた佐々部清。石川七波役には、デビュー作『がんばっていきまっしょい』(98)から新作『暗いところで待ち合わせ』(06)まで、鮮烈な演技で注目を集めてきた若手実力派女優、田中麗奈。平野皆実役を演じるのは、『カンゾー先生』(98)や新作『涙そうそう』(06)といった映画は勿論、TV『時効警察』でも好演を披露した麻生久美子。他にも吉沢悠、中越典子といった若手の個性派俳優が出演し、ベテランの藤村志保や堺正章も顔を揃えています。その充実したキャスト陣は、きっと原作のファンも納得してくれることでしょう。これらの俳優たちと、人間と家族の思いを見つめ続ける映像作家・佐々部清監督の手によって、今また切なくも温かい名編が誕生しようとしています。

ストーリー

〜家族、兄弟、恋人…そんな、愛にあふれた、人生を送る2人の女の子の物語〜

昭和33年広島市街。復興の進んだ街は活気を取り戻していた。平野皆実(麻生久美子)は父・妹を亡くし、母・フジミ(藤村志保)と二人暮らしをしている。弟・旭(伊崎充則)は疎開先である水戸でおばの養子になっている。ひそかに思いを寄せていた同僚の打越(吉沢悠)から想いを告げられ、幸せをかみ締めようとしたとき、一あの日、すべてを失った。おまえの住む世界はここではないと誰かの声がする…一心の傷が再び痛み出していく。

平成19年夏。東京で暮らす皆実の姪・石川七波(田中麗奈)。父・旭(堺正章)の最近の不可解な態度を突き止めようと、尾行することに。七波は駅で偶然出会った同級生・東子(中越典子)と共に父を追い、広島に向かうことになる。父は広島に着くと思い出の場所を回る。それは旭の母・フジミと姉・皆実と過ごした場所や二人が眠る墓地、そして二人を知る人々を訪ねて歩く。七波は父の背中を追いかけながら、自分自身のルーツを見直していく。

スタッフ

監督:佐々部清
原作:こうの史代(双葉社刊)
   第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
   第9回手塚治虫文化賞新生賞
制作:円谷エンターテインメント

キャスト

田中麗奈
麻生久美子
吉沢悠
中越典子
藤村志保
堺正章

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