対立と争いよ、サヨナラ— 和解と未来よこんにちは

2005年 釜山国際映画祭 ドキュメンタリー部門最優秀賞(ウンパ賞) 受賞作品 2005年 ソウル独立映画祭 最高栄誉賞 受賞作品 2005年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 アジア千波万波 特別招待作品 2006年 アルゼンチン・ブエノスアイレス国際映画祭 正式招待作品 2006年 カリフォルニア・パームスプリング映画祭 正式出品作品 2006年 ロスアンゼルス・シルバーレイク映画祭 正式招待作品 2006年 イタリア・ペッサロ映画祭 正式招待作品

2005年/107分/DV/日本・韓国 配給:「あんにょんサヨナラ」製作委員会

2006年7月8日、ポレポレ東中野にて公開

公開初日 2006/07/08

公開終了日 2006/07/21

配給会社名 0746

解説


タイトルの「あんにょん・サヨナラ」とは—

「あんにょん」はハングルで「こんにちは」と「さようなら」の2つの意味があります。
「対立と争いよ、サヨナラ。和解と未来よ、こんにちは。」という意味がこめられています。

過去から学び、新しい出発をするために

戦後60年が経ちましたが、私たちはまだ、過去の戦争から自由になれないでいます。2005年は歴史認識を巡る日本の政治家の発言を契機に、反日デモが起こるなど、過去の歴史についての論議は尽きません。なぜ歴史認識に大きな溝ができてしまうのでしょうか。それを乗り越えて、共に前を向くことはできないのでしょうか。その思いから制作が始まりました。

世界中で大きな反響を呼ぶ意欲作!

・釜山国際映画祭 ドキュメンタリー部門最優秀賞(ウンパ賞) 受賞作品
・ソウル独立映画祭 最高栄誉賞 受賞作品
・山形国際ドキュメンタリー映画祭 アジア千波万波 特別招待作品
・ Mini INPUT 2005 (国際公共放送会議のプレイベントとして台湾で開かれたドキュメンタリーフォーラム)招待作品 
・ ブエノスアイレス国際映画祭招待作品(2006年4月)
・ アルゼンチン・ブエノスアイレス国際映画祭 正式招待作品
・ カリフォルニア・パームスプリング映画祭 正式招待作品
・ LA・シルバーレイク映画祭 正式招待作品
・ イタリア・ペッサロ映画祭 正式招待作品
その他、アメリカやイタリア、フランスの映画祭でも上映予定。日韓共同で靖国神社の問題に取り組んだ世界初のドキュメンタリーは世界中で大きな反響をまき起こしています。

靖国神社を通じて日本をみる

このドキュメンタリーの主人公、イ・ヒジャの父は靖国神社に合祀されています。それを彼女が知ったのは1997年のことでした。ほとんどの人には、靖国神社に韓国人が祀られていることがピンと来ないでしょう。なぜ、彼女の父は靖国の英霊とされたのでしょうか。
靖国神社はただ、「戦没者が祀られている神社」なのでしょうか。多くの報道がされる中、私たちはどれだけ靖国神社について知っているのでしょう。他の神社と何が違うのでしょうか。このドキュメンタリーでは、日本の遺族、韓国の遺族、靖国に賛成する人、反対する人や研究者など、様々な立場の人のインタビューからそれを浮かび上がらせています。

戦争を知らない世代の日韓共同クルーによる共同プロジェクト

このドキュメンタリーは日本と韓国の共同で制作されましたが、文化や言葉の違いから大きな挑戦でした。ぶつかることもありましたが、一つの作品を作ることにこだわり、話し合いで問題を乗り越え完成に至りました。日本からだけでも、韓国からだけでもない、両国のスタッフの話し合いから出てきた視点でドキュメンタリーを作ることで、複雑に絡み合ってしまった両国の感情のもつれをほぐしていけるものになったと感じています。

ストーリー



イ・ヒジャ 父への思い— 

ソウルで一人暮らしをするイ・ヒジャ(李煕子・63歳)は、年齢を重ねるにつれ、ある想いに苛まれます。
— 死ぬ前にやらなければならないことがある。

イ・ヒジャは父を知らずに育ちました。父は、彼女が1歳の時に日本軍に徴用され、戦後も帰ってきませんでした。あるのは古ぼけた1枚の写真だけです。父への思いは募ります。

子育てが一段落した彼女は、父の足取りを捜し始めます。1992年、父の中国での死を初めて知ります。そして97年には、父が靖国神社に神として祀られていることを知りショックを受けます。
−家族も知らなかった父の死を、なぜ靖国は知っていたのだろう。そしてなぜ父が靖国に祀られているのだろう。

父の死を知ったイ・ヒジャはソウル近くの『望郷の丘』という共同墓地に父のお墓を建てます。しかしその墓石には未だに何の文字も刻まれていません。
—靖国に父の名前がある限り、私はこのお墓に父の名前を刻めません。私の中では、まだ戦争は終わっていないのです。
靖国神社—
多くのインタビューからその本質を探る

イ・ヒジャは、靖国神社に父の名前を返して欲しいと申し入れます。しかし靖国神社では 「いったん祀った神さまは取り下げられない」と言われるのみでした。

靖国神社とはどのような神社なのか—。『あんにょん・サヨナラ』では、多くの人にインタビューし、200時間もの撮影テープから、靖国神社の本質を浮かび上がらせています。

スタッフ

監督:キム・テイル
共同監督:加藤久美子
助監督:ジヘ
プロデューサー:キム・イルグォン
撮影:ジヘ、高部優子
コーディネーター:チェ・ジナ、丁智恵、難波こうじ
構成:ホン・ソンファ
企画:キム・ウンシク、本田都南夫
音楽:チョン・へウォン

キャスト

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