第6回日本映画エンジェル大賞受賞 第60回カンヌ国際映画祭 批評家週間部門正式出品作品

2007年/日本/112min 配給:ファントム・フィルム

2008年02月22日よりDVDリリース 2007年7月7日(土)、シネマライズ他にて全国ロードショー

公開初日 2007/07/07

配給会社名 0442

解説


うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落、とある日。
和合(わごう)曽太郎とその妻・加奈子が、不慮の交通事故死を遂げた。
両親の訃報を受け、音信普通だった澄伽が東京からふらりと舞い戻る。
沈殿していた姉妹の関係はついに爆発炎上し、周囲の人々もその渦の中へと巻き込まれていく。

姉・澄伽(すみか)。
豪華で可憐で強欲。女優を目指し、家族をシカトして上京するが、実は自意識過剰な勘違い女。
「あたしは絶対、人とは違う。特別な人間なんだ。」

妹・清深(きよみ)。
姉に怯えつつも冷めた目で観察し、罪悪感に苛まれながらこっそり漫画を描き続ける。
「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」

自身の劇団「劇団、本谷有希子」を率い、三島由紀夫賞・芥川賞ノミネートになど、新進気鋭の女流作家としても注目される本谷有希子の人気戯曲が豪華キャスト・スタッフを迎えて初めて映画化された!

CM界で18年のキャリアを持ち、様々な広告賞受賞で知られる吉田大八監督が長編映画初のメガホンをとり、エゴ丸出しの姉に佐藤江梨子、その陰に怯えながらもしたたかな妹に佐津川愛美、家族の秘密の重圧に翻弄される兄に永瀬正敏、度を超したお人好しが哀れな兄嫁に永作博美を迎え、一触即発の人間関係を赤裸々かつブラック・ユーモアたっぷりに描く。

ストーリー

北陸の山間部。うだるような夏の暑さに閉じ込められた集落、とある日。
和合(わごう)曽太郎とその妻加津子が、不慮の交通事故死を遂げた。
その葬式の日、女優を目指して上京していた長女・澄伽(すみか)が4年ぶりにふらりと舞い戻った。迎える和合家は、後妻である加津子の連れ子で長男(兄)の宍道(しんじ)、その妻・待子、次女(妹)・清深(きよみ)。女王のごとく傲慢に振る舞いだした姉の、とりわけ妹に対する怒りは普通ではなかった。清深も、そしてなぜか異常に澄伽に気を遣う宍道も、それを甘んじて受け入れている。人の好い待子だけは、そのことを不思議に思っていた。

それは4年前。女優を目指すための上京を反対された澄伽は、激しい口論のあげく逆上し、父親の曽太郎をナイフで切りつけようとして、止めに入った兄の額に消えない傷跡を作った。それでも諦め切れなかった澄伽は、上京資金を作るためにクラスメート相手の売春を始める。そんな姉の姿を間近で見ていた清深は、沸きあがる創作の衝動を抑えきれず姉の痴態の一部始終を漫画に描いて投稿する。ところがなんとそれが新人賞受賞作としてホラー漫画雑誌に大々的に掲載されてしまった。村の人々に家族と自分自身の恥が暴かれ、結果的に澄伽は逃げるように上京することとなったのだ。

所属事務所から電話で解雇通告された澄伽はなお、「周りが自分の特別さに気づかない」と勘違いする。仕送りをしてもらえないことで兄を責めながらも、女優へのきっかけを掴むために、新進映画監督・小森哲生に手紙を書く。それに思いがけず返事が来て、文通が始まる。

嫁である待子にいっさい手を触れようともせず、澄伽が帰って来てからは今までに増してつらくあたる宍道。妹へのいたぶりを続ける澄伽。
だがある日、小森から澄伽へ映画出演の話が舞い込む。澄伽は清深を許し、やっと普通の家族として出直せると思っていた。

しかし、4人の物語はここからが本番だった。

「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」

なにものかになろうとして、なにものにもなれない・・・
和合家の物語は新たなる幕を明けようとしていた。

スタッフ

原作:本谷有希子
監督:吉田大八
製作:モンスターフィルムズ
主題歌:チャットモンチー「世界が終わる夜に」
プロデューサー:柿本秀ニ、小西啓介、鈴木ゆたか

キャスト

佐藤江梨子
永瀬正敏
永作博美
佐津川愛美
上田耕一
山本浩司
土佐信道(明和電機)
谷川昭一郎
吉本菜穂子
湯澤幸一郎
ノゾエ征爾
米村亮太郎

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