原題:The Kingdom

9.11以降続く緊迫した社会情勢に挑む 衝撃の問題作

2007年9月28日全米公開

2007年 ユニバーサル映画/上映時間110分/シネマスコープサイズ/ドルビーDTS,SRD,SDDS,SR テクニカラー/6巻 9,863ft, 3,006m 配給:UIP映画

2011年06月22日よりDVDリリース 2010年12月02日よりDVDリリース 2008年04月10日よりDVDリリース 2007年10月13日 全国東宝系にて一斉ロードショー

(C) 2007 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2007/10/13

配給会社名 0081

解説


これは過去10年間のCNNヘッドライン・ニュースの裏側を見せる映画だ。
                                  ——— マイケル・マン

5日間のタイムリミット。4人のFBIスペシャリストが、今、最も危険な領域に潜入する!
サウジアラビアの首都リヤドの外国人居住区−幸せな風景が一転、突如鳴り響く爆発音。自爆テロが勃発した。首謀者はアルカイダ・メンバーのアブ・ハムザと目される中、両国外交筋は穏やかな解決を望んでいたが、FBI捜査官ロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)だけは違った・・・死傷者300人を越える犠牲者の中に仲間のFBI捜査官も含まれていたのだ。直ちに捜査に向けて4人の精鋭チームを結成。テロの黒幕の本拠地を突き止めるべく、ホワイトハウスそして国防省と交渉。たった5日という期限付きながら、サウジアラビアへの極秘捜査の許可を得る。砂漠の王国サウジアラビアに到着した彼らを待ち受けていたのは、アメリカの介入によって統治能力の弱さを露呈させたくないサウジ政府による拒絶と徹底した監視だった。しかし、同じ志を持つサウジ警察のアル・ガージー大佐(アシュラフ・バルフム)が捜査協力を申し出る。果たしてフルーリーらはアルカイダ・メンバーの本拠地へ、そして、テロ事件の首謀者に迫ることが出来るのか?今、見えない敵に挑む、想像を絶する壮絶な闘いが始まる———。

キングダム=サウジアラビア王国——その巨万の富とテロリストを生み出した矛盾。
キングダム——それは王族サウード家による絶対君主制の王国サウジアラビアの事。ギネスブックによれば王族の数は世界最大とされ、要職は王族が独占、国会は存在せず、国王の命令が法律の公布と同意義とされる、まさに世界最大・最強の“キングダム”なサウジアラビア王国。莫大な埋蔵量を誇る石油が生み出した冨と失業率の高さ、超近代的な高層ビルと厳格なイスラム教・・・・・
2001年9月11日——アメリカ同時多発テロ。実行犯19人のうち15人が、サウジアラビアの人間だった。

世界へ、そして日本に波紋を投げ掛ける———今を鋭くえぐる第一級のサスペンス・アクション大作!
本作は1996年に実際にサウジアラビアで起きたホバル・タワー爆破事件をヒントに、監督のピーター・バーグ、脚本家のマシュー・マイケル・カーナハンらが作成したオリジナルの脚本で、トゥルキ・アル・ファイサル王子をはじめとする、貧富取り混ぜた緻密なリサーチでハリウッド史上初めてサウジアラビアの真実に迫る。社会派ドラマ「インサイダー」でアカデミー賞ノミネートのマイケル・マンが映画に惚れ込みプロデュースを手掛け、総制作費7000万ドルを投じ、アラブ首長国連邦、ワシントンそしてアリゾナ砂漠でロケを敢行。4人のFBIスペシャリストを演じるのは、オスカー俳優ジェイミー・フォックスを筆頭に、同じくベテラン・オスカー俳優のクリス・クーパー、「エイリアス」でゴールデン・グローブ受賞のジェニファー・ガーナー、そして「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」のジェイソン・ベイトマン。更に、パレスチナ人俳優で「パラダイス・ナウ」に出演のアシュラフ・バルフムが民族の違いを超えて任務への忠誠心を共有するサウジ警察の警部に扮し、感動を呼ぶ。米映画業界誌Varietyによると、中東の混沌あるいは戦争を題材にした映画が、秋以降アメリカでは次々と公開され、本作「キングダム/見えざる敵」は、その先陣を切る、最も重要な作品として位置付けられている。2008年の大統領選に向け、イラク戦争の是非が映画というフィルターを通して検証されつつあるのだ。4年に及ぶイラク戦争で、米兵の死者は既に2000名を越え、“正しい戦争”のはずがますます混迷を極めるイラク情勢。ブレア首相を始めとするイラク戦争を支持したヨーロッパ各国首脳は次々と退陣を余儀なくされ、孤立を極めるアメリカ。私達人類は、いつまで闘わなければならないのか—–。
各国の事情に翻弄されたまま、生きることを与儀なくされる子供たちの運命。そして、この映画の本当の意味での怖さは、映画が終わった後も、まだ、どこかで殺し合いが続いていることを強く示唆していることである。

ストーリー






ワシントンDCのある小学校。父母参観日で両親が見守る中、6歳のケビンが様々な写真を見せながら自分や家族について発表している。そんな時、父親のロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)の携帯が鳴る—サウジアラビアにある石油会社の外国人居住区で自爆テロ事件が発生したのだ。

FBIワシントン事務所。フルーリーが鑑識チームに爆破事件の詳細を説明している。死者100人以上、負傷者200人以上。犯人はサウジ警察の制服を着ており、捜査に向かったFBI捜査官のレックスとフランも死亡したと伝えられる。同僚の死を知り涙ぐむ法医学調査官のジャネット・メイズ(ジェニファー・ガーナー)。爆発物専門家のグラント・サイクス(クリス・クーパー)が爆発の規模を説明し、軍が使用する高性能爆弾が使われたと推測する。情報分析官のアダム・レビット(ジェイソン・ベイトマン)はFBIが現地に行くべきだと主張する。爆破が巧妙かつ周到に計画されていたことから、フルーリーはサウジ基盤のアルカイダ・メンバー、アブ・ハムザの仕業だと推察。サウジ政府はアメリカの介入によって統治能力の弱さを露呈させたくないのでFBI捜査を受け入れない。フルーリーは司法長官に、FBIも協力してアブ・ハムザを捕らえるべきだと直訴するが却下されてしまう。

フルーリーはワシントンポスト紙の記者を介して駐米サウジ大使に会い、サウジの大物によるテロ資金調達疑惑をちらつかせ、自分を含めた4人のFBIチーム(フルーリー、サイクス、レビット、メイズ)を現地捜査に派遣できるよう取り計らいを要求。大使は捜査期間を5日間、そして常にサウジ警察が同行するという条件で許可する。

サウジのプリンス・スルタン空軍基地。サウジ国家警察のアル・ガージー大佐(アシュラフ・バルフム)に出迎えられたフルーリー達はそのまま爆破現場に連れて行かれる。爆発のすさまじさに愕然とする4人。

翌朝。フルーリーらはアル・ガージー大佐から「証拠に触らない」「サウジ警察の立会いなしに聞き込みをしない」「イスラム教徒の遺体に触れない」「自分の目の届く場所にいる」等の条件を言い渡され、捜査は始まった。しかし、FBI捜査官らを一切信頼せず、捜査への介入を許さないサウジアラビア当局の外交儀礼のお陰で捜査は一向に進まない。たった5日間という短い捜査日程によるプレッシャーから身動きが取れず、苛立ちを募らせるフルーリーたち・・・

そんな中、フルーリーはサウジアラビ王国のハレド王子の宮殿で開かれる集会に招かれ、アブ・ハムザを捕らえ、暴力の連鎖を止めるために自分達FBIにも捜査を協力させて欲しいと訴え、理解を得る。新たに指揮を任されたアル・ガージー大佐の下で本格的な捜査が始まった。爆発には盗まれた救急車が使われたこと、救急車があった病院には自爆犯の兄弟が勤めていることが明らかになる。フルーリーらは直ちに兄弟の居場所を特定して急襲、その場にいた全員を射殺する。部屋には英国、イタリア、日本などイラク戦争の有志同盟の大使館の写真があったが、首謀者は見つからない。その帰途、フルーリーらの車が襲撃され、レビットが連れ去られてしまう。爆破の首謀者たちは捜査の停止を求めレビットを人質にしたのだ。

果たしてフルーリーらはアルカイダ・メンバーの本拠地に迫ることが出来るのか?そもそも爆破事件の真犯人はアルカイダなのか。レビットの命は・・・タイムリミットは後わずか。今、命を賭けた闘いが始まる———。

スタッフ

監督/ピーター・バーグ
脚本/マシュー・マイケル・カーナハン
製作/マイケル・マン
    スコット・ステューバー
製作総指揮/マリー・ペアレント
        スティーヴン・シータ
        サラ・オーブリー
        ジョン・キャメロン
撮影/マウロ・フィオーレ、ASC
プロダクション・デザイン/トム・ダフィールド
編集/ゲウィン・ステットACE
    コルビー・パーカー・Jr.
衣装デザイン/スーザン・マシスン
音楽/ダニー・エルフマン

キャスト

ロナルド・フルーリーFBI捜査官/ジェイミー・フォックス
ジャネット・メイズFBI捜査官/クリス・クーパー
グランド・サイクスFBI捜査官/ジェニファー・ガーナー
アダム・レビットFBI捜査官/ジェイソン・ベイトマン
デーモン・シュミット アメリカ大使館首席公使/ジェレミー・ピヴェン
ギデオン・ヤング 司法長官/ダニー・ヒューストン
ロバート・グレース FBI長官/リチャード・ジェンキンス

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