原題:Chosyu Five

幕末の世、日本の未来のために刀を捨てた、サムライがいた

東京国際映画祭2006・ある視点部門出品作品 第40回ヒューストン国際映画祭 レミアワードグランプリ(最優秀賞)受賞

2006年/日本/カラー/119分/ 配給:リベロ

2007年09月28日よりDVDリリース 2007年2月10日(土)シネマート六本木他全国順次ロードショー 2006年10月28日、山口県先行ロードショー

©2006「長州ファイブ」製作委員会

公開初日 2007/02/10

配給会社名 0223

解説


ペリー率いる黒船の浦賀来航から10年後。外国を打ち払おうとする攘夷の嵐が吹き荒れる幕末期の1863年、遙なる異国、イギリスに命懸けで密航した若者達がいた。粗末な服に身を包み、新しい時代を切り開く気概だけを胸にロンドンの地に立ったこの長州藩の5人の志士達を、のちにイギリス人は敬意を込めて「長州ファイブ」と呼んだ…。
5人の名は、若き日の伊藤博文、そして井上馨、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三。いずれも後年、日本の歴史に偉大な足跡を残すことになる5人である。
見つかれば死罪という密航までして、イギリスに渡った彼らの情熱の源は何なのか?生死を懸けた数ヶ月もの航海、人知れず異国で倒れて果てるかもしれぬ危険をも顧みず、突き進んだ彼らの熱き思いはどこからくるのか?
幕末の歴史に秘められた5人の若き日々の真実が、140年あまりの時を経て、今、ここに明かされる。

監督は、『地雷を踏んだらサヨウナラ』(99)、『アダン』(05)など、内面の何ものかに突き動かされ、命をかけて疾走してゆく実在の人物を描きつづける五十嵐匠。伊藤博文はじめ日本を大きく動かした5人が、若き一時期秘かにイギリスに留学していた、という知られざる事実をもとに、5人の熱き魂と青春の日々を鮮烈に描き出す。
「生きたる機械」となって日本の将来のために尽くす覚悟でイギリスの先進技術を修得し、人のあり方にも深い洞察を向けた主人公・山尾庸三には、『御法度』(99)以来7年振りにサムライを演じる松田龍平。冷静な態度に秘められた激しい情熱、強靭な精神力と人間的な暖かさ…。後に「日本工学の父」と呼ばれることになる山尾の若き時代を、凛とした、そして陰影に富んだ演技で体現する。
ほかの4人のキャストには、酒と鉄道をこよなく愛する熱血漢・野村弥吉(後に「日本鉄道の父」と呼ばれた井上勝)に『蝉しぐれ』(05)の山下徹大、「見る前に跳べ」精神の行動派・志道聞多(後に初代外務大臣となる井上馨)を『日本の黒い夏 冤罪』(01)の北村有起哉、現実主義で率直な伊藤俊輔(後の初代内閣総理大臣、伊藤博文)に『ウォーターボーイズ』(01)の三浦アキフミ、後年、大阪造幣局長となる繊細でロマンチストの遠藤謹助に、本作が映画デビューとなる新星、前田倫良。さらに、原田大二郎、榎木考明、寺島進、泉谷しげるといった個性豊かな実力派演技陣が脇を固める。

山口県萩市を皮切りに、下関、ロンドン、ルーマニアと、全4ヶ月に及ぶ撮影を敢行、幕末の日本や19世紀のロンドンの街の空気までもリアルに再現しつつ、5人の熱い魂と彼らが生きた時代を壮大なスケールで描く一大叙事詩『長州ファイブ』。幕末の混乱期に信じるものの為命懸けで挑戦しつづけた5人の青春群像は、価値観が多様化した「混乱の時代」でありながら閉塞感が漂う今という時代に風を起こすに違いない。また、国の将来のために行動する彼らの生き方に、真の愛国心とは何かということを突きつけられることだろう。

ストーリー


 1853年ペリー率いる黒船が浦賀に入港して以来、日本中が開国か攘夷かで揺れ動いていた。それはまた、江戸300年の泰平が破れようとした時代でもあった。
 そんな中、「摘を知り、己を知れば百戦、危からず」という中国の故事と、吉田松陰の教えに発奮し、命懸けで英国に密航した若者達がいた。その勇気ある志士こそ、後に‘長州ファイブ’と呼ばれる、伊藤博文・井上馨・井上勝・遠藤謹助・山尾庸三の5人である。
 尊王攘夷の嵐が吹き荒れる1863年6月、‘長州ファイブ’の面々は、新しい時代を切り開くべく英国へと密航、ロンドンへと辿り着く。渡英後、5人はロンドン大学で学びながら、造幣、造船、鉄道などを貪貪るように見聞きし、英国の最新技術や知識を解得していった。
 

スタッフ

監督・脚本:五十嵐匠
製作総指揮:前田登
エグゼクティブプロデューサー:水野清

キャスト

松田龍平
山下徹大
北村有起哉
三浦アキフミ
前田倫良
原田大二郎
泉谷しげる
榎木孝明
寺島進

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