2006年カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品作品

2006/日本/カラー/119分/1:1.85/ビスタサイズ 配給:シネカノン

2007年02月23日よりDVDリリース 2006年7月8日、渋谷アミューズCQN,新宿武蔵野館ほか全国にてロードショー

(C)2006『ゆれる』製作委員会

公開初日 2006/07/08

配給会社名 0034

解説


兄と僕は、どこかでつながっているんだと、思っていました、これまでは。
東京で写真家として成功している猛は、忙しくも自由気ままな生活をしている。
一方、地方に残り実家の商売を継いだ兄の稔は幼い頃から温.和で誠実な人柄だが、いまだに独身で父親と2人で暮らしている。母の一周忌で久しぶりに帰郷した猛は、稔と、ふたりの幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に行った。
兄弟が幼かった頃、よく両親が連れてきてくれた場所だが猛はそのことを憶えていない。
懐かしい場所ではしゃぐ稔。稔のいない所で、i猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。
だが、渓谷にかかった稲り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。
その時そばにいたのは、稔ひとりだった。
兄をかばうため猛が奔走する中、稔の裁判が始められる。
事故だったのか、事件なのか。猛の前で、稔は次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる。
兄は本当に自分がずっと思ってきたような人間なのだろうか。
当たり前と思い疑いもしなかった:事柄の裏面が見え隠れし、裁判が進むにつれて猛の心はゆれていく。
やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった——。

ストーリー




▽母の一周忌
写真家として活躍する早翔猛(たける〉は、母の一周忌のために帰郷する。仕事に追われ母の葬儀にも立ち会わず、頑固な父り勇くいさむ)とも折り合いの悪い猛だが、温厚な兄の稔(みのる)は何かと猛を気遣ってくれていた。実家では父と稔がガソリンスタンドを経営しており、幼なじみの智恵子もそこで働いていた。法事を終えて稔と一緒にスタンドに寄った猛は、食事がてら智恵子を送るといいながら、彼女のアパートに上がりこむ。猛が夜中になって案家に戻ると、稔がひとり洗濯物をたたみながら猛のことを待っていた。

▼昂り橋
翌朝、兄弟と智恵子は蓮美渓谷に向かう,子供のようにはしゃいで川に入っていく稔。河原では、東京に行って猛と新しい人生を始めたいと匂わす智恵子の言葉を、猛ははぐらかす。ひとり山道を登り、吊り橋を渡る猛。やがて智恵子が吊り橋に着くと、背後から稔にしがみつかれる。稔は高い位置でゆれる吊り橋が怖いのだ。河原の草花に夢申でカメラを向けていた猛が、ふと顔を上げると、吊り橋の上で稔と智恵子がもめているのが見えた、猛の表情が凍りついた次の瞬間、吊り橋の上には、膝をついた稔がひとり、激しく流れる渓流をおろおろと見下ろしていた。

▽拘置所
それは事故だったと決着がついたが、ある目、言いがかりをつけてきた客に逆上した稔は警察の取り調べを受け、そこで自分が智恵子を突き落としたとロ走ってしまう。猛は、東京で弁護士をしている父の兄、早川修(おさむ)に弁護を依頼する。拘置所に入った稔は猛に言う。「お前の人生は素晴らしいよ。自分にしか出来ない仕事して、いろんな人に会って、いい金稼いで。俺見ろよ.仕事は単調、女にはモテない、家に帰れば炊事洗濯に親父の講釈、で、そのうえ人殺しちゃったって、何だよそれ」

スタッフ

原案・監督・脚本:西川美和
製作:川城和実/重延浩/八木ヶ谷昭次

キャスト

オダギリジョー
香川照之
伊武雅刀
新井浩文
真木よう子
木村祐一
ピエール瀧
田口トモロヲ
蟹江敬三

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