原題:Perfume -The story of a murderer-

スピルバーグ スコセッシが奪い合った禁断のベストセラー、ついに完全映画化!

第19回東京国際映画祭特別招待作品 東京国際シネシティ フェスティバル特別招待作品

2006年9月14日ドイツ公開

2006/ドイツ/カラー/147分/シネスコ/DTS、ドルビーデジタル/カラー/字幕翻訳:戸田奈津子 全米配給:ドリームワークス/PG-12 配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ

2009年04月24日よりDVDリリース 2007年09月07日よりDVDリリース 2007年3月3日、サロンパスルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー

(C) 2006 Constantin Film Produktion GmbH / VIP Medienfonds 4 GmbH & Co. KG / NEF Productions S.A. / Castelao Productions S.A.

公開初日 2007/03/03

配給会社名 0025

解説



世界がひれ伏す香りとは?
誰もみたことのない衝撃の結末!

スピルバーグ、スコセッシが奪い合った禁断のベストセラー、遂に完全映画化!
最初の熱狂は、1985年のドイツで始まった。ランキング1位を15週連続で獲得したベストセラー小説が誕生したのだ。“どんな読書家でも過去にこんな物語を読んだことはないだろう”そんな挑戦的な触れ込みで紹介された、パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」である。超人的なまでに鋭い嗅覚を持って生まれた主人公が、社会の最下層から這い上がって香水調合師になり、この世に一つしかない香水を創り出そうとする物語。しかしそれは、決して創ってはならない香りだった……。奇想天外、前代未聞、破天荒──言葉では言い尽くせない至福の読書体験の噂が国境を越えて広がり、45ヶ国語に翻訳され全世界で1500万部以上の売り上げを記録した。
そんな独創的な物語を映画界が放っておくはずがない。スティーヴン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシを始めとする名だたる巨匠たちが映画化を熱望した。激烈な争奪戦が繰り広げられたが、結局は原作者のジュースキントが、頑として映画化を許さなかった。しかし、『薔薇の名前』(86)で知られるドイツの名プロデューサー、ベルント・アイヒンガーの企画に、とうとうジュースキントが同意、完全映画化が実現した。
2006年9月、遂に完成した映画がドイツで公開、実に21年の時を経て第2の熱狂がドイツ全土を覆いつくした。その波は全米へと押し寄せ、早くもニューヨークタイムズ誌が絶賛、“本年度アカデミー賞最有力候補”の声があがっている。2007年3月、次は日本が香り立つ衝撃に満たされる── 。
 
天才的な嗅覚を持つ香水調合師が創った許されざる香水とは?
18世紀、フランス。類稀なる才能を持つ1人の孤児がいた。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたが、なぜか彼自身の体臭はなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニに弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を創りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラが放つ運命の香りと再会する。遂に、命あるものの匂いを取り出す技術を 我が物にしたグルヌイユは、禁断の香水創りに着手するのだった……。

ハリウッド屈指の演技派と驚異の新鋭、15歳のミューズの華麗な共演
映画を観ることが娯楽を通り越して快楽となる、この興奮と陶酔の物語にふさわしい、最高のキャストが選ばれた。かつてはパリ随一の香水調合師だったが、今では落ち目のバルディーニには、アカデミー賞に2度輝く、ハリウッドが誇る名優ダスティン・ホフマン。主人公のグルヌイユには、ホフマンに“10万人に1人の才能”と絶賛されたベン・ウィショー。トレヴァー・ナン演出の舞台「ハムレット」で高く評価された新鋭だ。彼が追い求めるローラには、ロンドン生まれの驚異の新人、レイチェル・ハード=ウッド。15歳の新たなるミューズの誕生だ。彼女の父親の裕福な商人リシには、『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ役で知られる個性派俳優アラン・リックマンが扮している。
 
観る者の五感を研ぎ澄ます、圧倒的クオリティの作品を完成させた、豪華かつ超一流のスタッフたち
プロデューサーのベルント・アイヒンガーが監督に指名したのは、『ラン・ローラ・ラン』(98)のトム・ティクヴァ。エッジのきいたアーティスティックなセンスと、エンタテインメント大作を作り上げる力量を併せ持つ、貴重な才能が買われての抜擢である。
世界中に愛読者を持つ原作を脚色するという重責を共同で果たしたのは、脚本家としても活躍、『ヒトラー〜最期の12日間〜』(04)を手掛けたアイヒンガー、ティクヴァ監督、そして『薔薇の名前』の脚色を担当したアンドリュー・バーキン。2年間かけたという脚色台本では、グルヌイユの人間性に、原作とは違った角度からも踏み込んだ。最初に恋焦がれた赤毛の少女とのエピソードを変更・加筆することによって、孤高の天才グルヌイユの“愛されたい”という切ない願いを浮き彫りにすることに成功したのだ。撮影監督は、ドイツ最高のカメラマンと讃えられる『ラン・ローラ・ラン』のフランク・グリーベ。花、樹木、動物、魚、料理から、極めつけは少女の肌・髪・汗など、香りを放つ源に繊細かつ官能的に迫ることで“香りを撮影する”という難題を見事にクリアした。
また、もう一つの大きな話題は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が初めて映画音楽を演奏したこと。常に自作の音楽も手がけるティクヴァ監督が作曲した曲を、サー・サイモン・ラトルの指揮の下、心を揺さぶる荘重かつ華麗な演奏で聴かせてくれる。

ストーリー



天才調香師グルヌイユ。彼が恋い焦がれ人生を賭けて創ろうとした香水、その原材料は ?

パリの魚市場で産み落とされた、世にも稀なる才能
1738年7月17日、パリのセーヌ河沿岸に並ぶ魚市場は、活気と悪臭に満ちていた。大きな腹を抱えた魚屋の女が、突然店の奥に倒れこみ、無造作に捨てられた魚のはらわたの上に赤ん坊を産み落とす。死産と決め付けて捨て置いた赤ん坊が大声で泣き出し、女は子殺しで逮捕された。ジャン=バティスト・グルヌイユ、産声で母親を絞首台へ送った赤ん坊はそう名付けられた。人類に2人といない才能が誕生したことなど、人々は知る由もなかった。
  
仲間はずれの育児所から、過酷な皮なめしの仕事へ
マダム・ガイヤールの育児所に引き取られたグルヌイユに友達は1人もできなかった。何キロも先の匂いを嗅ぎ分けられる超人的な嗅覚を持つ彼の存在を、子供たちはどこか普通とは違うと鋭く感じとったのだ。マダム・ガイヤールは、13歳になったグルヌイユを皮なめし職人グリマルに売り払う。ただ黙々と働き続けるグルヌイユ。数年後、青年になったグルヌイユ(ベン・ウィショー)は、パリの街中へ配達を命じられる。遂に別世界への扉が開いたのだ。
  
赤毛の少女から匂い立つ、運命の香りとの出会い
焼き立てのパン、生牡蠣、ワイン、白粉、口紅、そして香水──グルヌイユは豊かな富の香りを貪欲に味わう。その時、グルヌイユの心臓が、初めて出会った芳しい香りに激しく鼓動する。夢中で匂いを辿ったその先には、プラムを売り歩く赤毛の少女が佇んでいた。彼女の香りに包まれて、初めて幸福とは何かを知るグルヌイユ。しかし彼は、脅えた少女の悲鳴を塞ごうとして、誤って死に至らしめてしまう。消えゆく命と共に、愛の香りも瞬く間にかき消えてしまうのだった。
  
天国の香りを創るための第一歩、香水店への弟子入り
絶望と共にグルヌイユは悟る。これまでどんなに辛くても生きることに執着したのは、少女の香りを再現した天国の香水を創り出す使命のためなのだと。彼はシャンジュ橋の上に店を構える、今は落ち目の香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に、弟子にしてくれと頼みこむ。計量カップも使わず、己の鼻の記憶だけで、バルディーニが盗もうとして出来なかった流行の香水を作って見せるグルヌイユの才能に、バルディーニは呆然とするのだった。
  
自分には匂いがない、初めて知った恐怖と悲しみ
バルディーニの店はグルヌイユが次々と生み出す香水のおかげで大繁盛、かわりにグルヌイユは香りを捉える蒸留法を教わる。しかし、蒸留では“生き物”の匂いは取り出せないと知ったグルヌイユは、高度な技術を持つ職人の街グラースへと旅立つ。山で野宿するグルヌイユは、石の匂いしかしない洞窟で、初めて自分に体臭がないことに気付く。自分は誰の記憶にも残らない無の存在なのだと知り、グルヌイユは嘆き悲しむのだった。
  
遂に、この世に2つとない香水創りが始まった──
一晩でグルヌイユは立ち直った。自分は特別な人間だと世に知らしめると決意したのだ。グラースの入り口で、運命は再びグルヌイユに微笑んだ。あの香りに再会したのだ。香りの主は、裕福な商人リシ(アラン・リックマン)の娘、豊かな赤毛の美少女ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)だった。脂に香りを移す冷浸法を習得したグルヌイユは、この世に唯一つの香水創りに着手する。その日からグラースの街は恐怖に包まれた。若く美しい娘が次々と殺されたのだ。しかも、被害者はすべて髪を刈り落とされ、全裸死体で発見されるという奇妙な共通点がある。妻亡き後、命より大切なローラを守るため、リシは街を出る。果たしてグルヌイユの夢は叶うのか──?

スタッフ

監督・脚本:トム・ティクヴァ
製作・共同脚本:ベルント・アイヒンガー
共同脚本:アンドリュー・バーキン
共同製作:ジジ・オエリ
撮影監督:フランク・グリーベ
美術監督:ウリ・ハニッシュ
編集:アレクサンダー・バーナー
衣装デザイン:ピエール・イヴ・ゲロー
音楽:トム・ティクヴァ/ジョニー・クリメック/ラインホルト・ハイル
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/サイモン・ラトル指揮

原作:パトリック・ジュースキント「香水 ある人殺しの物語」(文春文庫刊) サントラ:サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(東芝EMI)
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ

キャスト

ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ)
レイチェル・ハード=ウッド(ローラ)
アラン・リックマン(リシ)
ダスティン・ホフマン(ジュゼッペ・バルディーニ)

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