地下鉄に乗って
涙の魔術師:浅田次郎の原点にして、最高傑作が遂に映画化
2006年/日本/カラー/121分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ/松竹
2007年03月21日よりDVDリリース 2006年10月21日、丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にてロードショー
(C)2006 METRO ASSOCIATES
公開初日 2006/10/21
配給会社名 0025/0003
解説
日本中を深い感動で包んだ「鉄道員」から7年、浅田次郎のすべての”涙”が、ここにある。
浅田ファンタジーの原点にして頂点、ついに映画化!
心の琴線を震わせる物語の数々で”稀代のストーリー・テラー”と讃えられる直木賞作家、浅田次郎。日本中が深い感銘に包まれた『鉄道員』を始め、数多くの作品が映画化され、今では”浅田ワールド=確実に人々の涙を誘う感動作”という評価が定着している。そして、その浅田ワールドの真髄が、出版から10年以上の時を越え、ついに映画化された。1995年に第16回吉川英治文学新人賞に輝いた「地下鉄に乗って」である。
いつもの地下鉄を降りて、駅の階段を上ると、そこはオリンピックに沸く昭和39年の東京だった——。真次に突如訪れた、現実とも夢とも信じがたいタイムスリップ。真次は恋人みち子とともに過去に遡り、若き日の父と出会う。時空を超える旅を続けるうちに明らかになる父の信実の姿、そして真次とみち子の間に秘められたあまりにも切ない運命。それは2人の愛に、過酷な選択肢を突きつけるものだった・・・。この、日々の生活に狎れてしまったサラリーマンが経験する不思議なタイムスリップの物語は、ファンタジーであるのに、いや、ファンタジーだからこそ、人生の美しさと運命の儚さを、純粋に描き上げる。
今こそ、涙を溢れさせる夢を——。
国境を越えて、時代を超えて、永遠に変わらない人間のテーマ—親子の愛、そして男女の愛。どんなに世の中が移り変わっても、人派この愛に悩み、傷つき、それでもどれを求めずにはいられない。
突然タイムスリップしてしまう、主人公の真次とその恋人みち子。時を遡る旅で2人が出会うのは、憎み続けてきた父と、もう死んでしまった母。親としてではなく、ひとりの男、ひとりの女としての彼らと触れ合ううちに、真次とみち子が気付くこととは。そして更にその先に2人を待ち受ける、あまりにも切ない運命。その残酷なまでの運命に向き合いながらも、2人は本当の愛を求めていく・・・。
『地下鉄に乗って』は、時代を超えて絡み合う運命に翻弄されながらも、また再び胸を張って愛に生きようとする男女の姿を通して、人生の美しさを描く感動作である。
美しい人生を紡ぎ上げる、豪華スタッフ&キャスト。
人生、そして運命の意味を知る不思議な旅に迷い込む主人公真次に、冷静沈着な役から温かみのある役まで幅広い演技力を持ち、昨年の『ALWAYS 三丁目の夕日』で第29回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞ほか、数多くの賞を受賞している堤真一。切ない運命に真っ先に立ち向かおうとする真次の恋人みち子に、8歳で映画デビューした『陽炎』以来、確実にその演技力を伸ばしている注目の若手女優、岡本綾。昭和の世界で気丈に生きる真次の父の恋人お時には、今や日本を代表する映画女優となった常盤貴子。そして真次の父佐吉には、独特の存在感が高く評価され、大ヒット作への出演が相次ぐ大沢たかお。
また、篠原哲雄監督による繊細な人物描写によるドラマを、『殺人の追憶』の編集で韓国人700万人を驚愕させた”Ms.コリアン・シザーハンズ”キム・ソンミンが昇華させ、Mr.Childrenやレミオロメンを手がける小林武史が美しい戦慄で彩るなど、日本映画界最高の化学反応が、今ここに起ころうとしている。
平成が昭和に出会うとき。
幸せに生きる。豊かな国日本で、何も難しいことではないと思われてきたことに、今疑問が投げかけられている。一番身近で理解し合えていると思っていた親子、隣人、友人の間での事件が多発する今、私たちが失ってしまったものとは—。
映画『地下鉄に乗って』は、そんな時代の大きな意思に求められるかのように映画化された。本作で、平成に生きる主人公達が昭和に出会い気付くこと。それは「昔は良かった」というメッセージではなく、大切な人を理解することの難しさ、そして赦すことの大切さ。
そう、その地下鉄は忘れかけた何かを伝えようとしている。かすかな希望を温かいシートに乗せて・・・。
ストーリー
平成から昭和へ—
長谷部真次、43歳。小さな下着メーカーの営業マン。毎日同じように過ぎていく一日の仕事を終え、携帯の留守電を聞くと、父が倒れたというメッセージが弟から届いていた。入院がニュースになるほどの巨大企業を一代で立ち上げた父とは、高校卒業と同時に縁を切って以来、もう長らく会ってない。
伝言を消去し、家路に着こうとする真次。そういえば今日は若くして死んだ兄の命日だ。ここ最近頭から消し去っていた父のこと、兄のことを考え、過去に想いを馳せながら地下鉄の地下道を歩き始めた真次は、前方を横切る男が在りし日の兄に見えて、思わずあとを追いかける。その足取りが、ふと、止まった。目の前に広がっているのは、いつもの町並みではない。「東京五輪」と書かれた華やかな提灯、「東京五輪音頭」を鳴らしながら通り過ぎるちんどん屋、電気屋のカラーテレビで放映されている野球中継に集う人々、そして向かい側には「オデヲン座」と書かれた映画館があり、『キューポラのある町』の大看板が掛かっている。真次はハッとし、隣の若者が持っていた新聞の日付を見る。見出しは「東京オリンピックいよいよ開催」、日付は「昭和39年10月5日」。そう、そこは遠い過去の世界、真次が父や亡き兄の思い出と一緒に忘れようとしてきた、昭和39年の東京だった…。
スタッフ
監督:篠原哲雄
原作:浅田次郎
キャスト
堤真一
岡本綾
常盤貴子
大沢たかお
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