原題:The Jacket

2005年3月4日全米公開

2005年/アメリカ/カラー/103分/ 配給:松竹

2007年11月28日よりDVDリリース 2006年10月28日よりDVDリリース 2006年5月20日、東劇ほか全国ロードショー

公開初日 2006/05/20

配給会社名 0003

解説


■ 今、最も旬な人気スターふたりの初競演が実現!
 『戦場のピアニスト』でアカデミー賞主演男優賞に輝き、超大作『キング・コング』での熱演も記憶に新しいエイドリアン・ブロディ。『ラブ・アクチュアリー』『プライドと偏見』などで眩いばかりの輝きを放ち、その美貌と演技力にますます磨きがかかるキーラ・ナイトレイ。ハリウッドで今、一番勢いのあるふたりが出演を切望し、初競演を果たした話題作が『ジャケット』だ。
 1992年と2007年という2つの時を越えて、一組の男女が謎の死の真相を探るサスペンス・ドラマ。ラヴ・ロマンス、SF、ミステリーといった多様なジャンルの要素を含みつつ、過去と未来、記憶と幻想の境を描く斬新な世界観には、誰もが引き込まれずにいられない。その緻密にして意外性に満ちたストーリー展開と、めくるめくヴィジュアル・イメージは、通常のハリウッド映画の枠組みを軽々と超え、『メメント』『エターナル・サンシャイン』といった近年の先鋭的な個性派作品に匹敵するインパクトを観る者にもたらすはずだ。

■ “4日後に死ぬ”ことを運命づけられた男が、未来と過去を行き来しながら繰り広げる予測不可能な物語
 1992年、湾岸戦争で瀕死の重傷を負いながら、奇跡的に一命を取り留めたジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)。後遺症で記憶に障害をもつ彼は、殺人事件に巻き込まれ、精神病院に送られてしまう。そこで待ち受けていたのは、ある<ジャケット>を着せられ、死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的な治療。暗闇の中で意識を失ったジャックは、やがて15年先の2007年へとタイムスリップしていた。そこで彼はジャッキー(キーラ・ナイトレイ)という若いウェイトレスと出会い、自分が1993年1月1日に死亡したという驚愕の事実を知らされる。1992年の病院に引き戻されるたびにジャケットに身を包んで2007年を訪ね、自らの死の真相を探りあてようとするジャック。やがてジャッキーとかけがえのない絆で結ばれたとき、ジャックに残された時間はわずか4日間だった……。
 突きつけられる残酷な運命。断片的に甦ってくる失われた記憶。そして容赦なく迫りくる死へのタイムリミット。未来と過去を行き来するごとに登場人物を取り巻く状況が変化し、謎と真実が入れ替わるようにして浮かび上がるリアルな緊迫感がこもったストーリーから、ひとときも目を離すことができない。

これは、映画界を震撼させる事件。そして、ラスト10分。この上なく切ないエモーションが滲み出す─

■ 過去を失った男。未来を失った女。時を越えてふたりが出会う時、絶望は希望に変わる。
さらに、この奇想天外にしてスリリングなドラマの根底に流れているのは、限りなく死に近い極限状況でもがくジャックの生への渇望だ。ジャックが恋におちるジャッキーは、彼が1992年に偶然出会い、心を通わせた少女。あれから15年間、唯一の肉親である母を亡くし、辛い人生を歩んできたジャッキーは、美しく成長を遂げながらも孤独の影を宿している。本作は、そんな現在に絶望して生きるジャッキーと、彼女の運命を変えてあげたいと願うジャックが織りなす愛と希望の物語でもある。衝撃的でありながら、この上なく切ないエモーションが滲み出す結末を見届けた人々は、しばしその愛おしい余韻に浸ることになるだろう。
■ ソダーバーグ、クルーニー&英国アート界のヴィジュアル・クリエイターが仕掛けた独創的な野心作
寡黙ながらも情熱を秘めたジャックを繊細に演じきったエイドリアン・ブロディと、強さと儚さが同居するジャッキーの心情を見事に表現したキーラ・ナイトレイ。彼らをサポートする脇役陣も見逃せない。ジャックが収容される病院の医師たちに扮するのは、名優クリス・クリストファーソンと、実力派女優ジェニファー・ジェイソン・リー。そのほかピアース・ブロスナンの後を継ぐ6代目ジェームズ・ボンドに決定したダニエル・クレイグらの曲者が重要な役どころで登場する。
 充実のキャストのアンサンブルを指揮し、絶妙の話術を披露するのはイギリスの気鋭ジョン・メイブリーだ。画家ベイコンの伝記映画『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』で脚光を浴び、ザ・スミス、シンニード・オコナーといった大物ミュージシャンのビデオクリップを手がけてきた異能のクリエイターが、陰影に富んだスタイリッシュな映像世界を構築。なかでも闇の中に閉じ込められたジャックの脳裏をよぎる記憶の数々をヴィジュアル化した、サブリミナルなフラッシュ映像が観る者の感性を刺激する。
 ちなみにメイブリーに白羽の矢を立てたのは、あのスティーヴン・ソダーバーグ。彼は盟友ジョージ・クルーニーとともに、本作のプロデューサーを務めている。そう、この『ジャケット』は、『オーシャンズ12』『シリアナ』『グッドナイト&グッドラック』など矢継ぎ早に斬新な快作を世に送り出し、映画界に新風を吹き込むソダーバーグ&クルーニーのプロダクション〈セクション・エイト〉が放った野心作なのである。

ストーリー



1992年…
湾岸戦争に従軍したアメリカ人兵士ジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)が、頭に銃弾を浴びて生死の境をさまよう。
奇跡的に一命を取り留めた彼は、故郷の町ヴァーモントに帰ってくる。ある厳寒の冬の日、ヒッチハイクで旅するジャックは車の故障で立ち往生している母子と出くわした。
シングルマザーのジーン(ケリー・リンチ)は道ばたで酔いつぶれており、ジャックは彼女の幼い娘ジャッキーと言葉を交わしながら車を修理してやる。
素直で愛くるしいジャッキーと心を通わせたジャックは、彼女に自分の名前が刻まれたドッグ・タグ(認識票)をプレゼントするのだった。
ジャックが悪夢のような出来事に遭遇したのは、ジャッキーらと別れてまもなくのことだった。
カナダ国境に向かう若者の車に乗せてもらったジャックは、その道中、事件に巻き込まれて意識を失ってしまう。
気がつけば彼は警官殺しの罪で逮捕され、裁判にかけられていた。心神喪失と
診断されて刑務所送りを逃れたジャックは、アルペン・グローブ精神病院に移送される。 この施設でジャックを待ち受けていたのは、ベッカー医師(クリス・クリストファーソン)による実験的な矯正治療だった。
身体拘束用の〈ジャケット〉を着せられたジャックは、地下の死体安置所の狭い引き出し棚に閉じ込められてしまう。
湾岸戦争や警官が殺されたときの忌まわしい記憶の断片が脳裏をよぎったジャックは、密閉された暗闇の中で想像を絶する恐怖を味わうはめになる。
そしてクリスマス・イヴの日、再びジャケットを着せられたジャックの意識は、未来へと向かう……。

2007年…
なぜかジャックはヴァーモントの町のさびれたレストランの前で、ポツンと立ちつくしていた。
勤務を終えてレストランから出てきたウェイトレスの女性は、コートも羽織らず寒風にさらされるジャックを見かね、彼を自宅に招き入れてやる。
その女性は若く美しいにもかかわらず、酒をあおり、荒れた部屋で、クリスマス・イヴを独りで過ごそうとしていた。
ぎこちなく会話を交わし、少しずつ和やかな雰囲気になるふたり。やがて彼女が寝入ったとき、ジャックは驚くべきものを発見する。
それはかつてジャックがジャッキーという少女に手渡した名前入りのドッグ・タグ(認識票)と、ジャッキーと母親ジーンの姿が写った写真だった。
何とジャックの目の前で眠っている女性は、大人へと成長を遂げたジャッキー(キーラ・ナイトレイ)だったのだ!
ジャッキーを揺さぶり起こしたジャックは、自分が今2007年の世界にいること、すでにジーンが火事で焼死したことを聞き出す。
そして自分の名前を明かすと、それを信じようとしないジャッキーから
「ジャック・スタークスは1993年の1月1日に病院で死んだのよ!」というショッキングな言葉を聞かされる……。

1992年…
未来から引き戻され、死体安置所で目覚めたジャックは、
風変わりな患者仲間のルーディー(ダニエル・クレイグ)、
女医ローレンソン(ジェニファー・ジェイソン・リー)との交流を持ちながら、
ジャッキーから告げられた自らの死の真相を探ろうと決意する。
自分を異常者扱いするベッカー医師の前でわざとエキセントリックに振る舞ったジャックは、
思惑通りに例のジャケットを着せられ、死体安置所に閉じ込められる。
ジャックの脳裏にあの警官殺しの記憶がすべて甦った次の瞬間、彼は未来への2度目の旅に出る……。

1992‐2007 着ると運命が見える。
2007年…
レストランを訪ねたジャックは、ジャッキーに改めて自分の素性を語り、
まだ半信半疑の彼女の協力を得てアルペン・グローブ精神病院へと向かう。甥だと嘘をつき、病院関係者に探りを入れるジャック。
すでにルーディーはこの世を去っており、現在もこの病院で働いているローレンソン医師は多くを語ろうとしない。
謎を解くには、消息不明になっているベッカー医師を見つけ出すほかはなかった。
ひたむきなジャックと行動を共にするうちに、いつしかジャッキーは彼が1992年からタイムスリップしてきたことを疑わなくなっていた。
ごく自然に愛を交わし、固い絆で結ばれたふたり。しかしジャックに残された時間はわずかだった。自分に死が訪れる日まで、あと4日。
なおもジャックは1992年と2007年を行き来し、自分とジャッキーの未来を切り開くために必死の奔走を繰り広げていく……。

スタッフ

監督 : ジョン・メイブリー
脚本 : マッシー・タジェディン
ストーリー : トム・ブリーカー、マーク・ロッコ
製作 : ピーター・グーバー
ジョージ・クルーニー
スティーヴン・ソダーバーグ
撮影監督 : ピーター・デミング
編集 : エマ・E・ヒッコクス
美術 : アラン・マクドナルド
衣装 : ダグ・ホール
音楽 : ブライアン・イーノ

キャスト

ジャック・スタークス : エイドリアン・ブロディ
ジャッキー・プライス : キーラ・ナイトレイ
ベッカー医師 : クリス・クリストファーソン
ローレンソン医師 : ジェニファー・ジェイソン・リー
ジーン・プライス : ケリー・リンチ
見知らぬ若者 : ブラッド・レンフロ
ルーディー・マッケンジー : ダニエル・クレイグ

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