原題:September Tapes

9/11から1年、 真実を追った取材班がアフガンで消息を絶った。 残されたのは一本のテープ…

2004年/アメリカ/35mm/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/95分 配給:アート・ポート、ギャガ・コミニュケーションズ

2007年03月21日よりDVDリリース 2007年02月23日よりDVDリリース 2006年9月30日、シアターN渋谷にてロードショー

(C)2004 Project Complex,LLC

公開初日 2006/09/30

配給会社名 0014/0025

解説


 「ブッシュよ、何を隠している?」
 9.11テロの1年後、クリスチャン・ジョンストンら5人のフィルムメーカーがいまだ紛争真っ只中のアフガニスタンで撮影を敢行。アメリカ国防総省が提出を求めたその映像には、ニュースでも見たことのない現実が映っていた。なお、8時間分の映像は今も押収されたままである……。

映画に登場するのは、本物の銃、本物の報償金ハンター、本物の武器ディーラー、本物のインタビュー……。ときには本物の銃弾がカメラの横を飛び交うことさえある。映画のあらすじは予め作られていたが、情勢の不安定なアフガニスタンでは何が起こるか予測不可能。たとえ主演俳優が決められたセリフをしゃべったとしても、相手がどう返してくるかもわからない。スタッフにできることは、とにかく如何なる状況でもカメラを回し続ける、それだけだった。ドキュメンタリー映画と変わらない圧倒的なリアリティはこうして生まれた。

 9.11以降、我々の中東に関する意識は高まり、ニュースを通して様々な映像を目にしてきた。しかし、クリスチャン・ジョンストン監督は、それらの映像は表面的なものに過ぎないと警告する。「外国人ジャーナリストの多くはホテルから一歩も出ることなく、地元の人間に写真を撮ってこさせているだけなんだ」。ジョンストン監督らスタッフは、ニュースでは決して報道されることのない真実を捉えるために、他のジャーナリストが足を踏み入れることのない危険な場所へと赴いた。武器ディーラーとの闇取引、戒厳令下での夜間外出、アルカイダの残党と報償金ハンターらが蠢く南部へと……。映像が明らかにするのは、危険極まりないアフガンの情勢と、それに怯えながら、死と隣り合わせの日常生活を送る住民の姿。彼らもまた、9.11テロによって人生を大きく変えられた被害者なのだ。

 監督は、長編映画、ドキュメンタリー、CM、ミュージックビデオを手がけるクリスチャン・ジョンストン。『セプテンバー・テープ』では脚本と製作も兼任し、プロジェクトのリーダーとして危険な撮影を牽引した。主人公のドン・ラーソン役は、スピルバーグ製作のTVシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」などで活躍するジョージ・カリル。そして、通訳のワリ・ザリフ役は、ハリウッドで唯一のアフガン系アメリカ人、ワリ・ラザキ。ラザキの家族は以前カブールで暮らしていたことがあり、政府官僚や北部同盟の指揮官とのコネクションが撮影で大いに活用された。彼の存在なくして、撮影を無事に終えることはできなかっただろう。

 我々を混乱させるのは、どの部分がフィクションで、どの部分がノンフィクションなのか、ということだけではない。ビン・ラディン、ブッシュ、アルカイダ、タリバン、北部同盟……何が正しくて何が間違っているのか? 正義と悪の境界線は? 劇中で主人公のドン・ラーソンに突きつけられた疑問は、そのまま我々観客にも投げ掛けられてくる。あなたはそれにどう答えますか?

ストーリー



アフガニスタンの国境近くで8本のビデオテープが発見された。オサマ・ビン・ラディンの行方を探るためにアフガニスタンへと渡り、その後消息を断っていたアメリカ人ドキュメンタリー監督、ドン・ラーソンのものだった。
 9.11テロによって「すべてを失った。自分さえも見失っている」と語るラーソンは、アメリカ政府による渡航禁止令を破って、アフガニスタンの首都カブールへと乗り込んでいた。同行していたのはカメラマンのソニーとアフガン系アメリカ人の通訳ワリ。到着前日にはアフガニスタンの副大統領が暗殺され、不安定な情勢はさらに危険度を増し、街には銃を持った人間が溢れていた。
 取材を始めたラーソンは、ビン・ラディンと敵対する北部同盟の重要人物たちのインタビューに成功するが、同時に様々な困難と厳しい現実がのしかかる。武器ディーラーとの闇取引、警察の検問による逮捕……。何より、テロリスト同様にアメリカ人の首にも報償金が賭けられているという事実にラーソンは愕然とする。しかし、それでもラーソンの固い決意は揺らぐことなく、報償金ハンターに同行して、ビン・ラディンが潜んでいるといわれるパキスタンとの国境沿いへと向かう。そこでは、戦地さながらの銃撃戦が繰り広げられていた……。

スタッフ

監督:クリスチャン・ジョンストン
脚本:クリスチャン・ジョンストン、クリスチャン・ヴァン・グレッグ
製作:ワリ・ラザキ、クリスチャン・ジョンストン、ジョージ・カリル、
マシュー・ローズ、ジャド・ペイン、ピーター・ファインストン、
クリスチャン・ヴァン・グレッグ
製作総指揮:ブレント・ヘンリー、ケビン・ローヘリー・ジュニア、ドン・セーレー
音楽:ガナード・ダボゼ

キャスト

ジョージ・カリル
ワリ・ラザキ
サナイル・サダランガニ

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