原題:The King

懺悔しよう、愛のために。

第58回カンヌ映画祭「ある視点」部門、第49回ロンドン映画祭正式出品作品 第15回フィラデルフィア映画祭最優秀アメリカン・インディペンデントフィルム賞受賞

2005年/アメリカ・イギリス/カラー/105分/ 配給:メディアスーツ

2007年05月02日よりDVDリリース 2006年11/18(土)、アミューズCQNにてロードショー

公開初日 2006/11/18

配給会社名 0006

解説


彼が犯すのは、悪魔さえ怯える、究極の罪。
旧きアメリカの慣習が色濃く残る南部の町に現れた、天涯孤独の美しい青年。彼の目的は、まだ見ぬ父に会い、家族として祝福されること。しかし、その期待が裏切られたとき、青年は、恐ろしい悲劇の遂行者へと変貌する。
彼をかきたてるのは、愛への渇望か?それとも、純粋なる悪の力なのか…?

ガエル・ガルシア・ベルナルの強烈なダークサイド、
妬けるほどに絶妙なキャスティング。
最悪のタブーを冒すアンチヒーロー、エルビスを、美しくも空虚、そして暴力性を秘めた表情で演じるのは、『アモーレス・ぺロス』でスクリーン・デビュー以来、『天国のロ、終りの楽園。』『バッド・エデュケーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』とヒット作のタイトルロールを次々にこなすラテン系No.1俳優、ガエル・ガルシア・ベルナル。今回は、名作『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンに匹敵する危険なセックスアピールを発し、この難役を圧巻の演技で魅せる。本作で英語圏映画初主演を果たし、名実ともに世界的スターの座を手に入れた彼は、今後も『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督の新作「The Science of Sleep」(原題)に主演、「Babel」(原題)ではブラッド・ピット、役所広司と共演するなど話題に事欠かない。そして、因縁の父デビッドを4度のアカデミー賞候補を誇る名優ウィリアム・ハートが、苦悩する妻を『マルホランド・ドライブ』の黒髪の美女ローラ・ハーリングが演じ、濃密なドラマを支える。マレリー役にはジム・ジャームッシュ監督の『ブロークン・フラワーズ』で印象的な役を演じ第二のスカーレット・ヨハンソンとの呼び声高い期待の新鋭ペル・ジェームズ。また、ボブ・ディラン、ドリー・パートン、フレディ・フェンダーらの名曲が、ミステリアスな主人公の心情を不気味な正確さで代弁し、観る者の肌をざわつかせる効果を担っている。

現代社会の偽善と妄想が暴かれる、
スキャンダラスで冷酷な寓話。
監督は、マーヴィン・ゲイやエルビス・プレスリーの知られざる側面を追求した異色のドキュメンタリー作品で数々の受賞歴を持つジェームズ・マージュ。脚本は、ハル・ベリーが黒人女優初のアカデミー賞主演女優賞を受賞し映画界を騒然とさせた『チョコレート』で自身もアカデミー賞オリジナル脚本賞候補となったミロ・アディカ。若き鬼才コンビの数年来の企画により、スキャンダラスなサスペンス・ドラマが誕生した。”父子の対立””肉親への愛と憎しみ”という、ギリシャ神話「オイディプス王」や聖書の挿話「カインとアベル」が代表する、古くから語り継がれてきた永遠のテーマを、本作はさらに、アメリカ的幸福に潜む闇を突く現代の寓話へと、見事に昇華させている。

ストーリー





海軍を退役した青年、エルビス・バルデレス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、メキシコ人の亡き母から聞かされていた父親に会うため、深夜バスに乗り、テキサス南部の町”コープス・クリスティ”に降り立った。

父デビッド・サンダウ(ウィリアム・ハート)は、今では牧師になり、「新しい家族」—美しい妻トゥワイラ(ローラ・ハーリング)、神学を専攻する優秀な息子ポール(ポール・ダノ)、純真な娘マレリー(ペル・ジェームズ)とともに裕福な暮らしを営んでいた。

エルビスは、なけなしの金で中古車を買い、ピザのデリバリーの仕事に就き、町はずれの小さな部屋を借りる。日曜のミサが行われている父の教会に乗り付けたエルビスは、マレリーと偶然出会い、妹とは知らずに言葉を交わす。

ミサが終り、エルビスはデビッドとその家族に対面するが、デビッドにとって、突然現れた息子は汚れた過去を象徴する存在だった。困惑したデビッドは、曖昧な約束だけを交わしてエルビスを追い払うのだった。

しかしエルビスは、腹違いの兄妹であることを承知で、ひそかにマレリーを誘惑する。事実を知らないマレリーは彼の魅力の虜になってしまう。禁じられた関係は深まり、二人はついに血縁のタブーを冒す。

その事実に気づいた者は、ポールだけだった。

そして、エルビスの手によって、デビッドが築いた完壁な家庭に、不吉な波紋が広がり始める…。

スタッフ

監督:ジェームズ・マーシュ
脚本:ミロ・アディカ、ジェームズ・マーシュ
製作:ミロ・アディカ、ジェームズ・マーシュ
製作総指揮:エドワーソ・R・プレスマン、ジョン・シュミット、ソフィア・ソンデナン
撮影監督:イージル・ブリルド
プロダクション・デザイン:シャロン・ロモフスキー
セット:サリー・ニコラス・ハミルトン
衣装デザイン:リー・ハンサカー
ヘア&メイクアップ:カトリーヌ・コンラッド
キャスティング:ホプキンス、スミス、バーデン
音楽:マックス・エイブリー・リヒテンスタイン
編集:ジンクス・ゴッドフリー
ミュージック・スーパーバイザー:バド・カー

キャスト

ガエル・ガルシア・ベルナル
ウィリアム・ハート
ペル・ジェームズ
ローラ・ハーリング
ポール・ダノ
ミロ・アディカ

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