原題:VARSITY BLUES

誰にでも忘れられない仲間たちがいる—— そしてあの仲間たちとの最高の思い出は、いつまでも心の中に…

1999年/アメリカ映画/105min/UIP配給/パラマウント映画、MTV

2000年4月28日よりビデオレンタル開始 1999年10月9日よりニュー東宝シネマ他 全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 1999/10/09

配給会社名 0081

解説

誰にでも忘れられない仲間たちがいる——そしてあの仲間たちとの最高の思い出は、いつまでも心の中に…
名門校フットボールチーム“コヨーテズ”の若者たちが、学園生活の中で、“フットボール”というスポーツを通して経験する周囲からのプレッシャー、ほろ苦い体験から生まれる心の葛藤、そして堅い友情で結ばれ成長していく姿を、描いた青春ドラマの名作である。
テキサス州、ウェストカナン高校のフットボールチーム、“コヨーテズ”。地元では、過去22回の地区優勝と2度の州大会優勝を遂げている最強チームだ。そして、30年間コーチをつとめ、チームを優勝に導いてきたのが鬼コーチのバド・キルマーだ。権威主義者キルマーの「勝つためには手段を選ぶな」というやり方は、町の信頼を強く受けていたが、一方ではキャプテンでクォーターバックのランスを始め、チームメイトの身体をぼろぼろにするなどの悪影響を及ぼし、このままでは選手の寿命にまで影響を与えることに。チームはこうした状況下で23度目の地区優勝をあきらめつつあった。
だが、そんなチームの危機を救ったのが、控えのクォーターバック、ジョナサン・モックスだった!キルマーに真っ向から抵抗するモックス。それは単に自分のためだけでなく、信頼するチームメイトのために、そしてヒーローとなり、最後に掴むであろう誰にも奪えない僕らの思い出の日のために…
この若者たちが共感し、感動するストーリーを手掛けたのはあのMTV。世界中のミュージックファンのバイブル的テレビ・ステーションであるMTVが、パラマウント映画とのジョイントを実現させ、作られた映画が『バーシティ・ブルース』である。
今までもティーンエイジャーたちに多大なる影響を与え続けてきたMTVが製作したこの作品は、全米で公開されるや2週連続NO.1の興行収入を記録した。全米で人気の若手スターとアーティストたちによる、スピード感あるビジュアルと音楽が、若い世代に受け入れられ、映像分野に新たな旋風を巻き起こすこととなったのだ。
そしてその若い世代が共感した主役のキャストたちを、アメリカで人気沸騰中の若手スターたちが演じた。主役のモックスを演じるのは、ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク。彼はアメリカの人気テレビシリーズ『DAWSON’S CREEK』で主役を演じ、雑誌の表紙を飾るほどの、今アメリカで絶大な人気を誇る若手スターの一人なのだ。チームでリーダーシップをとるヒーロイックな演技は、若手のハートを掴むことだろう。チームの花形クォーターバック、ランスに『カラー・オブ・ハート』のポール・ウォーカー。デブで頑丈だが繊細なところがあるオフェンスラインのビリーボブに、映画、テレビ、舞台にとマルチな活躍をしているロン・レスター。陽気なキャラクターだが悪ノリしたら止まらないトゥイーダーに『エネミー・オブ・アメリカ』のスコット・カーン。ウェンデル役には、実際にプロでランニングバックとして活躍し、今回が役者としてデビューを飾ったエリエル・スウィントンが演じている。また、モックスの彼女ジュールスを『スターシップ・トゥルーパーズ』のエイミー・スマートが、チアリーダーのドーシーをモデル出身のアリス・ラターが演じ、男だらけの映画に花を添えてくれた。そして彼らのチーム“コヨーテズ”の鬼コーチ、バド・キルマー役に『ヒート』『ミッション・インポッシブル』のジョン・ボイトが本作でも迫力ある演技を披露し、脇を固めている。
スタッフも若い才能の持ち主たちが結集した。監督と製作を手掛けたのは、テレビ界で活躍し、彼にとってはこの映画が初めてのメジャー作品となったブライアン・ロビンス。本作で一緒に製作を担当したマイク・トーリンと“トーリン/ロビンス”という製作会社を設立している。もう一人の製作者に『ニクソン』『ダイハード3』『エビータ』といったヒット作を手掛けたトーヴァ・ライター。製作総指揮には、MTVフィルムズの副社長であるデビッド・ゲールと、MTVプロダクションズ社長のヴァン・トフラー。脚本にハリウッドきっての有名脚本家の一人で『ハートブルー』『パトリオット・ゲーム』などのヒット作を生み出したW・ピーター・イリフ。撮影には『ザ・エージェント』『ウォーター・ボーイ』などでもフットボールを題材にした映画を撮っているベテランのチャールズ・コーエン。編集は『リチャードを探して』のネッド・バスティーユ。衣装は『ピアノ・レッスン』のウェンディ・チャック。そして音楽には、グラミー賞やエミー賞に輝き、『リバー・ランズ・スルー・イット』でアカデミー賞にノミネートされた映画音楽界の大御所マーク・アイシャムがスコアを手掛け、バックで流れる軽快なサウンドを、グリーンデイ、フー・ファイターズ、オフスプリング、そしてヴァン・ヘイレンたちが提供している。

ストーリー

テキサス州ウェストカナン高校のフットボールチーム“コヨーテズ”。2度の州大会優勝、22回の地区大会優勝という輝かしい伝統を誇る“コヨーテズ”は、23回目の優勝を狙うべく初戦となる今晩の対ビングル戦を前に、校内で応援集会が大勢のサポーターに囲まれ行われていた。壇上では、30年間ウェストカナンのコーチを務め、輝かしい成績を収め、銅像が作られるほど、地元の信頼を集めているバド・キルマー(ジョン・ボイト)とキャプテンでクォーターバックのランス・ハーパー(ポール・ウォーカー)が、今日の勝利を宣言していた。ジョナサン・モックス(ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク)は、そんなランスの控えクォーターバック。試合に出ることなどほとんどない。ボールに触れるのは、ボールが目の前に転がってきた時に審判に渡すくらい。でも、モックスにとっては、この町の異様なフットボール熱から自分を冷静に見つめるには今の状況は十分だった。今シーズンが済めば、フットボールを辞めて、ブラウン大へ進学するつもりでいた。
対ビングル戦も、ランスの活躍により、コヨーテズは勝利をおさめ、その日の祝勝パーティは盛り上がった。ランスは恋人ドーシー(アリ・ラーター)と、アツアツの一時を過ごし、気が優しく陽気なビリー・ボブはハイに酔っ払い、お調子者のトゥイーダー(スコット・カーン)は裸になり、パトカーを盗み暴走してしまう始末。かくいうモックスも恋人のジュールス(エイミー・スマート)とそんな光景を眺め、楽しんでいる。その時しかない輝きが、そこにはあった…コーチのキルマーは、地元の信頼は厚いが、勝つことしか頭になく、権威主義で選手の事など全く考えず、チーム内では大不評。モックスは何かにつけ無視され、ウェンデル(エリエル・スウィントン)は黒人ということで、肝心なタッチダウンをさせてもらえない。ランスも連戦による使い過ぎで、膝に爆弾を抱えていた。その日コーチは前回の試合で、頭を強打した後遺症でフラフラ状態のビリー・ボブを、試合に出させようとしていた。
そしてグリーンビル戦が始まった。試合は21対17の接戦でグリーンビルがリード。
苦戦の理由は、誰が見ても辛そうなビリー・ボブの怪我が影響していた。彼を気遣い見かねたモックスは、キルマーに交代を求めるが、「お前はひっこんでろ」と一蹴される。そして試合が進むにつれ、チームに悲劇が起きる。クォーターバックのランスをディフェンスするビリー・ボブが、試合中に意識を失い、ランスが敵のタックルをもろに受け、膝の大怪我をしてしまう。静まりかえる場内。運命は突然やってきた。ランスに代わりモックスが抜擢された。「あいつじゃダメだ」の観客の野次を尻目に試合に出るモックス。コーチの指示に従わず、自分のやり方で試合をすすめ、いきなりの40ヤードパスを成功させ、最後には自ら逆転のタッチダウンでチームを勝利に導く。
この日から、モックスの生活は一変する。新聞の一面には彼の顔、店の人はおごってくれるし、ランスの恋人であるはずのドーシーまで誘惑してくる。そしてドーシーにキスをされているモックスを見たジュールスは、少し寂しい思いで見つめていた。
ある日、モックスは退院したランスと、ビリー・ボブ、トゥイーダー、ウェンデルを飲みに誘った。ランスはモックスに対し、レギュラーを取られたことなど気にせずに、素直に感謝し、改めてモックスとの友情を分かち合った。盛り上がったみんなは、朝まで飲み明かした。次の日に試合があるにもかかわらず…。
そして試合の時間が近づくが、お酒が抜けないモックスたちはミスの連発。勝てる相手にまさかの敗戦。キルマーの激が飛び、その怒りはビリー・ボブに向けられる。「今日といい、ランスの怪我といい、お前のせいで今シーズンは台無しだ!消えろ!」と。
その夜、ビリー・ボブは、彼の愛豚ベーコンをモックスに預け、姿を消す。ビリー・ボブを探すモックス。するとビリー・ボブは一人グラウンドで傷ついていた。そんな彼をモックスは、「あと残り1試合、お前が必要だ。俺を守ってくれ」と優しく慰める。
優勝を決めるギルロイとの試合が近づく。そんな中、ブラウン大の合格通知がモックスの手元に届いた。喜ぶモックスだが、父親(トーマス・ダフィー)は、最終戦のギルロイとの試合で頭がいっぱいらしい。さらに試合前日、キルマーがモックスに「最後の試合は俺の指示通りにしろ!」と一言忠告した。逆らえば、それは、すでに決まっているブラウン大への推薦がなくなるということだった。仲がこじれていたジュールスに、胸の内を相談するモックス。そんな彼に、彼女は優しくアドバイスする。「黙ってヒーローになって」と…。

スタッフ

監督:ブライアン・ロビンズ

キャスト

ジョナサン・モックス:ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
バド・キルマー:ジョン・ボイト

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