原題:Oliver Twist

本国アメリカにて2005年9月30日公開予定

配給:東芝エンタテインメント 共同配給:東宝東和

2006年06月30日よりDVDリリース 2006年1月28日、日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

(C) 2005 Oliver Twist Productions LLP

公開初日 2006/01/28

配給会社名 0008/0002

解説


◇アカデミー賞に輝く『戦場のピアニスト』の名匠ポランスキー監督が、〈未来〉を生きるすべての人々に贈る最高の感動巨編!

カンヌ映画祭パルムドール、アカデミー監督賞を始め、数々の栄誉に輝き、世界中の観客に深い感動を与えた『戦場のピアニスト』から3年、全世界が注目する名匠ロマン・ポランスキー監督の待望の最新作がいよいよヴェールを脱ぐ!
『戦場のピアニスト』で自らの少年時代の戦争体験という〈過去〉に向き合ったポランスキー監督が、次に目を向けたのは〈未来〉だった。これからの世界を創っていく人たちに対して、何を、どんなストーリーを伝えなければならないだろうかそう考えたポランスキー監督が、最新作の素材として選んだのは、「クリスマス・キャロル」「二都物語」「大いなる遺産」などで知られる19世紀英国の文豪チャールズ・ディケンズの名作「オリバー・ツイスト」だった。
これは天涯孤独の少年オリバーが、押し寄せる幾多の苦難に会いながら、その純粋な心を失うことなく本当の幸せをつかむまでを描いた感動の物語。タフな悪漢たちが跋扈する19世紀ロンドンのバックストリートに放り込まれながら、まるで泥の中で花を咲かせる蓮の花のように、決して悪に染まることなく生きてゆくオリバー。無垢な少年が引き起こす感動のドラマに託されたポランスキー監督の、これから〈未来〉を創りあげていく人々への思いが、再び世界中の観客の魂を揺さぶることだろう。

◇オリバーを演じる11才の天使
バーニー・クラークの奇蹟の演技!さらに英国を代表する超一流キャストが勢揃い!

穢れない澄んだ瞳を持ち、天使のような繊細な表情を見せるオリバー役は、新星バーニー・クラーク。当時11才だった彼は、オーディションでポランスキー監督の心をつかみ、初の大役を獲得した。バーニーは健気で真摯な存在感を発揮し、並居る俳優たちの中においても観る者全ての目を惹きつける。その天性の魅力は、かつて史上最年少でアカデミー賞を受賞したテータム・オニールを思わせると評されている。
スリの名人アートフル(早業)・ドジャー少年を演じるのはベルリン映画祭マンフレート・ザルツゲーバー賞、英国インディペンデント映画賞新人賞などを受賞している14歳のハリー・イーデン。
もうひとりの主役とも言える、かつてロン・チェイニー、アレック・ギネスといった超個性派の名優たちが演じたフェイギンに扮するのは、『ガンジー』でアカデミー賞を受賞した名優サー・ベン・キングズレー。本人とわからないほどの凝ったメイクと演技で話題を呼んでいる。
非情な悪漢ビル・サイクス役には『エリザベス』『スリーピー・ホロウ』のジェイミー・フォアマン。その情婦で心優しいナンシーを演じるのは『ジェーン・エア」のリアン・ロウ。また、『ジャッカルの日』『ラブ・アクチュアリー』のベテラン、エドワード・ハードウィックがオリバーの庇護者となるブラウンロー氏を演じるなど、英国の映画・TV・演劇界を代表する実力派俳優たちが強烈な個性のキャラクターたちを演じている。

◇いつかきっと訪れる幸せを信じ、まっすぐに生きていく少年オリバー
その剥くな魂の軌跡が胸を震わせる!

19世紀・英国で孤児として育った9歳のオリバー少年。わずかな食事のおかわりを求めたばかりに救貧院を追放された彼は、奉公先でも理不尽ないじめに遭い、とうとうそこを逃げ出してしまう。
オリバーが目指したのは大都会ロンドン。だが100キロ以上の道のりをたったひとりで一週間歩き通し、やっとロンドンにたどり着いた時、彼は飢えと疲れで一歩も動けなくなっていた。そんな彼を助けてくれたのは、愉快な悪党フェイギン老人のもとで働いているスリの少年ドジャーだった。フェイギンに迎えられたオリバーは、スリ仲間の少年たちや心優しい女たちの中で、生まれて初めて、家族のような暖かさを味わう。
しかしそれも束の間、オリバーは彼の運命を大きく変える恐ろしいたくらみに巻き込まれてゆく—–。

◇製作費80億円!
『戦場のピアニスト』のスタッフが再び集結し、圧倒的スケールで19世紀のロンドンを再現!

メイン・スタッフには製作のロベール・ベンムッサ(『赤い航路』『ハイテンション』)、アラン・サルド(『マルホランド・ドライブ』『ライフ・イズ・ミラクル』)、ポランスキー以下、『戦場のピアニスト』のチームが再び結集した。
撮影監督はアンジェイ・ワイダ監督の『パン・タデウシュ物語』やアカデミー作品賞ノミネート作『Ray/レイ』を手がけたパヴェル・エデルマン。『戦場のピアニスト』の撮影ではセザール賞、ヨーロッパ映画賞など数々の映画賞を受賞した。
衣装デザインは『シンドラーのリスト』『戦場のピアニスト』で二度アカデミー賞にノミネートされているアンナ・シェパード。プロダクション・デザインは『シンドラーのリスト』でアカデミー賞、『戦場のピアニスト』でセザール賞を受賞したアラン・スタルスキ。
編集のエルヴェ・ド・リューズは『戦場のピアニスト』でアカデミー賞にノミネートされている他、『恋するシャンソン』でセザール賞受賞経験を持つ。映像と一体化した美しい音楽は、『E㎜aエマ』でアカデミ賞作曲賞を受賞したレイチェル・ポートマン。
また『戦場のピアニスト』でアカデミー脚色賞を受賞したロナルド・ハーウッドが、今回もその手腕をいかんなく発揮し、膨大な原作を詩情豊かな脚本にまとめあげている。
製作費は『戦場のピアニスト』の倍以上の80億円を投入し、プラハのバランドブ撮影所に19世紀ロンドンの街並みを忠実に再現する一大オープン・セットを建設。CGに頼らないリアル感と圧倒的スケール、そしてディテールにまでこだわった本物志向が本作に重厚で深みのある風格を与えている。

ストーリー



19世紀、英国。養育院で育った孤児オリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)教区吏のバンブル氏(ジェレミー・スウィフト)に連れられて、自分の生まれた救貧院へ戻される。9歳に達した彼は、これからはここで他の子どもたちと一緒に寝起きし、麻屑作りの労働に従事するのである。
救貧院の制度が新しく変わって以来、食事はあまりにも粗末なものになっていた。空腹を抱えた子どもたちは何ヶ月も耐えた末、遂に、お粥のおかわりを要求する者をくじ引きで選ぼうと決める。貧乏くじを引いたのはオリバーだった。夕食の席でおずおずとおかわりを求めた彼は、憤慨した救貧院の委員たちから追放処分を受けることになる。
10歳になったオリバーを引き取ったのは葬儀屋のサワベリー氏(マイケル・ヒース)だった。彼は、美しく哀しげな表情をしたこの少年が葬儀のお供の役目に適任と考える。だがこの抜擢はもうひとりの徒弟ノア・クレイポール(クリス・オーヴァートン)の敵意を買う。ある日、亡くなった母親のことをノアに侮辱されたオリバーは、思わずかっとなり、人が変わったように殴りかかった。恐妻家のサワベリー氏は、オリバーのことを快く思わない夫人に睨まれて、やむなくオリバーに鞭をふるうのだった。

翌朝早く、オリバーはこっそりサワベリー家を出て行った。行く当てはなかったが、道端の里程標に刻まれた“ロンドンまで70マイル”の文字が彼の心を決めさせた。大都会ロンドンへ出れば運が開けるかもしれないと考えたのだ。
7日間歩き通した末、やっとロンドン郊外までたどり着いた時、オリバーにはもう立ち上がる元気も残っていなかった。そんな彼に声をかけてきたのが、シルクハットをかぶり大人のような妙な身なりをした少年、アートフル・ドジャー(ハリー・イーデン)である。彼はオリバーにかすめとったパンを食べさせると、ただで泊まれるところがあると言って、ロンドンの裏通りにある家へと連れて行った。主のフェイギン(ベン・キングズレー)はおどけた仕草で歓迎の意を示すと、賑やかな夕食の席にオリバーを招く。こうして彼のロンドン生活が始まった。
ドジャーと仲間の少年たちは毎日のようにどこからかハンカチや財布を手に入れてくる。だが彼らの“仕事”の中身について、オリバーは何も知らされなかった。フェイギンは、少年たちが彼のポケットのハンカチや時計を気づかれないように抜き取る“ゲーム”でオリバーを大喜びさせる。

オリバーの“ゲーム”の腕が上達した頃、ようやく彼はドジャー、チャーリー・ベイツ(ルイス・チェイス)と一緒に外出する許可を得る。本屋で立ち読みをしている紳士に目を留めるドジャーとチャーリー。次の瞬間、二人が紳士のポケットからハンカチを抜き取るのを見て、オリバーは初めて彼らの“仕事”を理解した。その時、本屋の店主が「泥棒だ!」と叫ぶ。慌てて走り出したオリバーは、街中の人たちに追いかけられた末に捕えられ、法廷に突き出されてしまう。すっかり青ざめ、遂には気を失って倒れてしまうオリバー。だが駆け込んできた本屋の店主が人違いだと証言し、彼の容疑は晴れる。
ハンカチをすられた紳士、ブラウンロー氏(エドワード・ハードウィック)は親切な人柄で、倒れたオリバーを自宅に連れ帰ると、家政婦のべドウィン夫人(フランシス・キューカ)に手厚く看病させるのだった。その頃フェイギンと悪党仲間のビル・サイクス(ジェイミー・フォアマン)は、警察に捕まったオリバーが密告するのではないかと恐れ、ビルの情婦ナンシー(リアン・ロウ)に行方を探らせていた。
オリバーがすっかり健康を回復したある日、ブラウンロー氏は彼に5ポンドを持たせ、使いを頼む。だがオリバーはそのまま戻っては来なかった。通りで待ち伏せしていたビルとナンシーに捕まり、フェイギンのもとに連れ戻されてしまったのだ。
ビルは仲間のトビー・クラキット(マーク・ストロング)と一緒にブラウンロー邸に押し入る計画を立てる。それにはオリバーの助けが必要だった。銃で脅され、仕方なく協力するオリバー。だがブラウンロー氏が侵入者の物音に気づいたため、計画は失敗。混乱の中、オリバーは腕を撃たれてしまう。逃げ帰る途中、ビルはオリバーを川に放り込もうとするが、過って自分が川に落ちてしまう。
ビルがオリバーを殺すつもりだと知ったナンシーは、深夜こっそりブラウンロー氏と落ち合って、オリバーの居場所を告げる。だがその時ドジャーが立ち聞きしていたことに彼女は気づいていなかった。彼女の様子に不審を抱いたフェイギンが尾行させていたのである。
ドジャーの報告を聞いて逆上したビルは、ナンシーを殺し、行方をくらませる。身の危険を感じたフェイギンもまた、少年たちとともにトビーの住処に隠れることにする。そこへ現れたビルは、警官隊に包囲されていると知ると、オリバーを人質にとって決死の脱出を試みる—–。

スタッフ

監督:ロマン・ポランスキー
製作:ロベール・ベンムッサ
   アラン・サルド
脚本:ロナルド・ハーウッド
撮影監督:パヴェル・エデルマン
衣装デザイナー:アンナ・シェパード
プロダクション・デザイナー:アラン・スタルスキ
編集:エルヴェ・ド・ルーズ
音楽:レイチェル・ポートマン

キャスト

バーニー・クラーク(オリバー・ツイスト)
サー・ベン・キングスレー(フェイギン)
ハリー・イーデン(アートフル・ドジャー)
ジェイミー・フォアマン(ビル・サイクス)
エドワード・ハードウィック(ブラウンロー氏)
マーク・ストロング(トビー・クラキット)
リアン・ロウ(ナンシー)

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す