ナルニア国物語　第１章ライオンと魔女

　映画は、ついに《ナルニア国》への扉を開けた──。1950年にこの世に誕生して以来、世界中で愛され続けてきた英国ファンタジーの至宝、『ナルニア国物語』。20世紀が遺したこの“想像力”の頂点を、ディズニーが空前のスケール感に満ちたライブ・アクションとして完全映画化する。それは、一生に一度だけ出逢える《本物》のファンタジー──「ナルニア国物語／第１章：ライオンと魔女」は、人類がついに到達した《限りなく夢に近い映像体験》である。

　20世紀を代表する英国作家C.S.ルイスの著作『ナルニア国物語』は、全７巻からなるファンタジー・シリーズであり、神秘の国《ナルニア》を舞台に2555年にもおよぶ途方もないスケールの物語が繰り広げられていく。ほぼ同時期に書かれた「ロード・オブ・ザ・リング」の原作『指輪物語』と双璧を成す英国ファンタジーの最高傑作として、高い文学的評価と世代を超えた愛読者を獲得してきた本作品は、全世界で8,500万部という驚異的なセールスをあげ、今なお年間600万部以上の売り上げを誇る不滅のロングセラーであり、その魅力と輝きは永遠に色褪せることはない。『ナルニア国物語』こそ、20世紀が21世紀に遺したイマジネーションのフロンティアなのだ。
　人類史上稀にみる才能が生んだ究極の《別世界＝ナルニア》の映画化は、長年にわたり絶対に不可能と言われてきた。しかし、近年の映像テクノロジーの進化は数々のファンタジー作品を生み出し、その試行錯誤の中でさらなる飛躍を遂げていった。その集大成として《最後》に残された《最大の映像革命》こそ、『ナルニア国物語』映画化プロジェクトである。
ディズニーは同スタジオ史上最大のスケールで、まずはシリーズ第1作目である『ライオンと魔女』を2005年に映画化。「ロード・オブ・ザ・リング」「ハリー・ポッター」シリーズを超える、映画史上空前のファンタジー・プロジェクトが、ついに幕を開ける。
　第二次世界大戦下のイギリス。ペベンシー家の４人の兄妹──ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーは、戦火を逃れて田舎に住むカーク教授に預けられる。とてつもなく広い屋敷を探索する内に、末っ子のルーシーは空き部屋にある衣装だんすに入り込む。毛皮のコートを押しのけて奥に進むと、いつしかルーシーは雪に覆われた真夜中の森に立っていた…。
　そこは、ナルニア──不思議な生きものたちが暮らす魔法の国。かつて、偉大なる王アスランが作ったこの素晴らしい国は、美しく冷酷な“白い魔女”によって、永遠に春の来ない冬の世界に閉ざされていた。“白い魔女”への恐怖と心まで凍てつくような寒さの中で、ナルニア国の住人たちはひたすらに祈っていた。偉大なる王アスランの帰還と、伝説にあるケア・パラベルの城の４つの王座の主が現れるのを…。
　心を揺さぶる勇気と友情のドラマ、荘厳なる善と悪の対決、驚きに満ちた多種多様のクリーチャーたち、圧倒的なスケールと迫力の戦闘シーン、etc.…その全てが映画の常識を、そして観る者の想像力を超えた、史上空前のファンタジーが全世界を席捲する。

　プロジェクト実現のために、世界最高峰のフィルムメイカーたちが結集。監督は、初監督作品「シュレック」がいきなりアカデミー賞に輝き、続く「シュレック２」で「タイタニック」「スター・ウォーズ」に次ぐ全米歴代３位の興行収入を上げたアンドリュー・アダムソン。製作は「レインマン」でアカデミー賞受賞のマーク・ジョンソン。そして、特殊効果を手がけるのは「ロード・オブ・ザ・リング」「ロード・オブ・ザ・リング／王の帰還」でアカデミー賞に輝くリチャード・テイラーと、彼が率いるWETAデジタル社のデザイン・チーム。同社は「ロード・オブ・ザ・リング」のために10種類のキャラクターをデザインしたが、本作品ではその６倍ものクリーチャーを誕生させる。
　撮影は2004年６月から開始され、息を呑むような大パノラマを誇るニュージーランドにて史上最大規模のロケーションを敢行。2005年２月からは、視覚効果におけるハリウッドの２大巨頭、「スパイダーマン２」のソニー・イメージワークス社とアカデミー賞に輝くリズム＆ヒューズ社のコラボレーションによる歴史的ポスト・プロダクションが開始された。
　キャストは、衣装だんすのある屋敷の主・カーク教授役に「アイリス」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したジム・ブロードベント、白い魔女役に「オルランド」のティルダ・スウィントンなど、実力派俳優が結集。また、ペベンシー家の４兄妹を英国中から選ばれた４人の天才子役俳優たちが演じている。

　ディズニーが世界中の“アダムのむすこさんとイブのむすめさん”(※)に捧げる、世紀の映像プロジェクト──「ナルニア国物語／第１章：ライオンと魔女」。衣装だんすの向こう側で待っているのは、誰もが見たかった誰も見たことのない世界。“想像力”という名のパスポートを身につけて、さあ、神秘の国《ナルニア》へ…。

　(※)ナルニア国の住人が“人間”を指す言葉。