原題:Jersey Girl

すべての女の子の最初の恋人はパパです−−

2004年3月26日全米初公開

2004年/アメリカ/カラー/101分/ 配給:東芝エンタテインメント

2005年11月25日よりDVDリリース 2005年11月25日よりビデオリリース 2005年3月26日より、みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー! 

公開初日 2005/03/26

配給会社名 0008

解説


 娘の誕生と引き替えに、最愛の妻を失ってしまったオリー。その悲しみを忘れようと、音楽業界の宣伝マンとしての仕事に没頭する彼だが、大切な記者会見で大失敗。仕事を失い、愛するニューヨークを離れて、ニュージャージーの実家へ戻ることになる。そこで初めて我が子を腕に抱いた彼の胸にわき上がってきたのは、妻を愛した証でもある娘への限りない愛情だった。「これからは世界一のパパになる」。そう約束した日から7年。オリーの娘のガーティは、周囲の愛情に包まれて賢く愛らしい女の子に成長。小さな町での平凡だけど幸せな娘との生活。だが、オリーがもう一度NYでの人生を取り戻そうとした時、自分にとって本当に大切なものが見えなくなってしまう——。

 子育てに奮闘するシングル・パパと、そんな彼を世界で一番愛する7歳の娘。ふたりのかけがえのない絆の物語を、温かなまなざしでみつめた名作が誕生した。『チェイシング・エイミー』の奇才ケヴィン・スミス監督が、盟友ベン・アフレックを主演に迎えて放った『世界で一番パパが好き!』。全米中を笑いと涙で包み込み、2週連続トップ10入りを果たすスマッシュ・ヒットを記録したこの作品は、見終わったあと、ふんわりした感動が心の中いっぱいに広がる、とびきりスウィートな愛のドラマだ。

 ベン・アフレックが演じる主人公のオリーは、愛する妻と仕事を立て続けに失い、ニューヨークから故郷のニュージャージーに戻って来た男。妻が命と引き替えに産んだ娘のガーティを何よりも大切に思い、男手ひとつで育ててきた彼だが、心のどこかでは、華やかな音楽ビジネスの世界に復帰することを夢見ていた。そんな彼の前に、7年ぶりに訪れた復職のチャンス。しかし、面接の日は、娘が楽しみにしていた学芸会の日と重なってしまう。もう一度ニューヨークに戻って自分の可能性を試したいオリーと、いまのままパパやおじいちゃんとニュージャージーで暮らしたいガーティ。父娘の心は、微妙にすれ違っていくのだが……。

 自分の夢を追うか、娘のために生きるか。人生の岐路に立たされて、悩めるシングル・ファーザーのオリー。その心情を細やかに演じるベン・アフレックの好演が、映画をいきいきと輝かせる。あせったり、ズッコケたり決して満点パパとは言えないが、世界一のパパをめざして奮闘するオリーのキャラクターには、『トータル・フィアーズ』や『デアデビル』のようなヒーロー・アクションとはひと味違う、等身大のアフレックの魅力があふれている。そんなアフレックと息ぴったりのコンビネーションで、この映画のハートウォーミングな感動を支えているのが、事実上の主役と呼べるガーティに扮したラクエル・カストロだ。『シックス・センス』でハーレイ・ジョエル・オスメントを発掘したキャスティング・ディレクターに見出された彼女は、撮影当時9歳。オシャマで愛らしく、家族や周囲の人々への愛情が自然に滲み出る演技を見せたラクエルのキュートさには、誰もが虜にならずにはいられないだろう。新たなる美少女子役の出現にダコタ・ファニングもうかうかしてはいられない。
 そのガーティと並ぶもうひとりのヒロイン、大学院生のマヤを演じるのは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作での活躍が記憶に新しいリヴ・タイラー。オリーとひかれあっていく過程で、彼に人生のなかで最も大切なものかは何かを気づかせていく役柄に、リヴならではの聡明で爽やかな個性が光る。さらに、無口で愛情深いオリーの父には、スミス監督と3度目のコンビを組む名コメディアンのジョージ・カーリン、オリーのNY時代のアシスタントには、『アメリカン・パイ』シリーズのジェイソン・ビッグスが扮し、それぞれ印象に残る好サポートぶりを見せている。

 この映画のもうひとつの魅力は、豪華なゲスト・スターの顔ぶれだ。娘の誕生と同時に他界してしまうオリーの妻役で、あのジェニファー・ロペスが出演するほか、アフレックの親友マット・デイモンと、スミス作品の常連ジェイソン・リーが、面接官コンビの役で出演。また、クライマックスには、オリーの失業のきっかけを招いた天敵のウィル・スミスが、本人の役で登場するお楽しみも用意されている。

 脚本・監督は、『チェイシング・エイミー』『ドグマ』といった作品で、若者たちにカルトな人気を誇るケヴィン・スミス。「もっと心に響くものを書きたい」と考えていた6年前、子供を寝かしつける妻の姿に心奪われ、この映画の着想を得たというスミスにとって、これは家族に対するラブレターとも言える作品。スミス自身が「これまでで最もパーソナルな映画」と語る本作を、彼は2003年に他界した彼自身の“世界一のパパ”、ドナルド・E・スミスに捧げている。

ストーリー



 私、ガーティ・トリンキ。年は7歳。ニュージャージー州のハイランズで、パパのオリーと、おじいちゃんのバートと一緒に暮らしている。私と同じ名前のママは、私を産んだときに亡くなったの。それはパパにとって、とても辛い体験だったみたい。

 私が生まれる前、パパとママは、マンハッタンのセントラル・パークを見下ろす豪華なアパートに住んでいた。パパの仕事は、音楽関係の宣伝マン。たくさんの有名なミュージシャンをクライアントに抱え、パパは毎日大忙し。そんなときに訪れた最愛のママの死。パパはそのショックを忘れようと、生まれたばかりの私をおじいちゃんに預けて、仕事に没頭した。けれども、ある日、ある事件をきっかけに、ついにその仕事も失うはめになってしまう。

結局、ギョーカイにも居られなくなってしまったパパは、ニュージャージーのおじいちゃんの家に引っ越した。そんなパパに、おじいちゃんが出した同居の条件は、「毎晩、子供を寝かしつけること」。その晩、生後1カ月の私を初めて抱いたパパは、ママを失った寂しさに涙をこぼしながら、「お前はママの形見だ。大切な宝だ。これからはいい父親になるよ」と約束してくれた。

 その約束どおり、いまのパパは、私にとって世界一のパパだ。おじいちゃんと同じ公共サービスの仕事に就いたパパは、毎日、カッコいい道路清掃のトラックに乗って、私を学校まで迎えに来てくれる。

 そんなある日、私とパパは、近所のレンタル・ビデオのお店でマヤと出会った。マヤは、このお店でバイトをしている大学院生。セックスとビデオについて論文を書いている彼女は、私に見つからないようにこっそりアダルト・ビデオを借りようとしたパパに興味を持ったみたい。ママが死んだことを知らず、パパをからかったことを家まであやまりに来たマヤは、パパにインタビューしたいとランチに誘った。

平凡だけど、ささやかな幸せに囲まれた生活。
でもパパはどうしても前の仕事とニューヨークが忘れられないみたい。
いまも時々、面接を受けにニューヨークへ出かけて行くパパだけど、例の事件が音楽ギョーカイの伝説になっているとかで、パパを雇ってくれる太っ腹な会社は、なかなかみつからないのだ。そんなパパにもチャンスが到来!かつてのアシスタントだったアーサーが勤めている会社の面接を受けることになったのだ!

「ニューヨークに戻るぞ!」と宣言するパパ。だけど私は、パパが言うように、ニューヨークの私立学校になんか行きたくないし、ドアマンのいるアパートにも住みたくない。それになんと言っても、パパの面接は、今一生懸命練習している学芸会の日と重なっているのだ! 

 そして学芸会の当日。私が楽屋でマヤに支度を手伝ってもらっているころ、パパはニューヨークの会社のロビーにいた。そこでパパは、思いがけない人と出会うことになる……。

スタッフ

監督:ケヴィン・スミス
製作:スコット・モシャー
撮影:ヴィルモス・ジグモンド,A.S.C.
美術:ロバート・ホルツマン
音楽:ジェイムズ・L・ヴェナブル
衣装:ジュリエット・ポルスカ

キャスト

ベン・アフレック
リヴ・タイラー
ラクエル・カストロ
ジョージ・カーリン
ジェイソン・ビッグス
ジェニファー・ロペス
スティーブン・ルート
マイク・スター

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