原題:WONDERLAND

ヴァル・キルマー 渾身の一作

2003年/アメリカ/カラー/106分/SRD/ヴィスタサイズ/原題Wonderland/ 日本語字幕:林完治 配給:東北新社

2005年10月28日よりDVDリリース 2005年5月28日、新宿K'S cinema、銀座シネパトスにてロードショー

© 2003 Lions Gate Films, Inc. All Rights Reserved.

サブ題名 ポルノスターの殺意

公開初日 2005/05/28

配給会社名 0051

解説


80年代初頭、全米がその行方に注目し、連日の報道によってテレビに釘付けになった事件があった。ハリウッドのスターと権力者が関与し、幾人もの証言者を迎えながらも迷宮入りした「ワンダーランド殺人事件」。この伝説的な惨殺事件が遂に映画化される!監督は、ニューヨーク大学在学中にジェリー・ブラッカイマーに才能を見出されたジェームズ・コックス。彼の相棒キャプテン・モズナーと組んだ本作品は、当時ジョン・ホームズの妻であったシャロン・ホームズ、恋人だったドーン・シラーをアドバイザーとして迎え入れ、2人の証言と協力を基に、ジョン・ホームズと2人の女性の複雑なラブストーリーを描きながらも、事件の真相にリアルに迫る!

70年代アメリカ。ハリウッドで製作本数・芸術性ともに全盛を極めた”ポルノ”がポップカルチャーとなり、芸術にも多大な影響を及ぼした時代に、”ポルノスター”として頂点に立った男、ジョン・ホームズがいた.彼は巨大な”モノ”と破天荒な生き方で知られ、初めてポルノにシリーズという概念をもたらし、革命を起こした男として伝説となる。そのファッションは若者からの支持を受け、全盛期には200ものファンクラブがあり、彼のテーマ曲も作られるなど、若者たちのイコンとしてカリスマ的な人気を誇っていた。当時の人気は、彼をモデルにした映画『ブギーナイツ』(97)にも描かれている。
 
そのジョン・ホームズの人気に陰りが見えた81年7月。ハリウッド・ロサンゼルス、ワンダーランド通り。ロス市警は、明朝1件の通報を受ける。現場に駆けつけた警官が目にしたのは、4人の惨殺死体と、危篤状態の1人の女性。当初、麻薬ディーラーとチンピラが関わった単なる殺人だと思われたが、ハリウッドの頂点を極めた”ポルノスター”ジョン・ホームズと、ハリウッドのナイトクラブを牛耳るエディー・ナッシュが関与しているとわかると、一転してハリウッドの暗黒面を浮き彫りにする大事件へと発展し、全米の注目を集める。ジョン・ホームズと生き残ったギャング仲間の1人、ホームズの妻シャロン(リサ・クドロー)も警察の尋問を受けるが、それぞれの証言は食い違っていく。いったい誰が真実を語っているのか….証言者3人の視点で物語が進行するストーリー展開から現代版『羅生門』とも言える本作品は、実話に基づくリアル・サスペンスであり、アメリカンドリームを体現する華やかなスターからダメ男へと堕ちてゆくジョン・ホームズと2人の女性との純愛を描いたラブストーリーでもある。

伝説の・ポルノスター・ジョン・ホームズには、『バットマン・フォーエヴァー』『ヒート』(共に95)、『アレキサンダー』(04)等で存在感ある演技を見せるヴァル・キルマー。彼の純粋な笑顔が、時代の頂点から転がり落ち、それでもなお深い愛情を注がれる男という難役に、説得力をもたせる。ホームズの恋人ドーン・シラーを、『ブルー・_クラッシュ』(03)、『ビヨンドTHEシー』(05〉で今最も注目を集める若手女優ケイト・ボスワースが演じ、純無垢な存在としてピュアな魅力を放っている。そして、ホームズの妻をTVドラマ「フレンズ」等にレギュラー出演する実力派のリサ・クドローが演じる。
音楽には、Tレックス、デュラン・デュラン・ロキシー・ミュージック・ビリージョエル、ボブ・ディランらの7〜80年代を象徴する楽曲が起用され、スタイリッシュな映像を盛り上げる。

ストーリー


1981年夏、ロサンゼルス・ハリウッド。ロス市警はワンダーランド通りからの通報を受けとる。現場で警官が見たのは、4人の惨殺された遺体と、危篤状態にある1人の女性の姿だった。最初は麻薬絡みの通り一遍の事件に見えたが、絶大な”恥名度”を誇るポルノ王ジョン・C・”ジョニー・ワッド”・ホームズ(ヴァル・キルマー)と大物ギャングのエディー・ナッシュ(エリック・ボゴシアン)が関与していると分かると、一転してロサンゼルスの暗黒面を浮き彫りにする大事件へと発展する。

事件からさかのぼる事、数日…
ドーン(ケイト・ボスワース)は、ハリウッドの街の片隅で子犬を抱えながら震えていた.恋人のポルノスター、ジョン・ホームズに置き去りにされて2日目。そこを通りかかった宗教家の婦人の家に匿われ、シャワーを浴び、朦朧としたままの頭で、ジョンに電話をかける。
「ハリウッドの宗教家のババアの家にいるわ、旱く迎えに来て!」

報せを聞いたジョンは自慢のアメ車でその家に駆けつけ、泣きじゃくるドーンをなだめ、奥の洗面室に連れて行く。荒々しい男の出現に慌てる婦人の姿は、ジョンの眼には入っていなかった。その眼の中には、愛しくてたまらないドーンしか映っていない。2人は半開きのドアなど気にすることもなく狭い洗面台で激しく、お互いの体を求め合った。「罰当たり、地獄に落ちろ、若死にしろ一!」とおよそ宗教家らしからぬ罵声を吐きながら、飛び込んできた婦人をかわし、ドラッグの入ったスーツケースと脱ぎ捨てた下着を抱えて、ジョンとドーンはその家を飛び出した。たどり着いたモーテルでまたも置き去りにされてしまうドーン。「手に入れたお宝を金に換えてくる」と言い残してジョンは出ていてしまったのだ。明くる朝、戻ってきたジョンは目の焦点が定まらず、顔にはキズがある。心配するドーンをよそに震える手でビールを開け、「事故があったんだ…玉突き事故が…」と、うわ言のように繰り返すばかり.つけっぱなしのTVにはワンダーランド通りのある家で起きたショッキングな惨殺事件のニュースが流れていた。ジョンは、そのニュースから逃げるようにして、ベッドの中にもぐりこんだ。

もう一人、別の場所で同じニュースを見て驚愕する男デヴィッド・リンド(ディラン・マクダーモット)は、自分が起こした過ちに気付き、やり場の無い怒りと恐怖に襲われていた。リンドは数日前、ハリウッドのギャング仲間と共に、ジョンの手引きで、ある大金持ちの男の家を襲撃し、金目のものを根こそぎ盗んだあげく、その男に銃をくわえさせるという屈辱を与えていたのだった…

スタッフ

監督・脚本:ジェームズ・コックス
製作:ホリーウィアスマ、マイケル・パセオネック
製作総指揮:トム・オーテンバーグ、ピーター・ブロック
      マーク・バタン、マイケル・バーンズ
撮影: マイケル・グラディ 
音楽: クリフ・マルティネス    

キャスト

ヴァル・キルマー
リサ・クドロー 
ケイト・ボスワース
ディラン・マクダーモット
ジョシュ・ルーカス 
フランキー・G
ティム・ブレイク・ネルソン
キャリー・フィッシャー 
エリック・ボゴシアン

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