原題:The EYE/見鬼

せつない恐怖。

2002年5月9日香港初公開

2001年/香港=タイ/カラー/Dolby SRD Ex/85 ビスタ/99 分/日本語字幕:金丸美南子 配給:クロックワークス

2003年10月24日よりビデオレンタル開始 2003年10月24日よりDVD発売開始 2003年5月17日より福岡・シネテリエ天神にてロードショー公開 2003年5月10日より北海道・札幌劇場、愛知・シネプラザ50にてロードショー公開 2003年4月26日よりワ-ナ-・マイカル・シネマズ板橋、川崎チネチッタほか都内拡大ロードショー公開 2003年3月29日よりシネクイントにてロードショー公開

(C)2002 Applause Pictures and Raintree Pictures.

公開初日 2003/03/29

配給会社名 0033

解説


2002年5月、香港で公開されるやいなや『スター・ウォーズ エピソード2』や『スパイダーマン』と並ぶ大ヒットを記録したホラー映画があった。香港・タイ合作で、実話をもとにつくられたという、そのホラー作品は5月の1ヶ月だけで、すでに中国語圏の映画としては史上最高の成績をあげ、その後タイ、韓国、シンガポール(ホラー映画史上2番目の成績)、マレーシアでも公開と同時に大ヒットを記録、ロンドンでは12館にて公開というアジア映画史上希にみる快挙を成し遂げたのである。それが、前作『レイン』で切なくも激しい愛と復讐の物語をスタイリッシュな映像の中に鮮烈に描き出し、2000年度トロント国際映画祭で国際批評家連盟賞(Fipresci Award)を受賞した、双子の映画監督オキサイド&ダニー・パン兄弟の新作『THE EYE【アイ】』である。

幼い頃失明したマンは、20歳の時に角膜移植手術を受け視カを回復する。しかし、それにより彼女は普通の人には見えないものが、見えるようになってしまう。起きている時も眠っている時も“死者の姿”にうなされる毎日。やがてその現実を受け入れようとした矢先、彼女だけか知らなかったある驚愕の事実か明らかになる・・・。

本作は、13年前にタイで実際に起こった角膜移植手術による事件をモチーフに描いたブラインドホラーとして世界各地で公開されている。
監督らは、映画は脚色されたものであり、実話の映画化ではないことを強調しているが、「この映画はフィクションであり、実際の角膜移植にはこのようなことはない」と発表したほどである。

監督は香港出身の双子の兄弟、オキサイト&ダニ一パン。彼らの初の共同監督作品てある前作『レイン』は、トロント国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞したしたほか、タイ映画批評家連盟賞4部門を制覇しており、コーエンやウォシャウスキーなど、兄弟ならではのコラボレーションで素晴らしい作品を作りつづける兄弟監督たちの中で、パン兄弟は今もっとも旬と言える存在である。今回は前作同様、二人が共同で原案脚本監督編集をしているのに加え、製作に『ラヴソング』『君さえいれば 金枝玉葉』などで知られる、香港が世界に誇る映画監督ピーター・チャンを迎えている。香港のUFO(電影人製作有限公司)の設立者であり、かつアプローズ・ピクチャーズ社の最高経営責任者であるピーター・チャンは、パン兄弟に以前から注目しており、初めて物語を聞かされた直後すぐに、製作を買って出たということである。
また映画の後半部分の要となるSFXを、『少林サッカー』で2002年香港アカデミーの視覚効果賞を受賞したセントロ・デシタルピヒクチャーズが担当している。まさにアジアを代表する才能のコラボレーションが、ここに見事に結実したのである。

主人公のマンを演じる、歌手としても大きな注目を浴びているアンジェリカ・リー。台湾と香港を中心に映画、音楽、舞台、CMと幅広く活躍し、2000年の「擯榔(びんろう)売りの娘」ではベルリン国際映画祭最優秀新人賞を受賞した。今回は、死者の姿が見えるという状況に怯え苦悩する繊細な一面とともに、そこに隠された真実を追求し運命に立ち向かう、という強さを兼ね持つヒロインを見事に演じきり、海外でも「完壁な演技」と高い評価を受けた。今後、演技派美人女優としてのブレイクは必至である。そのマンを支える心理療法士ワ・ローを演じるのは、「初戀[口拿][口査]麺」で2002年香港電影金像奨(香港アカデミー賞)の新人賞にノミネートされたローレンス・チョウ。彼もまた、台湾では有望な若手歌手としての地位をすでに確立しているが、今後は俳優としての活躍が大いに期待されている。

本作は、リメイク権をトム・クルーズがすでに取得したことでも全世界から注目されている。これまでに彼がリメイク権を購入した作品は、イギリスのガイ・リッチ−監督作『ロック,ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、スペインのアレハンドロ・アメナバール監督作『オープン・ユア・アイズ』。すでに後者は『バニラ・スカイ』としてリメイクされ大ヒットを記録している。ちなみにその後のアメナバール監督作『アザ−ズ』では、トム・クルーズは製作総指揮もつとめ、身らマックスみよる全米配給も果たした。トム・クルーズがリメイク権を購入したということは、ハリウッドはもちろんのこと世界に通用するクオリティを誇る作品であり、これかたのハリウッド映画の方向性に大きく影響を与える監督だといっても過言ではないのだ。先ごろ、ドリームワークスによる、鈴木光司原作・中田秀夫監督作『リング』のリメイク版『ザ・リング』も全米公開され、初登場第1位を記録した。現在日本を含むアジア映画は、ハリウッドをはじめとする世界の映画産業から、大きな注目を浴びていることは間違いない。

本作は、続編の製作が決定し2003年に公開は予定されている。

ストーリー

 
二歳のときに失明したマン(アンジェリカ・カー)は、20歳になり待望の角膜移植手術を受け視力を回復する。手術後、脳腫瘍で入院している少女インインに励まされながらリハビリをする毎日だったが、ある夜、隣のベッドに寝ているお婆さんが、黒い人影とともに病室を出て行くところを見つける。翌朝、看護婦にそのことを告げるが、すでにお婆さんは他界したことを知る。
 
 やがてマンは退院し、心理療法士ワ・ロー(ローレンス・チョウ)のもとに通いながら、徐々に視力のある生活に慣れていくが、それに伴い、ときおり不可解な人物や出来事に遭遇するようになる。「通信簿を見なかった?」と執拗に聞いてくる、同じマンションに住むという小学生。夢の中に出てくる見覚えのない部屋や景色。書道教室でマンだけを罵る恐ろしい形相の女性や足のない親子。そして彼女に体当たりし、そのまま体をすり抜けていく男の子・・・。他の人にはそれらの姿が見えていないと気づいたマンは、心理療法士のワだけに「死者の姿が見える」と打ち明け、助けを求める。しかしワは彼女を単なる精神不安定と決めつけ信じようとしない。行き詰まったマンは、部屋に引きこもり目が見えること自体を拒否するようになってしまう。責任を感じ説得にあたるワ。ちょうどその時手術中であるはずのインインは、見たことのある黒い人影とともにマンのところに現れて「元気を出して」と励ます。インインの死を直感し号泣するマン。そんな彼女をワは信じるようになり「力になりたい」と告げる。そしてマン自身も彼の支えにより、試練を受け入れ強く生きていく決心をする。

 しかし数日後、、マンは自分だけが知らなかったある驚愕の事実に直面する・・・。

スタッフ

監督・脚本・編集:オキサイド・パン、ダニー・パン
製作:ピーター・チャン
   ローレンス・チェン
製作総指揮:エリック・ツァン
      アラン・フォン
      ダニエル・ユン
共同編集:ジョジョ・ホイ
撮影:デーチャ−・シーマントラー
美術監督:クリッタパット・スッティネート
     サイモン・ソー
CG:セントロ・デジタル・ピクチャーズ
音楽:オレンジ・ミュージック

キャスト

マン・ウォン:アンジェリカ・カー
心理療法士ワ・ロー:ローレンス・チョウ
リン:チャッチャ−・ルチナーレン
マンの姉:キャンディ・ロー
ロー医師:エドムンド・チェン
リンの母:ワン・スーユエン
マンの祖母:コウ・インペン
インイン:ソー・ヤッライ
エーク医師:フォン・ジンファッ

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