アリゲーター
原題:KRAI THONG
強食の牙。水際の王。 泥の河の奥深くより、鋼鉄の体躯をしならせ ただ、空腹を満たす為だけに、奴等は「上陸」する。 『U.M.A/レイクプラシッド』『クロコダイル』に続く、「ワニ」パニック巨編!!
2001年/タイ/93min DVD発売:東芝デジタルフロンティア・販売:パイオニアLDC(税抜:2,980) ビデオ発売:フルメディア、東芝デジタルフロンティア・販売:フルメディア(税抜:16,000)
2002年6月25日DVD発売/2002年6月15日ビデオ発売&レンタル開始
解説
《Qファクトリーレーベル》第3弾作品は“ワニ”!!数々リリースされたモンスター作品の中でも、その動き、獰猛さ、狡狙さ、パワーでも抜きに出た存在の《ワニ》は『クロコダイル』『クロコダイル2』『アリゲーター』『レプティリア』『キラー・クロコダイル』等が続々と製作されている。そうしたブームに一石を投じる意欲作が本作だ!
【チェック・ポイント!】
やぁ、動物襲撃パニックとはちゃうでしょうこれ…(笑)な、伝奇的鰐映画です。君は“ぶっとび妖怪シリーズ”をご存知だろうか?80年代後期のビデオ・バブルの末期、ファンの間に様々な伝説が伝わるM氏のマウント・ライト・コーポレーションが、インドネシア、フィリピン等東南アジア諸国のものを中心に、ファンタ系作品を連続リリースしたシリーズだ。『首だけ女の恐怖』(87)とか『ズーマ/恐怖のバチあたり』(87)とか、多分普通の映画ファンは聞いた事も見た事もないだろうが、ジャンル系ファンなら(本編見たことなくても、『宇宙船』の表4でお馴染み!)タイトルだけで思わず感涙な作品がテンコ盛だったこのシリーズには、『デビルズ・ソード/ワニ人間の襲撃』と言う87年のインドネシア映画もあったけど、それの腹違いの兄弟みたいな設定の作品が本作だ。つまり川底に人間の姿に変身可能なワニ神さんが住んでいて、鰐の姿で人を襲ったりかどわかしては水中の住処に連れ去って夜のお相手をさせると。『デビルズ〜』は濃〜い顔つきの女ワニ魔女がリーダー格で男をはべらすのに対して、本作では同じく濃〜い顔つきだけど男ワニ人間がリーダー格でワニ女を二人侍らしてさらに人間をさらってくるゆう話になってます。公式サイトで本作のオリジナル・ポスターを見てみると“有名なタイの伝説”とありますから、所変われば品変わる、インドネシアは女でもタイは男みたいな感じですかね。
製作年度で言えば二つの作品は15年以上間をおいているので、勿論本作の方はCGIをバリバリ?に多様していたりしながらも、そんな時の流れをあまり感じさせないのは、伝説と言う題材を大事にしている証みたいなもんである(大嘘)。ちゃんとポリゴン製のワニを一部では出しつつも、普通サイズの現物ワニを合成したように見える画面設計や、カット割であたかも人間に襲い掛かっている繋いでみせたような映像の数々は、映画におけるモンタージュというものについて、つくづく考えさせられましたよ。それ以外何も見えない叢から、人間の頭や腕がポーン、ポーンと飛び出し転がる場面のシュールさは、本作独自のものでしょう。侮りがたし!ワニ君は神さんだから、出てくるときは空にわかに掻き曇り、嵐が吹き荒れ大地が震えてと、その神々しさを画面にやきつけます。大ワニだったはずが、人間に姿を変えると普通の人間大になるあたり、日本の国産とくさつテレビ番組を彷彿とさせますな。そう、公式頁をのぞいてもらえば腰が笑うに違いないと思うのですが、本国での配給元チャンヨー・プロダクションはあの『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(74)を我等が円谷プロと合作した会社だ。ウェッブのポスター・ギャラリーを見ると、一体どこが違うの?な本作の続編をはじめ、計5本のワニ映画らしき作品のポスターがありました。ワニ映画を語る上では欠かせないプロダクションだな!(また大嘘)。
因みに原題となっているクライトーンは、ワニ狩りのプロでワニにまたがりガチンコ・ファイトを見せる本編の主人公の名前ですが、その本能に忠実で狡猾な非道ぶりに比べれば、人間を誘うワニ神さまは可愛いもんである(謎)。
(殿井君人)
ストーリー
肥沃な大地。止め処なく流れる褐毎の大河。自然を敬い、素朴な暮らしを続ける村人達。しかし、ある日突然、嵐と共に、俊敏で獰猛な巨大ワニが現れる。巨大ワニは村人達を、襲い!喰らい!かみ殺す!惨劇の恐怖にさらされた近隣の村々では、この巨大ワニを退治する為、腕自慢、力自慢の男たちが次々と現れては、狡猾で俊敏なこの巨大ワニに殺されていく。隣村の村長は、「ワニを退治した者には、財産の半分と、娘を嫁にやる!」と村人達を促すが、村の大事な祭りの際に、奇しくも巨大ワニが現れ娘をさらわれる。祭りを観にきていた隣村の素もぐりの名人クライトーンは、その瞬間河に飛び込み、娘を助けに行く。しかし、河の奥底で、クライトーンが見たものは、黄金に輝<洞窟とそこに住みつ<得体の知れない“人間”だった……
スタッフ
製作:ラワット・ラトリアンチャイ
監督:スザット・アンタラヌパコン
美術:ボーディン・トンシン
撮影:タナサク・シンガカン
音楽:オレンジ・ミュージック
SFX:シャム・フィル・ディヴェロップメント
キャスト
ピナリ・クレイブート
シャンパン−X
ワナサ・トンウィセット
ブラリア・シリウィドカ
ジェット・パドゥーン・タム
クティマ・エヴリ
LINK
□公式サイト□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す
http://www.fullmedia.co.jp
ご覧になるには Media Player が必要となります