モデルカップル
原題:MODEL COUPLE
1967年/フランス/カラー/105分/ 配給:日本スカイウェイ
2002年4月20日より渋谷シネ・アミューズにてレイトショー公開
公開初日 2002/04/20
配給会社名 0107
解説
「モハメッド・アリ、ザ・グレイテスト」の製作に携わっていた1973年頃、ウィリアム・クラインは、ひとつの企画を抱いていた。それはフランスの新しい都市建設に対して批判するものだった。当時のフランス人は、ド・ゴール大統領から受け継いだ〈偉大さ〉という幻想を持っており、そのひとつの計画が何もないところに未来的な新しい都市を建設することだった。クラインは、それがいかに馬鹿げているかを示すため
この「モデル・カップル」を製作した。
未来都市計画における実験用モルモットとして、ジャン=ミッシェルとクローディーヌの2人が「モデル・カップル」に選ばれた。カルテルのプラスチック家具に囲まれたモダンライフ、最新の生活家電、テレビでの実況中継。24時間監視下の生活でやがて2人は追いつめられ、、、
未来省のプロジェクトである新しい都市が建設中であり、この都市に住む「モデル・カップル」として典型的なフランス人の若いカップル、ジャン=ミッシェルとクローディーヌが選ばれる。アパートメントでのモダン・ライフは、ズークとジャック・ブーデという社会心理学者の監視の下で、寝食からセックスにいたるまで細かな調査を受ける。アニエスベーによるジッパーを使ったコスチューム、カルテルのプラスチック家具、安全ガラス製の食器セット、ゾラとバルザックの書箱…最新の家電や家具に囲まれた部屋で、好きなように時間を消費する権利をもったカップル。2人は当初選ばれたことを幸運に思っていたが、次第にそれが苦痛に満ちたものであることが分かってくる。2人はこの未来都市の住人としてのいわば実験用モルモットに過ぎない。2人の生活は、フランス全土にTV中継され、大臣や未来学者もカップルのディナーを訪問し、野次馬と化した国民はモデル・カップルの話題に終始する。遂に追いつめられた2人は…
「ミスター・フリーダム」「ポリー・マグーお前は誰だ」「モード・イン・フランス」のウィリアム・クラインがフランスの未来都市計画を痛烈に風刺しだ70s「トゥルーマン・ショー」あるいは「ロフトストーリー」!「はじめから終わりまで笑いにあふれ、時には涙する」と評され、ニューヨーク、パリで絶賛された傑作がついに日本初ロードショー!
舞台となったモデル・アパートメントは外界から閉ざされた場所に建設され、真っ白な1ページの上にクラインがデザインし、落書きしたかのようである。CやZやAの形で黒のラインが床に描かれ、カップルはその一部をなす点となる。キャスティングは素晴らしく、とりわけ沿い化粧を施した心理学者ズークは奇妙で不気味だ。「モデル・カップル」に扮したのは、アンドレ・デュソリエとアネモーネの2人。ともに当時は映画俳優としては新人ともいえ、特にカフェ=テアトル出身のアネモネはこれが初めての主演である。
クライン作品には消費社会やそこで機能するメディアなどに対する批判精神に溢れているが、ここでも未来の都市生活の実験をSF調のコミカルな描写で諷刺している。なかでも二人の生活がテレビで放映され、それをめぐって座談会が催されるところなど、フランスの社会におけるテレビの位置が示されているようで面白い。なお、1991年ニューヨークで催された映画祭、「ウィリアム・クライン・レトロスペクティヴ」では、「正確で決して眠くならない巧みな展開だ。はじめから終わりまで笑いにあふれ、時には涙する。」と評されたこの「モデル・カップル」が最も評判を呼んだという。
ストーリー
スタッフ
監督:ウィリアム・クライン
音楽:ミッシェル・コロンビエ
衣装:アニエスベー
キャスト
アネモーネ
アンドレ・デュソリエ
エディ・コンスタンティーヌ
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