デューン/砂の惑星:上巻
原題:DUNE
砂漠伝説 D・リンチも描ききれなかった原作を、最高のスタッフが完全映像化! エミー賞受賞の傑作!
2000年/アメリカ/94min 発売:角川書店・販売:フルメディア(税抜:16,000)
2002年06月25日よりDVD発売開始 2002年3月15日ビデオ発売&レンタル開始
(C)2000 New Amsterdam Entertainment and EpsilonTV Production
サブ題名 〜大いなる砂漠の民〜
解説
全世界で1200万冊・フランク・ハーバート原作のSF小税、『デューン』。あまりにも壮大で徹密な為、巨匠デビッド・リンチをもってしても全てを映像化し切れなかったSF小説の金字塔を、27O分の長編3部作として完全映像化!
『蜘蛛女のキス』『ロスト・イン・スペース』等のベテラン・オスカー俳優=ウィリアム・ハートをはじめ、『スクリーム3』で注目され、アメリカで最も期待されている実力派若手俳優=マット・キースラー、『ハンニバル』のジャンカルロ・ジャンニーニ、『ハート』のサスキア・リーブス、『エースベンチュラ2』のイアン・マックニース、『g:mt』のアレック・ニューマン、『ネバー・エンディング・ストーリー3』のジュリー・コックス、『ロック・ストック&トウー・スモーキング・バレルズ』のP・H・モリアーティーと豪華キャストが集結!
スタッフも実力派揃い!『ゾンピ』『ペット・セメタリー』のリチャード・P・ルビンスタインのプロデュースの下、撮影にはアカデミー賞を三度受賞、『ラスト・エンペラー』等ベルナルド・ベルドリツチとのコンビも有名で、『地獄の黙示録』等数々の名作を担当しているヴィットリオ・ストラーロ。本作品でTVプログラムの最高峰であるエミー賞の2000年度撮影部門を受賞。異世界の衣装を担当したのはアカデミー・ウィナーである、『アマデウス』等のテオドア・ピステク。プロダクション・デザインはセザール賞受賞者で、『デリカテッセン』『インドシナ』等のM・K・クルヤコヴイツク。また、『フロム・ジ・アース』等のアーネスト・フェリーノによる特殊効果も、エミー賞を受賞している。
【チェック・ポイント!】
F・ハーバートがヒューゴ、ネビュラ両賞を独占した壮大な宇宙救世主伝説『デューン 砂の惑星』(邦訳は文庫本4分冊)の映像化が最初に企画されたのは70年のことで、オリジナル版『猿の惑星』シリーズのプロデューサーであったアーサー・P・ジェイコブスが企画を進めるも脚本が完成する前に頓挫、72年には異能の巨匠アレハンドロ・ホロロフスキーに移り、サルバート・ダリ、H・R・ギーガー、ダン・オバノン等が参加しプリ・プロダクションを開始するも、残念ながらこの企画も実現にはいたらなかった。ただ、この時の縁が元でギーガーとオバノンが、SFホラーのマスター・ピース『エイリアン』で共同作業を行うことになったのは有名な話。
その後も幻の企画として噂され続けたこの原作は、81年に底抜け大将ディノの娘ラファエラ・デ・ラウレンティスが正式に映画化権を収得し、当初はリドリー・スコットを監督に予定していたが、「『エレファント・マン』のきめ細かい人間描写にほれ込」み、デヴィッド・リンチを監督に起用。84年に製作費5000万ドルの超大作として公開される。ただし、長大な原作の映画化作品ということで、5時間あまりのシーンが撮影されたものの、興行上の理由を主張する製作者側の言葉には逆らえず、半分以下の長さである137分に編集され公開された。『砂の惑星』は、それでもリンチのダークな嗜好が横溢する絵面により忘れ難い印象を残す作品となっているが、やはり物語的には駆け足過ぎて舌ったらずな部分も多々ある。しかしリンチ自身が思い描いたディレクターズ・カット版は、4時間半の長さを想定していたものということであれば、これは仕方のない部分だろう。果たしてそれが既存の映画の興行形態で認められるべきものなのかどうかは兎も角として、リンチDC版がはたしてどのようなドラマ展開を見せてくれたのか、ファンには興味がつきないところである。
なお、膨大な量に及ぶ未使用フッテージの一部は、その後88年にアメリカで2時間枠2夜のスペシャル枠でテレビ放映された際に50分が復活、同時に放送コードに触れる10分がカットされた新ヴァージョンが製作される。日本でも『デューン/スーパープレミアム[砂の惑星・特別篇]』としてビデオ・リリースされたこのヴァージョンは、生命の水の創造場面やバリセッとを爪弾くガーニーなど忘れ難い印象を残す場面が復活しているものの、その編集作業にはリンチはタッチしていず結果アラン・スミシー名義となり、また長くなったとはいっても、それでも当初想定していたものに比べれば未だ2/3の長さなのだ。
そして正式な映像化作品としては二度目になるのが、今回我が国ではビデオ・オリジナル版としてリリースされた『デューン』(全3巻)だ。アメリカではサイファイ・チャンネルで00年に、3夜放映のミニ・シリーズとして放映されたもので、全長ではリンチが望んだ4時間半というランニング・タイムを実現した。『上巻〜大いなる砂漠の民〜』では、宇宙の派遣を握る鍵となる“スパイス”が産出されるアラキスにやってきたアトレイデス家が、陰謀の渦中で宿敵ハルコネン男爵により壊滅させられるまでを描き、その過程でアトレイデス家の嫡子ポールが、“クイサッツ・ハデラッハ(超人)”としての素質の片鱗を発露させていく姿を描く。確かに物語的な飛躍は減り、例えば劇場版では何のために出てきたの…でもまだトウが立つ前のヴァージニア・マドセンが可愛いからいいかぁ、だったイルラン姫も、父シャダム皇帝の道具として操られる日々の中で、独自の道を進もうとする姿が描かれキャラクター描写に存在感が増している。
また、映画版が製作された頃のSFX大作でありながらも、技術的にはロー・テクな特撮描写が、遠未来世界の古感を醸し出していたが、本作はその大半がCGI等今風のVFXにより異世界を創造。ポールらがスパイスの採掘場で初めて遭遇したサンド・ワームの場面等は、節々ごとに動く滑らかな動きと巨大な口の中に並ぶ巨大な牙の数々、そしてソプターを呑み込もうと伸び上がるワームの威容と巨大さを表現する砂塵の描写が、映画版以上にクリーチャー好きの琴線を震わせる。一方で、黄金色に輝く砂漠の光景にクリアすぎるきらいがあり、大作といえどもそこはやはりテレビ作品、戦闘などのモブシーンで、やはり群集の少なさを感じたりと気になる場面もあるのだが、名撮影監督ビットリオ・ストローラによる華麗な映像は、見応えあり。それぞれの陣営ごとに色分けされた色彩設定も効果的だ。
(殿井君人)
ストーリー
銀河系を支配する帝王シャダム4世は、砂漠の星アラキスの統治権をデューク・レトに与えた。だが、時のアラキス星の統治者バロン・ハーコネンはアラキスを手放す事を許さなかった。
銀河系の幾多の星の中でアラキスは、特別重要な利権を持つ星であった。人間の肉体の強化と維持に最強の威力を持つ、“スパイス”と呼ばれる物資が採掘できる唯一の惑星であったからである。しかし、“スパイス”の採掘は危険な仕事でもあった。“スパイス”は砂漠に住む巨大生物“サンドウォーム”によって守られ、採掘を試みる者を容赦なく攻撃してくる。ハーコネンは“フルマン”と呼ばれるこの土地の部族を抑圧し、この過酷な労働を強いていた。
ハーコネンは、アラキスの統治権奪回のためデューク・レト暗殺を計画する。レトには最愛の妻ジェシカと、完璧な貴族教育のもとに、賢く勇敢な若者に成長した息子ポールがいた。、しかし、ポールの師の一人ドクター・ユーの裏切りにより、レトの暗殺は成功してしまう。レトが帰らぬ人となり、ハーコネンの残忍な行為を恐れたジェシカとポールは、アラキスの首都アルキーンから、サンドウォームの住む砂漠へと逃げ込む。そこには、砂漠の民フルマンとの運命の出会いが待っていた。
スタッフ
製作:リチャード・P・ルビンスタイン『ゾンビ』『ペット・セメタリー』
監督・脚本:ジョン・ハリソン
衣装:テオドア・ピステク
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ『ラスト・エンペラー』『暗殺の森』
特撮:アーネスト・ファリーノ『フロム・ジ・アース』
キャスト
ウイリアム・ハート『蜘蛛女のキス』『ロスト・イン・スペース』
アレック・ニューマン『g:mt』
サスキア・リーブス『ハート』
P・H・モリアーティー『ロック・ストック&トゥースモーキングバレルズ』
マット・キースラー『スクリーム3』
ジャンカルロ・ジャンニーニ『ハンニバル』
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