ダイナソー・パニック

『ジュラシツク・パーク』シリーズ、『ダイナソー』等に迫る本格ジュラシツク・ムービー！Ｔレツクスやプテラノドンなどおなじみの恐竜たちに加え、本作でしか見ることの出来ない最強の恐竜が登場。そのリアリティあふれる動きは『ジュラシック・パークⅢ』のスピノサウルスに匹散する迫力です。最新ＣＧ技術を超えたスーパー・クリチャーの数々に驚愕の連続！そして古代女性の妖艶な演技もまた必見！彼女たちに恐竜が襲い掛かる圧巻のシーンは、『猿の惑星』の人間狩りを上回る緊迫感だ。
監督には、『スターウォーズ／帝国の逆襲』の原作者であるドナルド・Ｆ・グラット(ジョージ・ルーカスと共著)。キャストに、ゴールチンーグローブ助演女優賞２回、オスカー助演女優賞ノミネート１回のカレン・ブラックや、ウィリアム・マーシャル（『スター・トレツク』(ＴＶリーズ)）をはじめ豪華な顔ぶれが集結！

【チェック・ポイント！】

　96年製作の恐竜映画だが、『ジュラシック・パーク』シリーズや『恐竜カルノザウルス（ダイナソークライシス）』(苦笑)シリーズのように、何らかの理由で現代に甦った恐竜が人々を襲うパニック映画…ではありません。むしろ本作は、『紀元前百万年』に始まり、レイ・ハリーハウゼンのコマ撮りで、ＣＧＩ登場以前にまさに生きているとしか思えない恐竜を堪能でき、ラクウェル・ウエルチの原始美女スタイルが眩しかった『恐竜100万年』や、デヴィッド・アレンらがコマ撮りで個性的な恐竜を描き、バーバラ・バックの…（以下繰り返しなので略-笑-)『おかしなおかしな石器人』のように、時代考証は完全に無視だけど恐竜と人類が共存する世界での、生存のための闘争(？笑)を描いた作品の系譜に連なるものです。現代において、恐竜と人間が同時代に生息していた等という非科学的な描写があってはならない！などと、製作者が考えたわけではないのは一目瞭然なのですが、とりあえずそこは現代の売れない映画俳優である主人公が時を越えて紛れ込んだ異世界であるという設定と、これまでは直接そのものは見せない原始ルックで少年たちをドギマギさせてくれた過去の作品と異なり原始人のおねーさんたちが競うかのように胸を露出させるあたりが、今風というか少年…じゃなくて“大きい少年”にターゲットを絞った潔さを感じさせてくれるわけだ。３ワードからなる原題も“GIRLS”で締めてるしね。
　それでも一応恐竜の場面は、肉食竜、草食竜、剣竜、翼竜などそれなりにバラエティ豊かに登場し、コマ撮りや派ペットに加えて実物蜥蜴合成まで、アナログ恐竜特撮術を一通り駆使しているあたり、製作サイドのヲタク具合はひしひしと感じられます。映画のほとんどラストの方で、単なる歩行者として登場するアメリカのＳＦマニア・キング、フォレスト・Ｊ・アッカーマンの登場も、そんな気質を感じて故だろうね。
　それにしても、流石に胸こそはだけないけど（ホッ）、原始人のお局？を演じるカレン・ブラックはかなり衝撃的。そりゃ、最近（…って昔からだけど）はＢ級映画の出演が多いけど、『イナゴの日』や『ナッシュビル』なんかの人が「トゥカ！」だからね(笑)。
（殿井君人）