原題:Mostly Martha

完璧なはずの女性シェフ、 マーサのレシピにはひとつだけ 欠けているモノがあったのです・・・

2001年/ドイツ/カラー/ビスタサイズ/105分/ 配給:アミューズピクチャーズ

2003年05月23日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年05月23日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月16日よりテアトルタイムズスクエアにてロードショー公開

公開初日 2002/11/16

配給会社名 0008

公開日メモ 女性シェフを主人公に、見るものに幸せな感動を与えてくれる宝物のような映画が誕生しました。

解説



ドイツのしゃれたフランス料理店で一流のシェフとして働くマーサ。天才的味覚を持つマーサが作り出す料理は芸術的で.レストランも大繁盛。なのにオーナーには「街でニ番目のシェフ」と呼ばれてしまう。彼女のレシピはいったい何が足りないのか?
食という毎日の生活に欠かせない身近なテーマを盛り込みながら、都会でシングル生活を送る女性が新しい人生に向き合い、自分の本当の幸せに気づく姿をほろ苦くもじんわりと暖かいタッチで描いた宝物のような作品が誕生した。
 シェフとして仕事ひとすじの人生を送ってきたマーサ。突然の姉の死で8歳になる姪のリナと幕らすことになる。マーサのおいしい料理も口にせず、他人に心を開こうとしないリナ。さらにレストランには几帳面なマーサとは正反対にどこまでも人生を楽しむことを愛するイタリア人シェフ、マリオがやってきて店の様子が一変する。人生の転機にぶつかったマーサ。料理という小さな世界しか見てこなかった彼女が自分の“人生のレシピ”に欠けていた愛情に目覚めていく。
 食べることは本当は最高に賛沢で心優しい時間のはずなのにそんな人間らしい時間が日常からどんどん失われていっている。この映画は一人の女性シェフの視点を通して現代生活に欠けている愛情や人間らしいコミニュケーションの大切さを描こうとする。仕事の世界では成功しながらも私生活では他人に素直に心を開けず、うまく愛情を表現できない不器明なヒロイン。そして料理を作ることは得意でも、自分が食べることに関しては無頓着。そんな女性が彼女と同じようにシャイで内気な少女リナとの同居生活や開放的なイタリア人シェフ、マリオとの恋を通じてひとりよりも皆で食事を取るほうが楽しいように、愛する人々と一緒に食事をし、共に語らうひと時こそが最高に幸せな時間であることを実感していく。ほろ苦くて、じわーと甘い、心暖まる幸せのレシピ。それはマーサが見ようとなかった愛情や心の触れ合いに気づいたとき、完成するのだ。

ストーリー


ここはハンブルグにあるしゃれたフランス料理店。30代の美しいマーサはこの店の名物シェフだ。父に料理を教えてもらい、プロとして絶対の自信にあふれるマーサは他人と一緒に昼食を楽しむこともなく、自分の料理を認めないお客に対しては乱暴な言葉を投げつける。そんな彼女をオーナーのフリーダは「街で2番目のシェフ」と呼んでいた。
 仕事では一流のキャリアを誇る彼女だったが休日はひとりで過ごし、デートに出かけることもない。下の階に引っ越してきた離婚経験者の建築家のサムに食事に誘われてもマーサが自分の殻を出ることはなかった。精神分析医に通っても一方的に料理を勧めるだけで他人との時間を共有できない。
 しかし、そんな彼女の人生が大きく変わる。姉クリスティンが交通事故で突然他界してしまったのだ。残された8歳の娘、リナは叔母であるマーサの家で暮らすことになる。姉はリナのイタリア人の父、ジュゼッペとはすでに別れシングル・マザーとして暮らしていたのだった。こうしてリナの学校の送り迎えがマーサの新しい習慣となる。
 母の突然の死がショックで食事を口にしようとしないリナ。マーサの自慢の料理さえも彼女を癒すことはできない。学校では空腹のために倒れてしまう。そんな彼女をマーサは自分の働く店に連れて行く。そして、信じられない光景を目にする。リナはその店で働くイタリア人シェフ、マリオが作ったスパゲティをおいしそうに食べたのだ。
 マリオは産休でレストランを休むレアの後任として雇われていた。音楽をかけ、冗談を言いながら料理を作る陽気なマリオ。自分とは正反対の彼に当初マーサは不快感を抱く。しかし、マーサに敬意を払い、愛情と自信に溢れた態度で料理つくりをするマリオを少しづつ彼女も受け入れるようになっていった。温かい愛情に飢えていたリナもマリオに心を許し、休日にマーサの家で彼の料理が食べたいと言い出す。リナのためにこの申し出を聞き入れるマーサ。マリオはリナの父ジュゼッペの住所も調べてくれた。
 マリオの愛情のこもったイタリア料理になごみ、ゲームしながら笑顔を浮かべるマーサとリナ。人間的な温かさでマーサを包み込むマリオをマーサも愛し始めていた。

スタッフ

監督・脚本:サンドラ・ルッテルベック
撮影:ミヒャエル・ベルトル
編集:モーナ・ブロイアー
キャスティング:ヘータ・マンチェフ
プロダクションデザイナー:トーマス・フロインデンタール
衣裳:ベッティナ・ヘルミ
メーキャップ:カタリーナ・エルフマン、マルティーネ・フェルバー・コルディ
音楽:キース・ジャレット、アルヴォ・ベルト、デイヴィッド・ダーリン

キャスト

マーサ:マルティナ・ゲデック
マリオ:セルジオ・カステリット
リナ:マクシメ・フェルシテ
フリーダ:シビレ・カノニカ
レア:カーチャ・シュトゥット
ベルナデッチ:イディール・ユーナー
セラピスト:アウグスト・ツィルナー

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