アダプテーション
原題:Adaptation
2003年アカデミー賞最優秀助演男優賞(クリス・クーパー)受賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞ノミネート、第60回ゴールデングローブ賞最優秀助演女優賞(メリル・ストリープ)受賞、2003年ベルリン国際映画祭審査員特別賞受賞
2002年アメリカ/コロムビア映画、インターメディア製作/カラー/1時間55分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル、SDDS、DTS/配給:アスミックエースピクチャーズ
2004年02月06日よりDVDリリース 2004年02月06日よりビデオリリース 2003年8月23日よりシネマライズほか全国ロードショー!!
公開初日 2003/08/23
配給会社名 0007
解説
2003年第75回アカデミー賞主要4部門(主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞)にノミネートされ、見事クリス・クーパーが助演男優賞を受賞し、その栄冠を制したスパイク・ジョーンズ監督最新作「アダプテーション」。タイトルの意味を紐解くと、”Adaptation”=〔D適応、順応③脚色とある。この作品は本作の脚本家チャーリー・カウフマンが、実際脚本化を依頼されたスーザン・オーリアン著の「蘭に魅せられた男驚くべき蘭コレクターの世界」という本を基に、大胆な脚色を施したエンタテインメント作品である。華々しいデビューで脚光を浴びた「マルコヴィッチの穴」から3年。再びタッグを組んだふたりから、またもやだれも考えつかない奇想天外な傑作が届けられた。ここは「マルコヴィッチの穴」の撮影現場。セットの片隅に佇むのは、ニコラス・ケイジ演じる当作脚本家本人のチャーリー・カウフマンだ。この映画で結果アカデミー賞脚本賞にノミネートされるほどの大成功をおさめる天才でありながら、チャーリー・カウフマンは仕事でもプライベートでも常に不安を抱えていた。そんな彼が、スーザン・オーリアンという女性ルポライターが上梓した熱狂的な蘭コレクター、ジョン・ラロシュを描いたノンフィクション。「蘭に魅せられた男、驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼される。だが、ストーリーらしい展開のないこの本を前にチャーリーは立ち往生してしまう。一方、ニコラス・ケイジが一人二役で演じる双子の弟ドナルド・カウフマンはチャーリーとは正反対にいつも陽気だ。女と戯れるかたわら、チャーリーのような脚本家を目指して、ドナルドはロバート・マッキーなる人物が主催する脚本講座に通い、「3」というお決まりごとだらけのお気楽な脚本を書き上げる。ところがこれがハリウッドでは傑作の評価。一方、チャーリーは「マルコヴィッチの穴」の驚きを凌ぐ新作を期待される周囲からのプレッシャーでますますスランプに陥り、ついに、蘭に取り憑かれた男と、その男に魅せられた女の話に、書けない自分を映画に登場させるというとんでもない奇策に出るのだが…。本来ならばこの映画は、すんなり原作の主人公“蘭に魅せられた男”、ジョン・ラロシュを中心に物語が展開するはずが、原作本の著者、脚本家とその双子の弟まで登場。虚構と現実のイレコ構造が果てしなく続く、想像を絶する仰天世界が広がっていく。インディペンデント映画でさえ描かないような業界の内輪話で始まる内向的なストーリーが、ある瞬間を境として急激に加速し、急転直下、最後はあっと驚くハリウッド流アクション+感動作にと変身する。共演は、本作で第75回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたニコラス・ケイジ。近年、アクション俳優としての側面が色濃かった反面、今回は全く性格の違う双子の兄弟を、繊細に表現し分けて魅せる。原作の著者スーザン・オーリアンを演じるのはこちらも本作で助演女優嘗にノミネートされ、キャサリン・ヘップバーンを抜き、史上最多の通算13回のノミネート回数を誇る大女優メリル・ストリープ。そして見事、初のアカデミー賞ノミネートで助演男優賞を受賞したクリス・クーパーは、幽霊蘭に魅せられた蘭コレクター、ジョン・ラロシュの知性と野性味溢れる人物像をくっきりと浮き彫りにし、受賞にふさわしい演技を披露。その他、『ザ・ビーチ』のティルダ・スウィントンがプロデューサー役で華を添え、スーザン・オーリアンの夫役に『L.A.コンフィデンシャル』の監督カーティス・ハンソンが扮するなど、映画ファンを楽しませてくれる。また、冒頭の『マルコヴィッチの穴』の撮影現場シーンから、ジョン・マルコヴィッチ、ジョン・キューザック、キャスリーン・キーナーの特別出演など手の込んだ演出も嬉しい。
監督は『マルコヴィッチの穴』の鬼才スパイク・ジョーンズ。ミュージック・クリップの異端児というレッテルをすっかり過去のものとし、堂々たる映画監督として2作目を創りあげた。またもや誰も考えつかない、突飛な世界を描きあげたのは『マルコヴィッチの穴』ヒューマン・ネイチュアのチャーリー・カウフマン処女作『マルコヴィッチの穴玉では200ドルを支払えば、15分間ジョン・マルコヴィッチの頭の中に入れるという型破りなアイデアで世間を驚かせたこの二人組み。奇抜さばかりが目を引くが、彼らが手を組むと必ずやゴージャスな官暦がついて回りその実力は底知れない。原作「蘭に魅せられた男・驚くべき蘭コレクターの世界」を書き上げたのはニューヨーカー誌のライター、スーザン・オーリアン。製作には「羊たちの沈黙」の監督ジョナサン・デミと同作の製作を手掛けたエドワード・サクソン。そして「マルコヴィッチの穴」のヴィンセント・ランディが名を連ねる。その他「マルコヴィッチの穴」のメンバーが続投、撮影のランス・アコード、プロダクション・デザインのK・K・バーレット、編集のエリック・ザンブランネン、音楽のカーター・バーウェル、衣装のケイシ・ストーム。彼らはスパイクとチャーリーに見事に共鳴し、オリジナリティ溢れる世界の表現に成功している。そして、視覚効果のグレイーマーシャルも続投組。虚構と現実の入り混じる中に、ドキリとさせる効果がインパクト大。
ストーリー
『マルコヴィッチの穴』の脚本で大成功を収めたチャーリー・カウフマン(ニコラス・ケイジ)はスーザン・オーリアン(メリル・ストリープ)の著書「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼される。それは、フロリダで蘭を不法採集した栽培家ジョン・ラロシュ(クリス・クーパー)を追いながら、人々を掻き立てる”情熱”を体験したいと願う著者自身の願望を描いたベストセラーだった。しかしアイデアがまとまらないチャーリーは脚本を書き上げられず、行き詰まってしまう。気が付けば、美人プロデューサーからいきつけのカフェのウコ:イトレスまで、あらゆる女性の妄想にふけりながら、より斬新なストーリーを求めて紡程っていた。一方、同じく脚本家を目指していた双子のドナルド(ニコラス・ケイジのニ役)は、ロバート・マッキー(ブライアン・コックス)の脚本家養成セミナーに参加して感銘を受ける。しかも意外なことにドナルドの脚本は順調に完成、新進脚本家が誕生する。チャーリーはドナルドを小馬鹿にしていたにも関わらず、例えそれが彼には全く価値のない作品であったとしても、ドナルドが評価を得たことに苦々しい思いを爆発させる。しかしチャーリーはそうした苦悩の末、遂には脚本に自らを登場させるという突飛なアイデアを思いつく。そうしてスーザンに会いに行こうと決心したところがら現奥とフィクションが交錯」事態は思わぬ方向へと転がっていくことになる。
スタッフ
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:チャーリー・カウフマン&ドナルド・カウフマン
原作:スーザン・オーリアン(「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」/早川書房刊)
製作:エドワード・サクソン、ヴィンセント・ランディ、ジョナサン・デミ
製作総指揮:チャーリー・カウフマン、ピーター・サラフ
編集:エリック・ザンブランネン
音楽:カーター・バーウェル
衣裳:ケイシー・ストーム
撮影:ランス・アコード
キャスト
チャーリー・カウフマン/ドナルド・カウフマン:ニコラス・ケイジ
スーザン・オーリアン:メリル・ストリープ
ジョン・ラロシュ:クリス・クーパー
ヴァレリー:ティルダ・スウィントン
アメリア:カーラ・シーモア
ロバート・マッキー:ブライアン・コックス
キャロライン:マギー・ギンレイホール
アリス(ウェイトレス):ジュディ・グリア
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