原題:THE VOID

地上に出現したブラックホールが、全てを吸いこむパニック大作! 人が!ビルが!車が!街が!そして、地球が!! 巨大なブラックホールに地球全体が吸いこまれるまで、 タイムリミットは24時間!!

2000年/アメリカ映画/94min/販売:エスピーオー

2002年1月1日DVD&ビデオ発売 2001年12月22日ビデオレンタル開始

(C)2001 Lions Gate Films,Inc.

解説


地球が跡形もなく吸い込まれる危機を描いた、初のバキューム・パニック大作!クアンテックス社のワンマン社長役に名バイプレイヤーのマルコム・マクダウェルが扮し、緊迫したシーンに重厚な演技でよりリアリティを加味している。『アメリカン・サイコ』『シャドー・オブ・ヴァンバイア』など大ヒットを連発しているLI0NS GATE製作で面白さ保証付の話題作。

【チェック・ポイント!】

 “ブラックホール”という邦題がつけられた作品は、本作で3本目。しかしジュブナイル冒険SF仕立てによる78年のディズニー作品や、97年作品が宇宙を舞台にしたものであったのに対し、本作は人間が武器として開発しているものというのが新機軸(まぁ、『ゴジラ対メガギラス』(00)では、既に武器として使われていたけれど…)。地上を舞台にして、劇中の台詞でも登場する『チャイナ・シンドローム』(79)系サスペンス・パニック作品であり、実験が行われるほとんど研究所のみが危機に見舞われる。まぁ、パッケージ・アートに関しては、事態がそのまま暴走したらなったであろう姿である…ってことは、観る前から大体みんな予想してるよね(笑)。大体そうなったら、それで映画終わっちゃうもんな。それでも、観たかったけど…。内側にめり込むように崩壊していく研究所というクライマックスのビジュアルは、『ポルターガイスト』(82)の最後にアナログ・テクで見事に見せた家の崩壊場面を、VFXで再現したような感じだ。
 『if もしも…』(68)、『時計じかけのオレンジ』(71)などの先鋭的な若者として注目を集めたマルコム・マクダウェルだが、80年代以降は専らねちっこい悪役として、その特異な存在感を現している。本作でも、表向きには石油に替わる画期的なエネルギーの開発、その実政府と裏で結託し凄まじい威力の兵器の開発を進める悪の研究所長役だ。彼は資源繋がりということでは、『タンク・ガール』での砂漠化した地球で水を独占し世界を牛耳るウォーター&パワー社に続くものか。ただし、今回の映画では私利私欲に走る所長という役柄の割には、最後に自分の過ちを認め自己犠牲で顛末を収束させようとするあたりが今ひとつ中途半端な印象を受ける。パニック状態の中でも自己中心に突っ走り、周囲を危機に巻き込むような、もっとはじけた悪役ぶりを見せて欲しかったところ。
 監督のギルバート・シェルトンはテレビ・シリーズを中心に活躍していて、SF系の作品では『V』(84)、『タイムマシーンにお願い』(89)、『ポルターガイスト/ザ・レガシー』(96)などのエピソードを撮っている。
(殿井君人)

ストーリー



クアンテックス社は世界のエネルギー危機を解決する超粒子加速器:スーパー・コリダーを開発。だが研究員の一人がスーパー・コリダーの実験は地球の大変動を引き起こし、地球全休がブラックホール化することを知る。実験を阻止しようとするがすでに遅く、突如出現したブラックホールにクアンテックス社のビルは吸い込まれ始めた。ブラックホールのスピードは加速し、もはや地球全休が吸い込まれるまでタイムリミットは24時間しか残されていない!

スタッフ

監督:ギルバート・シェルトン
製作:デビッド・ウィルソン
脚本:ゲーリー・クディア・バーガー、ギルバート・シェルトン

キャスト

マルコム・マクダウェル『時計じかけのオレンジ』
エイドリアン・ポール『リバー・ランズ・スルー・イット』
アマンダ・タッピング『アウター・リミッツ』

LINK

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