2001年/日本/デジタルビデオ/カラー/84分/ 製作・配給:ビー・ビー・ビー株式会社

2001年9月29日より渋谷シアターイメージフォーラムにてレイトショー公開

公開初日 2001/09/29

公開終了日 2001/12/21

配給会社名 0235

公開日メモ 今まで公にされることのなかった彼の現在を、デジタルビデオで追った珠玉のドキュメンタリーである。

解説

天才アラーキーこと荒木経惟をして「新しい写真の時代を作り出した男」と言わしめる写真家・森山大道。60年代後半より常にカリスマ的存在として写真界に君臨しながらも、マスコミへの表立った登場を拒み続けていたため、その人物像はどこか謎のヴェ−ルに包まれている。
本作品『 ≒(ニア・イコール) 森山大道 』は、今まで公にされることのなかった彼の現在を、デジタルビデオで追った珠玉のドキュメンタリーである。

■コンパクトカメラ v.s. デジタルハンディカム
森山大道の写真に対する基本的な姿勢の中に、表現性との訣別、そしてアマチュアリズムの肯定というものがあり、実際に彼が使用しているのはコンパクトカメラ(!)である。これにそのまま倣うかのように、本作品に用いられたビデオカメラはハンディカム(SONY-VX-2000)一台のみ。更にスタッフも原則的に一名、その上なんと構成案も一切ナシと、徹底的にアマチュアライクかつフォトドキュメント的なスタイルで行われたという撮影は、氏が活動拠点にしている新宿をメイン舞台に、2000年秋から5ヶ月に及んだ。ハンディカムならではの、いい意味で肩の力の抜けた撮影スタイルは、新しい映像制作のカタチを提示している。

■立ち入り禁止の暗室作業まで収録! のレアな映像群
約20ものトピックスからなる本作品は、伝説の高速スナップ&ノーファインダー撮影をはじめ、本人以外は立ち入り禁止の暗室作業など、滅多に見ることのできない貴重な映像が断片として紡がれており、見る者を惹きつけて止まない。また、古くからの友人である荒木経惟らがフランクに語るその素顔や様々なエピソードが、彼のこれまでの作品群と共に紹介され、彼の創造の根元的精神へと見る者を誘う・・・。

■撮られるだけじゃ終わらない
森山大道が被写体にとどまらず、初めてのデジタルカメラでの撮影に挑戦するなど、「アナログとデジタルの相対化」も本作品のポイント。

■いろんな顔を持つ男
一見するとクールで近寄り難そうなイメージの森山大道だが、作品が進行するにつれ、そのイメージは完全に裏切られる。彼の生真面目さと不真面目さが微妙なバランスで背中合わせする生き様に、ファンのみならず新世紀日本を生きる誰もが、嫉妬せずにはいられないはず。かっこよすぎます、森山大道!

■≒(ニア・イコール)とは:
「近似値」「だいたい同じ」ということを表す。
映像に記録できることは、真実すべてなどといった大仰なことではなく、あくまで物事の表層的なものに過ぎず、同時にまた、ドキュメンタリーといえども結局は作り物に過ぎないという根本的な姿勢を表している。

ストーリー

森山大道とは?

1938年大阪生まれ。フリーのグラフィックデザイナーを経て、写真家・岩宮武二および細江英公のアシスタントとなる。1964年に独立。
1968年、ブレ・ボケ・アレと称される前衛的写真の先陣を切り『にっぽん劇場写真帖』を発表。以降、写真という概念/制度の最大限までの拡張・解体を試みる。その極限とも言える写真集『写真よさようなら』(1972年)によって写真界にかつてない衝撃を与えるが、その後、一時的に撮影行為から遠ざかる。
1982年、『光と影』によって完全復帰。90年代に入ってもその活動は衰えることを知らず、シリーズ『Daido-hysteric』(1993-97年)を始めとする斬新な作品群を次々と発表。20代の若者を中心とした新たなファン層も獲得する。1998年からは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館を始め、全米で2年に渡る大規模な巡回回顧展が行われるなど、世界的な評価も高い。
本年11月に新宿を被写体とした600ページに及ぶ新作写真集を月曜社より刊行予定。2002年にはパリ・カルチェ美術館にて個展が準備されている。

スタッフ

企画・取材・撮影・編集:藤井謙二郎
オンライン編集:馬場秀夫
MA:清水和法
タイトル:芦野麻友美
制作アシスト:丸山克生、山川雅彦、田中孝、武田政旭
製作:河合伴明
製作総指揮:榎本寛治

キャスト

森山大道
荒木経惟
西井一夫
笠原美智子
サンドラ・フィリップス(サンフランシスコ近代美術館)
山岸享子
猪瀬 光
榊原 斎
丹野清志
瀬戸正人
大田通貴(蒼穹舎)
境洋人
野口浩史
中村悦子
後藤啓太

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