また、逢おう きっと都会のどこかで白い竜が眠っている

第26回湯布院映画祭特別試写作品

2002年/日本/116分 配給:アミューズ・ピクチャーズ

2002年09月27日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年3月2日よりシネ・アミューズ系にて公開

(C)2002 『竜二 Forever』製作委員会

公開初日 2002/03/02

配給会社名 0008

公開日メモ 映画に憧れ、映画に生命を懸け、想いのたけを形にした人間たちの物語。その物語をたどった作品が『竜二Forever』だ。1983年、多くの映画人が衝撃を受けた『竜ニ』という映画があった。

解説


映画に憧れ、映画に生命を懸け、想いのたけを形にした人間たちの物語。その物語をたどった作品が『竜二Forever』だ。1983年、多くの映画人が衝撃を受けた『竜ニ』という映画があった。
そして鮮烈な映画デビュー、しかも彼がこだわった“主役”デビューを果たした男、それが金子正次である。唯−の主演映画『竜二』(83/川島透監督)は9冠の栄誉に輝いた。
作品の主人公”竜ニ”は、まさに金子の肖像であり、作品が吐き出す

その荒削りな底知れぬ熱情のパワーに映画人たちが惜しみない喝采を贈ったのである。脚本にクレジットされた鈴木明夫は金子のペンネーム。脚本家としてより、主演、つまり役者として映画に関わることにこだわり続けた金子の素顔がうかがえる逸話だ。彼が生涯で手掛けた作品はたった5本。他界後、彼の遺した脚本4作のうち『チ・ン・ピ・ラ』(84:川島 透)、『チンピラ』(96:青山真治監督)、『ちようちん』(87/梶間俊一監督)、『獅子王たちの夏』(91/高橋伴明監督)の3本が映画化されている。残念ながらもう、役者、金子の姿を観ることはない。だが、大きな夢を追って想いをぶつけて映画に人生を懸けた人間の伝説は息づいている。時を経た現在もまだ冷めることのない金子正次の情熱がスクリーンに還ってくる。

竜二、——–フォーエヴァー。
原作は、生江有ニ「竜二 映画に賭けた33歳の生涯」(幻冬舎刊)。監督は『シャブ極道』等のセンスある演出が冴える綿野辰興。キャストは、金子の映画に対する情熱に共鳴を憶え心から感動したという高橋克典が熱く主演、そして石田ひかり、香川照之、木下ほうか、臭貫薫、高杉亘のパワフルな共演陣に加え、堀部圭亮、水橋研ニ、田中要次といった旬な演技達者に劇作家の藤田簿、ベテランの正司花江、まだ『竜二』にも出演した高橋明、そして桜金造、笹野高史が友情出演している。

ストーリー



映画だよ、俺が主役の映画つくるんだ!
金子正次[高橋克典]26歳。映画に憧れる小さな劇団の一員である。出奔した演出家の替わりを押しつけられた旧友の田中[香川照之]はドキュメンタリーを志す若き映像作家だが、どんどん金子のペースにハマっている。同じ頃、新しい出逢いもあった。
おおよそ演劇に縁のなさそうな幸子[石田ひかり]。「いいなあ彼女」。田中もつぶやく。
やがて恋が発展し正次は幸子と結婚、幸子は劇団を辞めた。愛娘・奈々も生まれ、生活は楽ではないが、正次の映画への想いは尽きることがない。正次の小さな居酒屋には同じ想いを抱く田中や石原[木下ほうか]といった仲間たちが互いの情熱を語り合うたまり場になっていた。

『竜ニ』との出会い
「これ、映画化してよ、みんなで大きく羽ばたこうぜ!」

ある日新宿の街で倒れ、病院に担ぎ込まれた正次はついに決意する。「自分で書いた脚本「竜ニ」で主演デビューするんだ」。監督は田中、そして石原[木下ほうか]にもサポートを頼んだ。すでにスター俳像となっていた同郷の友、羽黒大介「高杉亘」に業界へのツナギを頼む正次。しかし事はそううまくは運ばない。羽黒の好意すらうっとおしく感じられる。正次は自身にも云いきかせる。
「待ってろよ…」。

映画という魔物に魅せられた名もなきヒーロー
やがて金子正次は英雄となった

結局なけなしの自主映画として「竜二」はスタートをきった。限りなく低予算、クルーは最少人数、しかし女優の萩島慶子[奥貫薫]や売れっ子タレントの出演も決まった。だが、初監督に戸惑う田中、滞り気味の撮影、不足する製作費、トラブル続きの現場は最悪の雰囲気となってしまった。ようやくクランクアップにこぎつけるもののラッシュを観た正次は、田中に殴りかかる。「これは俺の映画じゃない。金子の映画でもないよ!」と、叫ぶ田中に正次は絶叫する。「これは俺の映画なんだ!・・・」
正次は、石原に撮り直しを頼んだ。再度の撮影。入魂の作品は好評を呼ぶ。しかし正次は再び病に倒れてしまう。主演俳優の窮地を知らずに満場の映画館は感動に揺れていた・・・。

スタッフ

脚本・監督:細野辰興:
製作総指揮:植村伴次郎、中村雅哉
製作統括:早河 洋、宮下昌幸、猿川直人、薬師寺 衛
製作:豊 忠雄、上松道夫、泉 英次、瀬崎 巌
企画:近藤 晋、木村純一、見城 徹
プロデューサー:辻井孝夫、安村重幸、岩本太郎
原作:生江有二「竜二 映画に賭けた33歳の生涯」(幻冬舎刊)
脚本:星 貴則
音楽:藪中博章
撮影:栗山修司
照明:高柳清一
美術:尾関龍生
録音:田中靖志
編集:岡安 肇
記録:西岡容子
助監督:久保朝洋
刺青:栩野幸知
スチール:池田岳史
製作担当:甲斐路直
製作協力:東北新社クリエイツ
配給:アミューズピクチャーズ

製作:東北新社、日活、テレビ朝日、アミューズピクチャーズ

キャスト

高橋克典
石田ひかり
木下ほうか
奥貫薫
高杉亘
堀部圭亮
正司花江
藤田傳
水橋研二
田中要次
高橋明
桜金造
笹野高史
香川照之

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