原題:The Road to Perdition

彼は自分の人生を生きられなかった。だからこそ、自分の息子には人生を与えたかった。

2002年3月6日フランス初公開

2001年/アメリカ映画/カラー/119分/ 配給:20世紀フォックス

2010年05月21日よりDVDリリース 2005年04月20日よりギャング映画二作品とのセット〈初回生産限定〉のDVDリリース 2005年03月16日よりDVDリリース 2003年03月19日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年03月19日よりDVD発売&レンタル開始 2002年10月5日より日劇1ほか全国ロードショー公開

TM and (C) 2002 Fox and its related entities. All rights reserved. TM and (C) 2002 DreamWorks, LLC. All rights reserved.

公開初日 2002/10/05

配給会社名 0057

公開日メモ 彼は自分の人生を生きられなかった。だからこそ、自分の息子には人生を与えたかった。

解説


アカデミー主演男優賞に2度輝いたトム`ハンクスと「リプリー」で助演男優賞にノミネートされたジュード・ロウ、そして最後の銀幕のスターことポール・ニューマン。この3人の大スターと「アメリカン・ビューティー」でアカデミー作品・監督賞を獲得したサム・メンデスの夢のようなコラボレーションが実現した。「ロード・トゥ・パーティション」一一それは、愛する妻と息子を殺されたアイルランド系マフィアの幹部マイケル・サリヴァンを主人公に2組の父と子の姿を通し、組織の掟と愛の再生を描いた重厚なアクション叙事詩である。
7月12日に全米公開され、早くもアカデミー賞に最も近い作品として絶賛されている。時は旧30年代、大恐慌真っ只中のシカコ。マイケル・サリヴァンはアイルランド系ギャングの殺し屋として働いていた。しかし、妻と次男の命を奪われ、サリヴァンは生き残った長男とともに復讐と救済を求めて旅立った。「パーティション」とはサリヴァンと息子のマイケル・サリヴァン・ジュニアが目指す町の名。そして、同時にこれは”地獄’を碗曲的に意味する言葉でもある。マイケルは人生において常に自分の道を自ら選んで生きてをた。だが、その道は地獄へとつながっていた。愛する者たちを失った彼は、息子に伝えたいと思う。自分と同じ道を歩んではならないと。今、彼は息子の魂を守るための戦いに挑んでいた。これまでの長い年月、裏街道を歩んできた彼は、はたして息子との絆を通して救済を得ることができるのだろうか。「ロード・トゥ・パーティション」の原作はマックス`アラン・コリンズの原案とリチャード・ピアース・レイナーの作画によるグラフィック・ノベル。「ドライビングMlssテイジー」でアカデミー賞を受賞した名プロデューサー、リチャード・D・ザナックはこの原作を読んですぐさま魅了された。そこには刺激的な映画の要素がすべて注ぎ込まれていた。素晴らしいアクションと多彩な登場人物。そして、物語が進むにつれ、父と息子の関係が築かれていく。心の琴線に触れるその物語は、「13テイズ」などで知られる脚本家デイヴィッド・セルフの手によってさらに細かく肉づけされ、父子のキャラクターが掘り下げられ、人間的な感情が植え込まれていった。
この脚本を読んだサム・メンデス監督はためらいなくアカデミー受賞作「アメリカン・ビューティー」に続く第2作に選んだ。それは彼がかねがねアメリカの最後の神話的背景だと考えていた大恐慌時代を舞台にした本格的ギャング映画だった。夢のような黄金都市シカコ。そこには、物語を語るための巨大で多様なキャンバスが広がっていた。ストーリーは明瞭で前向きなパワーで構成され、容赦なくどんどん前へと進んでいく。主人公マイケル・サリヴァンはたまらなく魅力的だが、道徳的には曖昧で聖人君子と呼ぶにはほど遠い男。我々観客は最後まで彼が善人なのか悪人なのか悩み続け、気がつくと彼らの世界にどつぶり浸かっている。サリヴァンを演じるのは「フィラデルフィア」と「フォレスト・ガンプ/一期一会」でオスカーを手にしたトム・ハンクス。これまでの自分の生きざまに罪悪感と後悔の念を抱いている、暗くミステリアスな男の心情を、沈黙で観客に伝える並外れた表現力には圧倒される。サリヴァンにとって父親のような存在であるジョン・ルーニーは「ハスラー2」でアカデミー賞に輝いた”銀幕の伝説”ポール・ニューマンが演じた。息子同様に思うサリヴァンと実の息子コナーの狭間で引き裂かれるルーニーの葛藤を演じて、さすがにいぶし銀の魅力。「リプリー」でアカデミー賞にノミネートされたジュード・ロウは表向きはカメラマンだが実は殺し屋という裏の顔を持つ複雑なキャラクター、マグワイアに扮して人間のダークサイドを際立たせる。
また、「ミセス・パーカー/ジャズエイジの華」でゴールデン・グローヴ賞にノミネートされたジェニファー・ジェイソン・リー、「シェフとギャルソン、リストランテの夜」で共同脚本・共同監督主演をこなした才人スタンリー`トゥッチ、「エリザベス」のダニエル・クレイグといった実力派に加え、2000人のオーディションで選ばれた新人タイラー・ホークリンと「グッドナイト・ムーン」の子役リーアム・エイケンがサリヴァンの息子役で出演している。製作はアカデミー受賞作「ドライビングMlssテイジー」をはじめとして数々の秀作を送り出してきたハリウッドの2代目タイフーン、リチャード・Dサナックと3代目のティーン・ザナック。「グラディエーター」のウォレター・F・パークスと「キャストアウェイ」のジョーン・フラッド・ショーカ製作総指揮を手がけた。
撮影監督は「アメリカン・ビューティー」(2度目のアカデミー撮影賞受賞)に続し、てメンデスとのコラボレーションとなる名手コンラッド・L・ホール。プロダクション・デザイナーにはコーエン兄弟の諸作やオスカー受賞の「バクジー」などで知られるデニス・ガスナー。「バクジー」と「オール・ザット・ジャズ」で2度アカデミー賞を受賞しているアルバート・ウォルスキーの衣裳ともあいまって1930年代のシカゴの町の雰囲気が鮮やかに再現されている。また、「アメリカン・ビューティー」でアカデミー寅とゴールデン・グローブ賞にノミネートされたトーマス・ニューマンカ信楽を担当している。

ストーリー


波が打ち寄せる美しい湖の辺に立った少年は1931年の冬の6週間の日々を思い出していた。それは、彼と父マイケル(マイク)・サリヴァンの物語だった。雪の降るイリノイ州ロックアイランドの町。挿し絵入りの「ローン・レンジャー」の小説が大好きな12歳になるマイケル・サリヴァン・ジュニア(タイラー・ホークリン)は弟のピーター(リーアム・エイケン)と庭で雪合戦に興じていた。しょう酒な家の中では母アニー(ジェニファー・ジェイソン・リー)が息子たちを笑顔で見守っていた。それは平和な家庭そのものに見えた。しかし、マイケルは帰宅した父マイク・サリヴァン(トム・ハンクス)がベッドの上にピストルを置くのを目撃する。父サリヴァンはロックアイランドの町を牛耳るアイルランド系ギャンクのボス、ジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)に息子のように愛されており、マイケルとピーターも孫のようにかわいがられていた。ルーニーの実の息子コナー(ダニエル・クレイグ)はそんな父とサリヴァンの親密さを苦々しく思っていた。その日、ルーニーの豪邸では彼の経営する工場で死んだダニー・マクガバンの通夜か営まれていた。酔った勢いでルーニーに批判的なスピーチをしたダニーの兄フィンをサリヴァンは止め、彼を車に押し込んで家に帰した。寝つけずにその夜「パパの仕事はなに?」と聞く弟の問い、に「ルーニーさんのために仕事をしていて、危険なこともあるので銃を持って行くんだ」としかマイケルには答えられなかった。彼のヒーロー、ローンレンジャーのように。
日を改め、雨の夜フィン・マクガバンのところヘルーニーの命令通りコナーと一緒に向ったサリヴァンだったがコナーはなぜか話し合いの途中で突然フィンを射殺。サリヴァンもしかたなくフィンの手下をマシンガンで皆殺しにする。その時、破れたドアの下から誰かに見られていることにコナーとサリヴァンは気づく。自分が目にした光景に怯えながら雨の中でうずくまっていたのは父親の仕事に好奇心を持ち、車の座席の下に隠れてついてきた息子マイケルだった。サリヴァンはルーニ一の部下の中で最高の殺し屋だったのだ。ショックを受けるマイケル。組織の幹部会でフィンを殺した件を父に責められたコナーは,次第に追いつめられていった。父への恐れと、サリヴァンヘの嫉妬や憎悪。殺人現場を見たマイケルがしゃべるのを怖れ、邪魔なサリヴァンともども殺すことを決意する。そうとは知らぬサリヴァンにルーニーの使いだと偽り「こいつを殺せ。借金は帳消しにする」という手紙を持たせてチンピラギャングのところへ送り込む。自分はサリヴァンの家に赴き、妻のアニーと家にいた息子を射殺する。マイケルと間違えて弟のピーターを殺したとは気づかずに。ケンカをしたために学校で居残りをさせられて家に帰るのが遅れたマイケル。自分を殺そうとした男を返り討ちにし、息子の危機に気づいて家に戻ったサリヴァン。2人は突然の悲劇にどうすることもできなかった。
 サリヴァンはコナーのアパートヘ、彼を殺しに行く。けれど組織はすでにコナーを逃がし、彼の凶行を許し再出発するために和解金が提示された。サリヴァンは受け取ろうとせずにメッセンジャーの頭を銃でぶち抜く。父子はシカゴへと旅立った。マイケルを守りコナーへ復讐するために。シカゴのイタリア系マフィアを牛耳るフランク・ニッティ(スタンリー・トウッチ)を訪ねて支援を仰ぐが既に彼のもとにはルーニー父子が来ていた。二人の息子の狭間でルーニーが選んだのはデキが悪くとも血のつながったコナーだった。ニッティは殺し屋マグワイア(ジュード・ロウ)を二人に差し向ける。

スタッフ

監督:サム・メンデス
脚本:デヴィッド・セルフ
製作:リチャード・F・ザナック
ディーン・ザナック
サム・メンデス
撮影:コンラッド・L・ホール
美術:デニス・ガスナー
編集:ジル・ビルコック
衣裳:アルバート・ウォルスキー
音楽:トーマス・ニューマン

キャスト

マイケル・サリヴァン:トム・ハンクス
マイケル・サリヴァン・ジュニア:タイラー・ホークリン
ジョン・ルーニー:ポール・ニューマン
マグワイア:ジュード・ロウ
コナー・ルーニー:ダニエル・クレイグ
フランク・ニッティ:スタンリー・トゥッチ
アニー・サリヴァン:ジェニファー・ジェイソン・リー

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