ヤン・シュヴァンクマイエル
原題:Jan Svankmajer Touch&Imagination
『ファウスト』『悦楽共犯者』につながる傑作短編『ジャバウォッキー』『ドン・ファン』『アッシャー家の崩壊』など劇場未公開作12作品を一挙上映!!
カンヌ映画祭受賞/ヴァネツィア映画祭受賞/オーバーハウゼン映画祭/アトランタ映画祭受賞/その他
『J.S.バッハ——G線上の幻想』(1965年/10分/モノクロ) 『シュバルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』(1964年/1I分/カラー) 『家での静かな一週間』(1969年/20分/カラー・モノクロ) 『庭園』(1968年/17分/モノクロ) 『オトラント城』(1973-79年/18分/カラー) 『ジャバウォッキー』(1973年/14分/カラー) 『棺の家』(1966年/10分/カラー) 『コストニツェ』(1970年/10分/カラー) 『エトセトラ』(1966年/7分/カラー) 『アッシャー家の崩壊』(1980年/16分/モノクロ) 『レオナルドの日記』(1972年/12分/カラー) 『ドン・ファン』(1970年/33分/カラー)
2001年4月28日より新宿武蔵野館シネマ・カリテにて都内独占ロードショー!!
サブ題名 触覚と想像力
公開初日 2001/04/28
配給会社名 0083
公開日メモ 『ファウスト』『悦楽共犯者』につながる傑作短編『ジャバウォッキー』『ドン・ファン』『アッシャー家の崩壊』など劇場未公開作12作品を一挙上映!!
解説
《未公開作を全てオリジナル・ヴァージョンで上映》
チェコでは『アマデウス』のミロシュ・フォルマン監督や『存在の耐えられない軽さ』の作家ミラン・クンデラなど多くの芸術家が亡命したが、シュヴァンクマイエルはチェコで作品を撮り続けることを選び、様々な検閲と闘った。
今回、改変させられた作品をシュヴァンクマイエルの意図通り全てオリジナル・ヴァージョンで上映。国内で上映禁止となり英語版が作られた『ジャバウォッキー』と台詞を全て音楽に差し替えられた『コストニツェ』はチェコ語のオリジナル版で、またお蔵入りにされた『オトラントの城』もカットされたシーンをオリジナルの形に戻した貴重なもの。
《カンヌ、ヴェネツィアなど世界中の映画祭で受賞》
受賞歴がないのは、検閲でお蔵入りにされた作品だけとも言えるほど、撮るもの全てが圧倒的な評価を受けているシュヴァンクマイエル。全ての作品に妥協がなく、その革新性、普遍性で新たな観客を増やし続けている。
実写・クレイ・切り絵・フロッタージュ・線画・オブジェクトのコマ撮りなど様々な技法を組み合わせ独自の世界を生み出すシュヴァンクマイエルの映像。カフカや「ロボット」という言葉を生みだしたチャペック、錬金術やマニエリスム、最先端の機械と職人的な技術が混在するチェコの不思議な伝統に裏打ちされた、独特なユーモアと不条理感に満ちた映像は一度見たら忘れられない強さを持っている。
ストーリー
●『J.S.バッハ——G線上の幻想』——バッハの曲の演奏に合わせ、ひび割れた壁や風にさらされた窓、錆びた鉄枠などが映る。脚本を使わず即興的に撮影した作品。
●『シュバルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』——仮面をつけた二人の紳士が舞台上に現れ、不思議な手品を披露し合う。ラテルナ・マギカなどでの舞台演出の経験を生かしたシュヴァンクマイエルのデビュー作。
●『家での静かな一週間』——人自を避けて一軒の家にやってきた男。ドアに穴を開け、部屋を覗くと、ありふれた物が独自の論理で動く、超現実的な世界がそこにはあった。
●『庭園』——久しぶりに会った友人の家に招かれる男。郊外のありふれた家だが、家の周りを人々が、まるで生け垣のように互いに手を繋いで取り囲んでいる。何気ない会話が社会主義体制への暗示として意味ありげに響く。
●『オトラント城』——幻想小説「オトラント城綺譚」の舞台が、実は東ボヘミアに案在する城だという仮説を、現地で学者が解説するテレビ番組という趣向。古文書の挿し絵が切り絵として動き、学者の解脱と皮肉な対照をなす。
●『ジャバウォッキー』——ジャバウォッキーは、ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に登場する怪物。ジャバウォッキーの詩が朗読され、子供部屋のおもちゃが動き始める。
●『棺の家』——1匹のモルモットをめぐって争う道化達。パンチとジュディのような指人形を使い、木槌で殴り合うスラプスティック・グロテスク・コメディ。
●『コストニツェ』——15世紀のフス戦争の死者など数万人の人骨を収集し、オルリークのシュワルツェンベルク公爵によって完成された納骨堂に関するドキュメンタリー的作品。
●『エトセトラ』——フロッタージュの技法を使い、三つのエピソードで構成される。第一話”翼”、第二話”鞭”、第三話”家”。
●『アッシャー家の崩壊』——「全ての無機物にも知覚はある」と語るアッシャーの言葉。彼の精神状態や邸の崩壊する様が、沼の粘土や木の根、朽ち果てる椅子などで表現される。ナレーターのペトル・チェペックは後に「ファウスト」の主役も演じている。
●『レオナルドの日記』——レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンや図面がアニメーションとして動き、それに合わせ、崩れ落ちるビルや回転するモデルなど、数秒ずつの映像がニュースフィルムなどからコラージュされる。
●『ドン・ファン』——放蕩息子であるドン・ファンは、許婚を弟に奪われ、父にも見放され、復讐を行う。後の長編『ファウスト』に繋がる要素が随所に見られる。
スタッフ
『J.S.バッハ——G線上の幻想』
原案・美術・アニメーション・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー
音楽:J.S.バッハ オルガン
演奏:イジー・ロペク
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『シュバルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』
原案・脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー
音楽:ズデニェク・リシュカ
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『家での静かな一週間』
原案・脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー/カレル・スザン
アニメーション:ズデニェク・ショプ
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『庭園』
原案・台詞:イヴァン・クラウス(短編小説「生け垣」)
脚色:J・ゴルド
脚本・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー
音響:J・キンデルマン
衣装:エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『オトラント城』
原案:ホレス・ウォルポールの同名のゴシック小説
脚本・美術・監督:/ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:イジー・シャファーシュ
音楽:ズデニェク・リシュカ
アニメーション:クセニエ・ヴァヴレチコヴァー/カレル・ホホリーン
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『ジャバウォッキー』
原案:ルイス・キャロル(「鏡の国のアリス」より「ジャバウォッキー」のテーマ)
脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:ボリス・バロムィキン
音楽:ズデニェク・リシュカ
アニメーション:ヴラスタ・ポスピーシロヴァー
ナレーション:ヴェロニカ・シュヴァンクマイエロヴァー
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『棺の家』
原案・脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:イジー・シャファーシュ
音楽:ズテニェク・リシュカ
アニメーション:ボフスラフ・シュラーメク
出演(人形遣い):ナジャ・ムンザロヴァー/イジー・プロハースカ
制作:/クラートキー・フィルム・プラハ
『コストニツェ』
原案・脚本・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー
音響:イヴォ・シュパリィ
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『エトセトラ』
原案・脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:イジー・シャファーシュ
音楽:ズテニェク・リシュカ
アニメーション:ヴラスタ・ポスピーシロヴァー/ヤン・アダム
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『アッシャー家の崩壊』
原案:エドガー・アラン・ポーの同名の短編小説
脚本・美術・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:ミロスラフ・シュパーラ
音楽:ヤン・クルサーク
アニメーション:ベドジフ・グラセル/ヤン・シュヴァンクマイエル
ナレーション:ペトル・チェペック
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
『レオナルドの日記』
原案・脚本・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
美術:ヴラディミール・クラジヴァ
撮影:イジー・シャファーシュ
音楽:ズデニェク・リシュカ
アニメーション:ヴラディミール・クラジヴァ/カレル・ホホリーン
制作:クラートキー・フィルム・プラハ/コロナ・チネマトグラフィカ・ローマ(イタリア)
『ドン・ファン』
原案:チェコの伝統的な人形劇
脚本・美術・アニメーション・監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影:スヴァトプルク・マリー
音楽:ズデニェク・リシュカ
ナレーション:フランティシェク・フィリポフスキー
仮面:ヴィーチェスラフ・クシュミツ/ヨゼフ・ポトセドニーク/ミロスラヴァ・ヴォルコヴァー/ミロスラフ・クライニーク
制作:クラートキー・フィルム・プラハ
キャスト
『J.S.バッハ——G線上の幻想』
○イジー・ロペク
『シュバルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』
○ユライ・ヘルス
○イジー・プロハースカ
○エヴァ・シヴァンクマイエローヴァー
○ブランカ・ベルベツカー
○ヨゼフ・ヤコウベク
○カレル・ジェホジェク
『家での静かな一週間』
○ヴァーツラフ・ボロヴィチカ
『庭園』
○イジー・ハーレク
○ルジェク・コプシヴァ
○ミーラー・ミスリーコヴァー
○ヴァーツラフ・ボロヴィチカ
○フランティシェク・フサーク
『オトラント城』
○ヤロスラフ・ヴォザーブ
○ミロシュ・フリーバ
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