原題:green fingers

ここらで、ひと花、咲かそうぜ!!

2000年トロント国際映画祭出品

2000年/イギリス映画/ビスタ/ドルビーデジタル/91分 提供:メディアファクトリー 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2001年10月5日DVD発売/2001年10月5日ビデオ発売&レンタル開始 2001年4月7日よりシャンテシネにてロードショー!!

公開初日 2001/04/07

公開終了日 2001/05/11

配給会社名 0025

公開日メモ 「フル・モンティ」「ブラス!」に続く、HAPPYで愛すべきイギリス映画の誕生!

解説


《「もう囚人は飽き飽きだ。庭師になろうぜ!」》
高い塀も鉄条網も監視カメラもない、自由な規律のエッジフィールド更生刑務所に、人生を諦めたひとりの男、コリン・ブリッグスが移送されてきた。ある日、ハッジ刑務所長は、コリンに、庭造りを命令する。所長が名指した仲間は、およそ園芸などガラじゃない野蛮な大男ロウ、女好きのお調子者トニー、純情なジミー、そして風変わりな老人ファーガス。「無理だjと投げ出すコリンに、ファーガスが悪戯っぼく言う。「もう囚人は飽き飽きだ。庭師になろうぜ!」こうして”囚人庭師チーム”が誕生した。コリンは、ガーデニングによって命を育てる喜びを初めて知る。なんと彼には天才庭師(green fingers)の素質があったのだ。
そんなとき、あろうことか、女王陛下も鑑賞するという”ハンプトンコート・パレス・フラワーショウ”出場の話が舞い込んできた。こうして”囚人庭師チーム”は、前代未聞の大きな挑戦をすることになるのだが…。

《「フル・モンティ」「ブラス!」に続く、HAPPYで愛すべきイギリス映画の誕生!》
この奇想天外な物語は本当にあった話がもとになっている。プロデューサーのトラビス・スウォーズは、ニューヨーク・タイムズの記事を読み、本作のアイディアを思いついたという。それは、『イギリスでホタルブクロを育てる自由』(byポーラ・デイツ/1998年)という、イギリスの囚人達が行っているガーデニングについての記事だった。そして、監督兼脚本のジョエル・ハーシュマンは、美しく繊細な一輪の花と、無骨な男達という、対照的な二つのイメージをモチーフに、この笑いと感動に溢れた、救いと再生のヒューマン・ドラマを作り上げた。

主役のコリンには『ベント/堕ちた饗宴』(97)のクライヴ・オーウェン、ガーデニング専門家ジョージナに、『英国万歳!』(94)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた実力派ヘレン・ミレン、老囚人ファーガスに『ウェイクアップ!ネッド』(98)のデビッド・ケリーと、存在感あるキャストが揃う。製作総指揮に『スリング・ブレイド』(96年アカデミー賞脚色賞)を手掛けたダニエル・J・ビクター、編集に『アメリカン・ビューティー』(99)でアカデミー賞候補となったタリク・アンウォー他、一流のスタッフ陣が作るこの映画を、スティング、U2、ブルース・スプリングスティーンらの曲が、より魅惑的なものにしている。そして、忘れてはならないのが、劇中コリン達が作る庭の美しさだ。それは、いわばもうひとりの主役でもある。

ストーリー


ひとりの男、コリン・ブリッグス(クライヴ・オーウェン)が、イギリス・コッツウォルズにあるエッジフィールド更生刑務所に移送されてきた。人生を諦めた頑なな顔…。エッジフィールドは、高い塀も監視カメラもない、好きな時に紅茶も飲める、保安体勢のゆるい開放的な刑務所である。コリンは、自称画家の風変わりな老人ファーガス・ウィルクス(デビッド・ケリー)と同室になった。クリスマス・パーティの日、誰もが家族や恋人達を呼んで楽しんでいる中、コリンだけが、誰にも心開かずひとりぽっちだ。ファーガスは、コリンに一袋の花の種を無理矢理プレゼントする。仕方なく受け取ったコリンは、嫌々ながら、堅く痩せこけた土地に、その種を蒔く。
「どうせ時間のムダだ。この寒さじゃ見込みなしさ」
「…わしもそう言われた。でも、そうじやなかった。わしは人生を変えた…」
穏やかにそう言うファーガスを、コリンは探るように見つめた。

驚いたことに、種は芽吹き、春には満開のニオイスミレの花を咲かせた。その花を踏みにじられ、コリンは乱暴者の大男、ロウに殴りかかっていく。投げやりだったコリンの中で、何かが変わりつつあった。その出来事を知ったハッジ刑務所長(ウォーレン・クラーク)は、罰として所内の一角に庭園を造るよう、粋な命令を下す。そのメンバーは、喧嘩相手のロウ(アダム・フォガーティ)、女好きのお調子者トニー(トニー・ダイア)、純情なジミー(パターソン・ジョセフ)、そして、ファーガス。日当たりの悪い痩せこけた土地、園芸などガラじゃない素人集団、おまけに予算はほとんどゼロ。「どうせ無理だ」と投げ出すコリンに、ファーガスは悪戯好きの子供のような目で言う。
「もう囚人は飽き飽きだ。庭師になろうぜ!」
さらに、「刑務所長の心証を良くすれば刑期短縮になるかも」とエサをちらつかせ、園芸などハナからやる気のないロウ達をその気にさせることなど、したたかな年寄りファーガスには簡単なことだった。飄々とした彼の言葉には、何故か鶴の一声のように、皆を従わせるカがあった。土まみれになって庭を造りながら、いつしか彼等は、ファーガスを父としたひとつの家族のようになっていくのだった。

とうとう、庭園は完成した。初心者の仕業とは思えないほど、美しく色鮮やかな花々が咲き誇っている。ハッジ所長の妻スーザン(サリー・エドワーズ)は、ガーデニングの専門家ジョージナ・ウッドハウス(ヘレン・ミレン)に、「主人の部下たちの庭を見て欲しい」と頼み込み、刑務所に連れてくることに成功する。「部下」が囚人達であり、「庭」が刑務所内であることを知って呆然とするジョージナだが、庭を見たとたん独創的なスタイルとその意外性に魅了される。

ジョージナはコリン達を、民間労働と称して、由緒ある旧館、オズルブリーハウスの荒れ放題の庭の手入れにかり出す。コリンは、どんどんガーデニングに夢中になっていった。命を育てることに、生きる意味を見いだしたのだ。なんと彼には、天才庭師(green fingers)の素質があったようだ。そして、彼とジョージナの娘プリムローズ(ナターシャ・リトル)の間には、恋が芽生える。

スタッフ

監督/脚本:ジョエル・ハーシュマン
製作:トラビス・スウォーズ/ダニエル・J・ビクター
製作総指揮:ダニエル・J・ビクター/トルーディ・スタイター
撮影:ジョン・デイリー
編集:タリク・アンウォー
プロダクション・デザイナー:ティム・ハッチソン
音楽:ガイ・テイガル
衣装デサイン:フランシス・テンペスト
後援:ブリティッシュ・カウンシル/英国王立園芸協会日本支部/
(財)日本花普及センター/(財)日本花の会/(財)日本家庭園芸普及協会/日本トピアリー協会/サントリー㈱
宣伝:LIBERO
提供:メディアファクトリー
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

キャスト

コリン・ブリッグス:クライヴ・オーウェン
ジョージナ・ウッドハウス:ヘレン・ミレン
ファーガス・ウィルクス:テピット・ケリー
ハッジ所長:ウォーレン・クラーク
トニー:,ダニー・ダイア
ロウ:アダム・フォガーティ
プリムローズ・ウッドハウス:ナターシャ・リトル
ジミー:パターソン・ジョセフ
スーザン・ハッジ:サリー・エドワーズ

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