原題:GABBEH

イランの素朴な絨毯「ギャベ」に託す若い娘の一途な愛の物語

1996年/フランス・イラン合作/カラー/ビスタ(1:1.85)/73分 提供:アジア映画社、オフィスサンマルサン 配給:オフィスサンマルサン

2001年10月26日ビデオ発売&レンタル開始 2000年7月22日(土)より独占ロードショー! 三百人劇場

公開初日 2000/07/22

配給会社名 0243

解説

●イランの遊牧民の女たちが織る素朴な絨毯「ギャベ」はその愛らしい風合いに日本でもファンが多い。この映画は、一枚のギャベに一人の娘の恋を託して描いた美しい幻想譚。糸の染色から丹念に映し出される織物作り、そして色鮮やかな民族衣装。世界を色彩として捉え、詩情みなぎるファンタジックな野心作。
●大切な絨毯を洗う老夫婦の前に、美しい若い娘が現れる。彼女はギャベと名乗る。老婆に問われるままにギャベは自分の身の上を語り出す。遊牧民の一家に生まれた彼女は羊を飼い絨毯を織る。そしてある日、狼の声を持つ男に恋に落ちる。父親はよそ者との恋愛を許さない。娘の一途な思いを感じとった父親は、恋の熱が冷めるよう時間を稼ぐ。病気のおばあさんが町の病院に入るまで待て。独身の伯父さんが結婚するのが先だ。お前の母親が妊娠した。子供が産まれるまで待て。
おばあさんは亡くなり、伯父さんは結婚し、そして妹が生まれた。それでも父親は結婚を許さない。そしてギャベには逃げ出す勇気がない。後を追ってきた男はついに…。

人生は色彩だ!
この世に満ちる美を描き、詩情みなぎるファンタジー

●マフマルバフは現在のイラン社会が色彩を失っているという。街のトーンも身につけるものも、すべて黒ばかりで色彩が死んでいると。
『ギャベ』はその失われてしまった「色彩」の復権をもくろんだ野心的なファンタジーである。基本色は「赤」「青」「黄」。赤は愛を表し、空と海の色である青は崇高さを表す。そして太陽と麦畑の色である黄色は幸福を表す。マフマルバフはこのような配色で、人工の色を廃し自然の色彩のみを使ってこの映画を作った。それはまさに素朴な絨毯が織りなすプリミティブ・アートの世界。マフマルバフが描く色彩の祭典に酔いしれる傑作である。

ストーリー

スタッフ

監督・脚本・編集:モフセン・マフマルバフ
撮影:マームード・カラリ
音楽:ホセイン・アリザデ

キャスト

シャガイエグ・ジョタト
アッバス・サヤヒ
ホセイン・モハラミ
ロギエ・モハラミ

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