弱虫（チンピラ）

原題：CHINPIRA

男義（やくざ）にもなりきれない・・・・弱虫（チンピラ）の物語

第13回東京国際映画祭ニッポン・シネマ・ナウ　プレミア上映作品::http://www.tokyo-filmfest.or.jp/

２０００年／日本／カラー／ビスタサイズ／モノラル／109min.／R-15指定配給：グルーヴコーポレーション

2002年3月25日ＤＶＤ発売 2001年5月11日ビデオ発売 2000年11月11日より新宿トーアにて公開

公開初日　2000/11/11

配給会社名 0591

解説

「本気（マジ）」「仁義」などで幅広い読者層に根強い人気をもつ漫画家・立原あゆみが現在、（株）日本文芸社「週刊漫画ゴラク」で好評連載中の「弱虫（チンピラ）」が待望の映画化！監督は、「極道記者」シリーズ、「鬼火」「恋極道」「皆月」など精力的に秀作を撮り続け、ロッテルダム映画祭で特集を組まれたり、2000年ヴェネチア映画祭長編ビデオ部門に「通貨と金髪」を出品するなど海外でも高く評価されている鬼才・望月六郎。アンダーグラウンドな世界に生きる男女の、また男同士がそれぞれの瑕を内包しながら愛を求めて生きる姿を、情愛も豊かに描き出す。また今回、ミュージシャン・山崎まさよしが楽曲協力（テーマ曲提供）という形で映画に参加し、本作を盛り上げている。主演・北爪修役には、「鬼火」「皆月」（望月六郎監督作品）等で確かな演技力を実証。

1999年キネマ旬報・新人男優賞受賞）。「日本黒社会 LAY LINES」（99年　三池崇史監督）で、堂々主演を果たし、ドラマ「リミットもしもわが子が…。」（NTV）でのアクの強い中国系タイ人役も記憶に新しい、今最も注目される若手俳優・北村一輝。この作品では、女のトラブルが元でヤクザの道に足を踏み入れながらも、ヤクザになりきれない複雑な青年役に挑み、今までとは一線を画す、深みのある演技で新境地を拓いている。元ヤクザの女で、スナックで働きながら修を支える恋人有美役に、CX「あぶない女たち」やANB「七人の女弁護士」シリーズ、映画「不貞の季節」（廣木隆一監督）の演技派・星遙子。また修の属する組の組長に囲われた薄幸の少女・景子役に、本作が女優デビューとなる新人宮前希依（みやまえきより）。また修の兄貴分・船水役に田口トモロヲ、景子を囲う月島組組長に長門裕之、船水と兄弟分の朝村役にガダルカナル・タカ。他、竹中直人、大杉漣、麿赤兒等、いずれも魅力たっぷりの豪華演技陣がバックアップしている。

ストーリー

北爪修（北村一輝）は、ヤクザの女だった有美（星遙子）と出来てしまい、そのトラブルが縁で、月島組の船水（田口トモロヲ）の子分として、組の正式な杯はもらうことなく‘弱虫（ちんぴら）“として船水の手伝いをしている。ある日、組の仲間が探し回っていた一人の少女をたった１晩、かくまってやった修。彼女は渡世の親である月島組組長（長門裕之）がぞっこんの景子だった。景子は戻った後も、「お願い、わたしを連れて逃げて」と、修の携帯電話にすがるように電話をしてくる。

組では、若頭の座を狙う朝村（ガタルカナル・タカ）の、月島組が属する風組とは別系列で関東進出を狙う関西の紅屋組と手を結び、地元で勢力を争っている江戸川組と一戦構えようとの画策で揺れていた。朝村とは兄弟分の船水は、そんな危険な状態を危惧し、月島を説得しようとしていたが、景子のことで頭がいっぱいの月島は、今の状態がどんな状態かも判断できず、船水の判断で小康状態を保っている。
束縛されず、たいした責任ももたず。
修に景子は軽蔑の眼差しでいう。
「よわむし・・・！」修には何も言い返せない。

それでもすがるように修に助けを求める景子は、シャブのせいで、男を求めて狂ったようになっていく。自分では満足させることができない月島は、見張り当番だった修に、景子を抱くように命じる。変り果て視点の合わない景子を修は思わず心から抱きしめ募る思いを認める。
とうとう江戸川組の組長が命を狙われ、一発触発だった事態を収めた船水だったが、若頭への道を絶たれた朝村の逆恨みの銃の弾で傷を負う修。
一命を取り留めた修を案じ、修を訪ね、伝言を有美に託す景子。渡されたメモは景子の携帯電話のナンバーだった。そして、景子は見張りを銃で脅し、逃亡した。
傷も癒え、組の事務所に顔を出す修は、月島に景子を逃がしてやってくれと懇願する。怒り狂いなぐりかかる月島を制し、修は自分の子だ、と月島の怒りを受け止め諭す船水。景子は死んだ月島の娘に似ていたのだった。
傷だらけで帰宅した修にプレゼントだと、景子からのメモを手渡す有美。
「ありがとう」と受け取る修に、有美は荷造したバックを渡す。
修は二人の愛の巣を出て景子を求め、歩き出した・・・。

スタッフ

原作：立原あゆみ（日本文芸社「週刊漫画ゴラク」連載）
製作：尾川匠
企画：伊藤秀裕
プロデューサー：佐藤敏宏
監督：望月六郎
脚本：石川雅也・平山幸樹
音楽監督：遠藤浩二、 e−KLAY
楽曲協力：山崎まさよし
撮影：石井浩一
照明：櫻井雅章
録音：福島音響
美術：伊藤章雄
編集：矢船陽介
助監督：菅原和利
製作担当：緒方昌孝
キャスティング：綿引近人
制作：株式会社グルーヴコーポレーション
制作協力：エクセレントフィルム

キャスト

北村一輝
星遙子
田口トモロヲ
宮前希依（新人）
長門裕之
竹中直人（特別出演）
大杉漣
麿赤兒
ガダルカナル・タカ
金山和彦、上杉祥三、曽根英樹、緋田康人、中西良太、
黒沼弘巳、大森南朋、掛田誠、奈良坂篤、曽根晴美、
石田隆三、松石健宏、高林健二、西沢仁、篠原さとし、
美崎涼香、望月ねね、青山美樹、永松恵子、大沢あかね（子役）、
冬雁子、森下桂子

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