都会の澱み。うごめく魂。

☆1997年ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞

1997年台湾映画/カラー/ヴィスタサイズ/1時間55分 配給:ユーロスペース

1998年8月8日より衝撃のロードショウ公開!

©Central Motion Pictures Corporation

公開初日 1998/08/08

配給会社名 0131

解説


『青春神話』(92)でデビューするなり、その圧倒的に独自の映像世界で観客を衝撃の渦に巻き込み、一躍世界で最も注目される若手監督に躍り出たツァイ・ミンリャン。そんな彼が第ニ作『愛情萬歳』(94)に続いて三たび現代都市に生きる人々の救いのな孤独感、愛への渇望を容赦ないタッチで抉りだしてみせたのが、この新作『河』です。97年ベルリン国際映画祭で鳴り物入りでワールドプレミア上映されるや、文句なしの絶賛を獲得、見事に銀熊賞に輝きました。『青春神話』『愛情萬歳』とツァイ・ミンリャンが描き続けてきたのは、非人間的なまでの急速な変化に晒される現代都市・台北の片隅で、その変化の速度に調和しきれず置き去りにされた若者たちや、その家族の姿だった。希望を見い出せぬまま苦悶し癒しを求めて当てもなく徘徊する彼ら。彼の現代都市三部作の完結篇、集大成にあたる新作『河』が題材にするのも、そうした同じ境遇を生きた人たち。その姿を、これまで以上に僅かの叙情やロマンチシズムも挟み込むことなく冷徹に焙りだしていった、震撼もせずにはいられない傑作の誕生です。

ストーリー


あてどなく街をうろついていたリー・カンションは旧友のチェン・シアンチーと久しぶりに再会する。チェン・シアンチーはアン・ホイ監督の撮影隊のスタッフだった。リーは彼女に誘われるがままアン・ホイ監督の撮影現場を訪れる。そしてひょんな事から河に浮かぶ死体役に抜擢されてしまう。その後、ホテルでセックスに溺れるリーとチェン。だが翌日、リーは首が曲がったままになる奇病に取り憑かれる。リーの家族は一つ屋根の下に暮らしながらも、心は離れ離れで、それぞれに孤独を抱えていた。その孤独をゲイ・サウナに通うことで癒す父。一方、エレベーターガールを努める母も、海賊版裏ビデオの宅配業を営む愛人との密会に余念が無い。リーの病気は、この崩壊しきった家族にわずかな交流を回復させる。両親のケアのもと、病院、マッサージ、霊感療法など様々な治療を試しみる彼の「旅」が始まる。はたして彼に、そして崩壊しったこの家族に救いはやってくるのか?。それともあの台北の河のように濁った水に閉ざされたまま、永遠に生命感を回復する兆しは訪れないのか……。

スタッフ

監督 ………… ツァイ・ミンリャン
製作 ………… チャン・フーピン
プロデューサー ………… シュー・リーコン
チウ・シュンチン
脚本 ………… ツァイ・ミンリャン
ヤン・ピーイン
ツァイ・イーチュン
撮影 ………… リャオ・ペンロン
録音 ………… ヤン・チンアン
編集 ………… チェン・シェンチャン
ライ・チェンチン
美術 ………… リー・パオリン
証明 ………… ワン・シェン

キャスト

リー・カンション
ミャオ・ティエン
ルー・シアオリン
チェン・チャオロン
チェン・シアンチー
アン・ホイ
ヤン・クイメイ

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