原題:Kin-dza-dza!

日本のみならず世界中のカルト映画ファンが、こよなく愛する旧ソ連映画の秘宝!!

1986年/ソ連/カラー/デジタル/135分/日本語字幕:太田直子/ 配給:パンドラ→提供・配給:パンドラ+キングレコード

2016年8月20日(土)より新宿シネマカリテにて超脱力レイトショー!!全国順次公開!! 2002年5月1日よりDVD発売 2001年7月21日よりユーロスペースにて公開

© Mosfilm Cinema Concern, 1986

公開初日 2001/07/21

公開終了日 2001/11/02

配給会社名 0063

公開日メモ 旧ソ連製作のSF映画。

解説


本作は、思いがけず“空間移動装置”のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュクにワープしてしまった男2人が“クー”としか言わない異星人たちにダマされながらもなんとかして地球に帰ろうと奮闘する姿を描くSF映画です。監督は名実ともにロシアを代表するゲオルキー・ダネリア。本作のロシアでの観客動員数はすさまじいですが、実はダネリア監督の75年作品『AFONYA』はその約4倍の6,220万人を記録、もはや意味不明な領域に達してしまったロシア映画界の巨人です。そして音楽は世界的作曲家のギア・カンチェリが担当し、史上最も気の抜けたサントラを作りだしてしまっています。旧ソ連時代当時の社会や、資本主義世界に対する皮肉や風刺などが他に類をみない途方もなくゆるい脱力空間とともに展開され、『2001年宇宙の旅』(68年/スタンリー・キューブリック監督)、『惑星ソラリス』(72年/アンドレイ・タルコフスキー監督)、『未来世紀ブラジル』(85年/テリー・ギリアム監督)などの名だたる作品群と比較されるほどの人気を誇りつつ、実はこの世に類似作が見当たらないという不思議な唯一無二の作品です。そんな、世界中に中毒者が存在する世紀のカルト映画がまさかのデジタル・リマスターを施され、衝撃的にはっきり、くっきりした鮮明な映像でよみがえる15年ぶりの劇場公開

ストーリー





モスクワ 冬 
 モスクワ、冬。技師マシコフは帰宅するなり妻に「マカロニを買ってきてくれ」と頼まれ外出する。街角で地方出身らしいバイオリンを抱えた青年に「あそこに自分のことを異星人だという男がいる」と声をかけられて、関わるのは面倒だから警察に、と提案するが「裸足で寒そうだから」という青年に付き合って、その怪しい男と言葉を交わす。自称異星人は「この星のクロスナンバーか座標を教えてくれ」と尋ねるが、まっとうなソ連市民であるマシコフはそんな虚言を信じないで、男の手の中にあった〈空間移動装置〉を押してしまう。瞬間、マシコフと青年は砂漠のど真ん中にワープしてしまった!

空間移動装置でワープ
 「もしかして、あの男の星に来てしまったんじゃないか」と不安がる青年ゲデバンに対して「ここはカラクムだ。ソ連国内の砂漠だ」と言い張るマシコフ技師は、年長者の威厳を失わないよう青年を促し、街をめざして歩き始める。
灼熱の太陽が二人を襲う。酢はあるが、水はない。靴を履き替えたり、折り紙の要領で日焼け帽を作ったり、できる限りのことをして、疲れ果てるまで歩いても人家にたどり着けず、砂の上に座り込む二人。時計はモスクワ時間の朝4時を指している。そんな時、奇妙な音を立てて釣鐘型の宇宙船がやって来る。着陸した飛行物体から出てきたのはこぎたない男二人。檻を出てミョーな音をつけながら踊り始める。どうやら「クー」と言っているらしい。

「クー」とマッチ
英語もフランス語もドイツ語も通じず、どんな身振りをしても返ってくるのは「クー」ばかり。街まで送ってもらうつもりで毛皮の帽子もコートも差し出した二人だが、取られるだけ取られて、宇宙船には乗せてもらえずに放り出される。呆気に取られたマシコフだが、気を取り直してタバコに火をつける。と、マッチを擦った瞬間、釣鐘型の宇宙船がUターンして舞い戻ってくるではないか!マッチを欲しがる男たちに「街まで乗せてくれるなら、“クー”だ」と交渉するマシコフ。なんとか船に乗り込む二人。ここに至ってはマシコフおじさんも認めざるを得ない、ここが地球でないことを・・・。

キン・ザ・ザ青雲のプリュク星
二人が飛ばされてきてしまったのはキン・ザ・ザ青雲のプリュク星。なんでもマッチがえらい貴重品らしい。幸いなことに、煙草を吸うマシコフのポケットにはマッチが二箱ある。なんとかこれで地球に帰ることができないだろうか。
たったのマッチ一本で、宇宙船のエンジンが買えるという話。いや、一本もいらない、その半分でいい・・・。簡単に思えた交渉も、マッチの貴重さをうっかり軽くみてしまったマシコフのヘマで失敗し、釣鐘型の宇宙船は燃料切れで立往生。おまけに今度は卵型の宇宙船がやってきた。乗っていた権力者エツィロップは、“クー”をしなかったマシコフを殴ったうえに、釣鐘型宇宙船の二人から有り金を巻き上げていく。これでは燃料を買う事もできない。四人で釣鐘型の宇宙船を押して歩くにしても、街は遠い・・・。

砂漠をさまよう
マシコフ、ゲデバン、ウエフ(太め)、ビー(ノッポ)の四人は延々と続く砂漠をさまよう。すると、砂漠に点在する集落の住人は、地球人二人のバイオリンと歌に感激して、投げ銭をくれる。これで燃料を買い、残りのマッチでエンジンを買えば、きっと地球に帰れるはず。ところが、ウエフとビーには別の思惑があった。彼らの故郷の星はプリュク星に大気と日照権を奪われた惑星で、この星を買い取り、名誉と光を取り戻すためには、どんな嘘も裏切りも辞さない構えだ。

果たして地球に帰れるか・・
果たしてマシコフとゲデバンは“反クロス系”に位置する地球に帰ることができるだろうか。帰り着いたとしても、愛する家族は・・・。あのモスクワの街角に立っていた異星の男は、この星の一秒は地球上の半年だと言っていた。このまま二人は宇宙の浦島太郎として終わるのか・・・。

スタッフ

監督:ゲオルギー・ダネリア
脚本:レヴァス・ガブリアゼ+ゲオルギー・ダネリヤ
撮影:バーヴェル・レヴェシェフ
美術:アレクサンドル・サムレキン・テオドル・テジク
音楽:ギア・カンチェリ
製作:モスフィルム・スタジオ

キャスト

レバン・ガブリアゼ
スタニラフ・リュバシン
エブゲーニー・レオノフ

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